家電製品の性能がどんどんよくなって、家事代行サービスなども増えています。女性たちは家事の負担から開放されつつあるのでしょうか?
答えはNO! じつは、女性の家事にかける時間は、ここ20年でたった10分しか減っていません。
※平成8年の“女性の家事時間”は2時間37分。平成28年は2時間24分(総務省 統計局 「平成28年社会生活基本調査」より)
その理由として考えられるのは、家事1回あたりにかかる時間は減ったものの、家事の頻度が増えているという点です。洗濯機の進化で今までクリーニング店で頼んでいた洗濯が自宅でできるようになったり、片づけブームやお掃除ブームの到来によって掃除の回数が増えていたり…。皆さんも実際に家事を行っていて、思い当たることもあるかもしれません。
今回ESSE編集部では、家事の時短を考える「知的家事プロデューサー」の本間朝子さんを取材。「こんな家事は省ける」「こんな手順はいらない」といった、家事のムダを省くためのアイデアを伺ってみました。
「その場で決断」「移動しながら」で、家事を習慣化する
家事のために「わざわざ」時間をつくらず、「その場で決断」「移動しながら」、生活の一部として行うのがコツです。私の場合、少しずつ変えていくうちに、家事にかかる時間や負担は大幅に減り、自分の時間が増えていきました。
●<掃除>わざわざ郵便物を整理する→【改善案】その場でポイ!
クレジットカードの利用明細やダイレクトメッセージなどの郵便受けの中身は、帰宅後すぐに処理するのがいちばん。そのために、玄関近くにハサミとゴミ箱をセットしておきましょう。すぐに開封し、不要ならその場でゴミ箱へポイ。あとで整理する必要がなくなります。
これはなぜ今までやらなかったんだろうと思うほど、簡単で便利。いろんなところに置きがちだったハサミの定位置が決まって、探さなくなったというメリットも。
●<掃除>わざわざ掃除の時間を設ける→【改善案】移動しながらフロアワイパー!
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わざわざ、掃除の時間を取っていませんか? そんな人は、寝るときに寝室にフロアワイパーをセットしてみてください。朝起きて、床をすべらせながら移動すれば、通り道の掃除は完了。しかもホコリは時間をかけて床に落ちていくので、夜に積もったホコリを一網打尽にできる朝がベストなんです。洗面所や別の部屋に寄り道しながら移動すれば、掃除の手間がさらに省けます。
朝起きて歩くところは毎日の動線。「最低限ここだけキレイにすればよい」と思うとラクになります。あえて掃除の時間をつくらず、朝の「移動ワイパー」を習慣にしましょう。どんなに寝ぼけていてもワイパーをかけることくらいはきっとできます。
手間を省いて、家事にかかる時間のムダをなくす!
布団をベランダまで運んだり、何度もまな板を洗ったり。ストレスを感じる家事は「ムダ家事」として省いてしまいましょう。結果が同じなら、ラクな方が断然おすすめです!
●<洗濯>わざわざ布団を外に干す→【改善案】屋内でもフカフカに!
じつは布団は外で干さなくてもOK。日当たりのよい室内で充分乾燥できます。天気の良い日に窓際にイスやテーブルを置いて、その上に布団を置いてみてください。フカフカになります。
ベランダに布団を干すのは、運ぶのも取り入れるのも大変なもの。外出したときに空模様が気になることもありません。外に干したときの花粉、黄砂、虫の心配もなくなります。
●<洗いもの>調理中に何度もまな板を洗う→【改善案】クッキングシートの上で切って使い捨て!
肉や魚の専用まな板を用意すると、場所をとるし洗いものも増えます。でも同じまな板で、野菜と肉類をカットするのは気が引けますね。
そんなときは、いつも使っているまな板にクッキングシートを敷き、その上で肉や魚を切りましょう。使い捨て可能なので衛生的。洗いものの手間も解決します。また、ニンニクなどまな板ににおいのつくものや、ニンジンなど色がついてしまう食材を切るときも便利です。
シートの代金がもったいないと思うかもしれませんが、そのぶん洗剤とお水、洗う手間と時間が節約になります。定期的にまな板を漂白する必要もなくなりますよ。
本間さんの書籍
(サンクチュアリ出版)には、このほかにも家事をラクにするアイデアがたくさん掲載されています。家事の時短に興味がある方はチェックしてみてはいかがでしょうか?