梅雨も本番。雨をうっとうしく感じてしまいますが、「雨の水滴は、とっても魅力的な被写体になるんですよ」と教えてくれたのは、写真教室を主宰する西村りつ子さん。
雨の日でも気分があがりそうな、雨の写真を上手に撮る方法を詳しく教えてもらいました。
雨の写真を上手に撮る方法。静止している水滴から始めてみよう!
水滴といっても、動いている水滴もあれば、静止している水滴もあります。まずは、植物などについて静止している水滴を被写体にすると撮りやすいと思います。
ここではマクロレンズ(ものを大きく写し撮ることのできるレンズ)を使用しました。
●葉っぱの水滴のポイントはピント合わせ
葉についたたくさんの水滴。ポイントはピント合わせです。水滴をよく見ると、小さな水滴もあれば大きな水滴もあります。どの水滴にピントを合わせるかで、その写真の表情が変わってきます。葉についた水滴を眺めながら、どの水滴を主役にするか、しっかり考えて撮ることが大切です。
●ひとつの水滴を撮るのもすてき
小さな実にのったひとつの水滴。たくさんの水滴もかわいいですが、今にもこぼれ落ちそうなひとつの水滴を狙うのもおすすめです。
ここでもポイントは、やはりピント合わせ。小さなひとつの水滴にピントを合わせるのには、ちょっとしたコツがいります。この写真の場合、実と水滴の接地面か、水滴の中に写っているものを狙うと、ピント合わせしやすくなります。
●車の窓の水滴には、意外な世界が!
こちらの写真、クルマの窓越しに撮ったものです。それぞれの水滴の中をじっくり見てみてください。どの水滴にも、窓の外の木々が逆さに写り込んでいるのがわかりますか?
普段、なにも考えずにワイパーで振り払っている水滴ですが、写真できり取るとこんなにおもしろい世界がつまっています。
レンズを通してみる世界は、これだからおもしろいなと再認識した一枚です。
●ホワイトバランスで雨のイメージ色をプラス
雨は透明ですが、雨をイメージする色と言えば、青や灰色と答える方が多いのではないでしょうか。
左の写真に青を加えた写真が、右の写真になります。同じ写真でも、色が少し変わるだけで、伝わる印象も変わってきます。
ホワイトバランスという機能を使って、青を強調した写真にすると、雨の日のどんよりしたイメージから、青が持つ涼やかな雰囲気や透明感がプラスされ、印象的な一枚になります。
普段オートで撮っている方も、ホワイトバランスを触ってみてください。いつもと違った雰囲気の写真が撮れますよ。
●雨の日でも写真が撮りやすくなる設定
ライブビュー(液晶モニターで実際の被写体を確認できるモードのこと)の設定がある一眼レフカメラには、タッチシャッターという機能がついている場合があります。傘を持ちながらの撮影の場合、ファインダーを覗いてシャッターをきることが難しいので、そんなときはタッチシャッターを試してみましょう。
私のカメラだと、ライブビューのモニター左下に、タッチシャッターにきり替えられるアイコンがあります。ここをタッチするだけでOK。
タッチシャッターにすると、ライブビューでモニターを見ながら、ピントを合わせたい部分をタッチするだけで、シャッターがきれます。とても便利な機能ではありますがブレやすくなるので、ブレないように構えることがポイントです。
また、細かいピント合わせのときは、ファインダーを覗いて合わせるのがおすすめです。被写体によって、使い分けてみてください。
最後に、雨の日に大事なカメラを持ち出すのは、濡れそうで怖いですよね。私はカメラをビニール袋でくるんでいます。カメラの雨対策も、雨の日の撮影を楽しむためには大切です。
雨の日をかわいくきり撮った写真は、おしゃれなポストカードにして部屋に飾ったり、季節のあいさつとして友達に送ったりして楽しんでいます。こんな風に、雨の時季をいっぱい楽しんでみませんか?