アメリカ・シアトルに住んで十数年。エディターとして活躍するNorikoさんに、現地で話題のフードやライフスタイルを紹介してもらいます。今回は、「あえて傘を持たない人が多い」という、シアトルの雨の日事情についてです。
すべての画像を見る(全5枚)”雨の街”シアトルの独特な気候。四季というより、雨季ときどき乾季!
シアトルは、雨が多いことで知られています。秋から春まで雨が続き、夏だけが晴れているような状態。四季というより、雨季ときどき乾季の気候です。
今年はその「雨季」がなかなか終わらず、7月に入ってもどんより空が続いています。日本の梅雨なんて、1か月くらいで終わることを思えばどうってことありません(笑)。
そんな気候だからこそ、ラテで一世を風靡したスターバックスをはじめとするシアトル系コーヒーや、アマゾン、マイクロソフトなどのIT企業が発達したのかもしれません。
インドア文化、万歳!
そんな1年のほとんどを雨とともに暮らしているシアトル人。雨だからといって、いちいち気分が落ち込んでいたら、やってられません。
「あ、雨だ。傘をささなきゃ」と、あわてることもありません。そもそも、傘を持ち歩いていないのです。
これは、シアトルに住み始めた当初、カルチャー・ショックを受けたことのひとつです。
傘を持たないシアトルの人々
この記事を書くにあたり、あらためて街中を観察してみました。朝からどんより雲の広がるなか、さっそく雨が降り出しましたが、だれも傘を取り出しません。
まず、大通りを見てみましょう。信号待ちの間も、軒下に避難して雨宿り、という選択肢はないようです。雨だからと、とくに急いでどこかに行く様子の人もなし。
それでは、公園はどうでしょう。たくさんの親子連れがいますが、雨が降る前と変わらずに子どもを遊ばせています。
ピクニックシートを敷いて食事中のグループもいましたが、引き上げる様子はありません。バレーボールをしているグループも、プレイを続行。ランニングをしている人もちらほらいます。
商店街に場所を移すと、ようやく傘をさした老婦人をひとり発見! ただし、一緒に歩いているパートナーは傘なし派のようです。
傘を持つのをやめてみたら、心がすっきり
日本にいた頃は、出かける前に天気予報をチェックして降水確率次第で傘を持っていくかどうかを決める毎日でした。
シアトルで暮らすようになって、そうした日々から遠ざかるうちに、天気予報を見ることすらなくなっていきました。今でも出かけるときに雨が降っていたら傘をもっていきますが、傘のないまま出先で雨が降ってもなんとかなるものです。
もちろん、台風や集中豪雨のような激しい雨ならまた話は別ですが、普段なら問題なし。心配から解放されるうえに、荷物も減ります。
ちなみに傘を持たないシアトル人でも、それなりに雨対策はしています。
シアトルでの必需品はフードつきのアウター。コートでも、パーカーでも、ジャケットでも、フードつきが基本です。防水加工の素材ならなおよし。キャップ派も多いですね。
耐えきれないほど土砂降りになったら、カフェに入ればいい。シアトルの街は角を曲がるたびにカフェが見つかります。
とはいえ、晴れた日が待ち遠しいのは、梅雨どきの日本と同じ。
青い空が続くシアトルの夏がすぐそこまで来ていると思うと、うれしい限りです。
【Norikoさん】アメリカ・シアトル在住。現地の日系タウン誌編集長職を経てフリーランス・エディター/ライターとなり、日米のメディアに旅行情報からライフスタイル、子育て事情まで多数の記事を寄稿する。著書に『
アメリカ西海岸ママ~日本とは少し違うかもしれない、はじめての妊娠&出産~』(海外書き人クラブ刊)