ゲタ箱整理のたびに、持ちすぎた靴を前にして反省…という人は多いのでは? 靴の数はメンテナンスの負担に比例します。それでも、すべての靴を使いこなせているのならまだいい方。もしも死蔵しているものがあったら、それは玄関スペースのムダ使いでしかありません。
ものが少ない暮らしを提唱するサロンを主宰する本多メグさんは、わずか5足の靴でやりくりをしています。数を減らすことができたのは、買うべき靴の基準をしっかりと持ち、しかも購入後も見直しの習慣を続けているから。おかげで玄関はすっきり、靴の手入れも行き届いています。そんな本多さんに、靴の持ち方について詳しく話を聞いてみました。
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靴の総数は、欲しい数ではなく、用途の数で決める
普段からものを減らすようにしている私の靴は、5足だけ。5足だと困ると思われるかもしれませんが、日々の暮らしを見直し、用途別に最低一足ずつ持てば、じつは案外やりくりできると感じています。私が心がけていることをご紹介していきましょう。
●用途別にそろえる
そもそも靴の存在とはどういうものなのでしょう。長靴は雨の日を快適に。スニーカーは思いきった動きを可能にしてくれます。高いヒール靴は、おしゃれをしたい日に女性らしさをアピールするアイテムに。フォーマルな靴は、ビジネスや冠婚葬祭などの席で、TPOに合わせた身だしなみの一部として、相手への敬意を示す役割があります。
ということは、靴の数を減らしたいからと、いたずらに処分すると困った事態を招きます。必ず用途別に持つことが大切。とくに自分にかかわる「用途」分は必要です。
一般的な女性なら、日常的に使える普段履き、おしゃれする日用のきちんとした靴、運動用のスニーカー、冠婚葬祭用の黒のパンプス…このくらいは必要でしょう。
もし習いごとをしていれば専用の靴(和装用、ダンス、登山用など趣味のもの)も使うでしょうし、働いている方は通勤用の靴も必要になりますね。また、通勤靴は毎日同じものを、というわけにはいきませんから複数買うことになるでしょう。私は在宅ワーカーなので、ここは省くことができます。
●「兼用できるか」を考えれば、「用途」が多くても減らせる
上記の理屈だと、用途が多ければ、靴もそれだけ増えるということになります。そうであっても、靴の数は減らせます。ポイントは、1足で2つ以上の用途で使える靴を選ぶこと。つまり「兼用できるか」を考えましょう。
たとえば、運動用のスニーカーを日常履きに使うことはできそうです。また、通勤用のパンプスと授業参観用を兼ねるなども可能でしょう。通勤用の靴で、黒と茶色の2足持っていたとしたら、黒は冠婚葬祭など、フォーマルでも活用できそうなものにしておくと、冠婚葬祭用の靴を減らすこともできますね。
このように「兼用できるか」という点を踏まえて、靴を購入するのがおすすめです。もちろん兼用できるかの基準は、人によって異なるものなので、上記はあくまで参考例に。基準を見つけるのにはコツがあります。
まず自分が暮らしのなかでどんな活動をしているのか、具体的に思い浮かべてみるのです。「日常的なお出かけや買い物」「通勤」「幼稚園の送迎」「たまに高級なお店でランチ」「冠婚葬祭」…このように紙に書き出してみます。そこから用途別に、この靴は○○用、この靴は□□用…と、考えると自分の暮らしに必要な靴の数がわかりますよ。
●ものを持たない私の例
ちなみに私は、1年を通じて以下の5足しか持っていません。
・普段用のきれいめスニーカー
・運動用スニーカー
・冠婚葬祭用のストラップつきパンプス
・玄関でドアを開けるときに履くだけのサンダル(夫と兼用するためにLサイズをチョイス)
・冬場用のショートブーツ
じつは、冬場の冠婚葬祭用として、きちんとしたブーツを持っていたのですが、2年ほど履かなかったので処分しました。
もちろん、少なければいいという話ではありませんので、自分にぴったりの数を見つけることがベストです。
●整理したあとに調整する
購入したら終わり、ということにはなりません。自分のライフスタイルが変わって、「兼用できるか」の基準にも変化が生じることもあるでしょう。靴の劣化もありますから、必ず定期的に持っているもの見直して整理します。
その際は、まず用途別に靴をまとめて、俯瞰で見てみてください。数の必要最低ラインが見えてきます。そこから、同じ用途で靴が何足もあれば、減らす方向で考えましょう。
たとえば、おしゃれ靴を3足持っているとしたら、2足に減らせないか検討する、または、似たようなデザインの靴があれば1足減らす。
傷んでいる靴はこの機会に処分するなど考えられます。逆に、たりなくて買いたすことも必要になってくるかもしれませんね。
注意してほしいのは、自分の好きな靴まで無理に減らさないことです!
大好きな靴を履いて気分が上がるなら、それはとても価値があること。お気に入りの靴は、おおいに履いて出かけましょう!
これまで説明したことが習慣になれば、なにかあった場合、履いていく靴がないと焦って買いに行くことも減ります。今度の靴の入れ替えのときに、試してみてはいかがでしょう。