宝塚歌劇をこよなく愛するヘアメイクアップアーティストの山本浩未です。私、“TAKARAZUKA”を知って人生が変わりました! そんなTAKARAZUKAのすばらしさをみなさまにお伝えするべく、観劇の感想や、今後の公演への期待をつづります。すべては私の妄想、個人的な感想&意見でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
vol.51 花組公演 万葉ロマン『あかねさす紫の花』
1976年の初演以来、たびたび再演を重ねてきた万葉ロマンの名作。律令国家形成の立役者となった中大兄皇子、大海人皇子という才気溢れる二人の兄弟が、女流歌人・額田女王を巡って繰り広げる愛憎劇。明日海(あすみ)りおら花組選抜メンバーが、A、Bの2パターンで違う役を演じる「役替わり」というシステムで、博多座にて公演が行われた。
明日海りおさんの凄みのある存在感、ハンパない!
博多座花組公演を観に、博多へ遠征した2日目。1日目は『あかねさす紫の花』のAパターンを観て、翌日はBパターンの初日。今回はただ役替わりというのではなく、内容も少し変わる、ゆえにプログラムも2タイプ販売してるという…。
うーん、悩んだけどやっぱり買っちゃうよね、2冊。舞台観たらね、絶対欲しくなる!(っても、たいして違わないんだけどね)
Bパターンは、兄の中大兄皇子を明日海りおさん、弟の大海人皇子を柚香光(ゆずか れい)さんが演じます。柚香さんの大海人はきっとピッタリ! と思ってた。が、明日海さんの中大兄、すごすぎ!
威厳のつけ方、目線の配り方、揺るぎない自信と、でも心根にある弱さ脆さもうまく演じ…いや、彼女の花組トップ男役の姿と重なるのかな。凄みのある存在感はハンパなく、明日海さんの演技力と美しさに、愛しつつ迷える柚香さんの切ない中大兄に、打ちのめされ泣いた…。
Bパターンの額田女王、弟の妻だけど、強い義兄に惹かれていっちゃうのも仕方ないよね…って思っちゃうのは、中大兄皇子が主役だからか!?
しかし、すばらしい名作です。
今までも何度か観たけど、同じ作品なのに役者の演じ方で違ってくる。もちろん観る方も変わってくる。舞台ってホントおもろしい!
天比古を演じた鳳月杏(ほうづき あん)さん、彼女はかわいい役もいいんです。演技がうまい、声がいい、ビジュアルもキレイ、センスがいい! 天比古の健気さとやりきれなさがよく出てました。
Bパターンでは、みんなから愛されるモテモテの額田女王と、乙羽映見(おとはね えみ)ちゃん演じる、天比古を支える小月、2人の気持ちになってまたまた泣いたのでした。
宝塚の『あかねさす紫の花』、名作! です!
【山本浩未】宝塚をこよなく愛する乙女系ヘアメイクアップアーティスト。「生活者としてのキレイ」をテーマに活躍中。シンプルでわかりやすい美容理論を元にメイクアップ、コラムの執筆など連載を持ち、健康的で美しく暮らすライフスタイルが、世代を超えた女性に支持されている。近著に「
おとな美人を作る「メイクの基本」」(宝島社刊)「
今治美肌タオル付き山本浩未のスチームON顔(おんがん)」(講談社刊)「
きれいは力」(幻冬舎刊)、「
美人メイク基本の「き」」(宝島刊)、「
同窓会で二番目にキレイになるには…」(小学館刊)など著書多数