アメリカ・シアトルに住んで十数年。子育てに奮闘するライターのNorikoさんが、現地で話題のフードやライフスタイルをレポートします。今回は、本番を明日にひかえたハロウィーンの風物詩、子どもたちの「トリック・オア・トリート」について。
すべての画像を見る(全4枚)商店街でトリック・オア・トリート
IT企業、ゲーム会社の多いシアトルでは子どもたちを招待しての盛大なハロウィーン・パーティも多く催されます。一方で「ネイバーフッド」と呼ばれる、オシャレな店が集まるにぎやかな通りでは、仮装した近所の子どもたちが「トリック・オア・トリート」(お菓子をくれないとおどかすぞ)と言いながら、家ではなく店を一軒一軒回るトリック・オア・トリートが、今年もたくさん開催されます。
そのなかでも、31日のハロウィーン本番を控え、いち早く金曜の夜に催しがあった近所のトリック・オア・トリートのイベントに、早速出かけてみました。
イベントに参加しているお店のマップが便利に使える
イベントのスタート地点では、どの店がトリック・オア・トリートに参加しているかが記されたマップやおもちゃをもらえます。そして、もらったお菓子を入れるハロウィーン・バッグも好みのデザインから選べました。中を見ると、すでにお菓子がいくつか入っています。
息子のリクエストにより、今年の仮装も昨年に引き続きスパイダーマンです。スタート地点に向かう間も大はりきりで、人とすれ違うたびに「スパイダーマンだぞ」と、ポーズを決める息子。さすが本場アメリカ、「うわー、スパイダーマンだ!」「かっこいいね」と、どの人もちゃんと息子の話にノッてきてくれます。優しいですね。
店の人ももちろん自ら仮装してノリノリです。「トリック・オア・トリート!」と次から次へとお菓子をねだる子どもたちに、お菓子の山から好きなものを選ばせてくれます。
お菓子は大体、バスケットやバケツにキャンディー、チョコレート、ほかにもいろいろな駄菓子が用意されています。正直、日本人としてはあまり食べたくないようなどぎつい色をした駄菓子の数々ですが、子どもたちはとてもうれしそう。
アメリカではある意味、ハロウィーンが『はじめてのおつかい』?
子どもが人生で初めてのおつかいに奮闘する『はじめてのおつかい』という番組をご存知でしょうか?
13歳未満の子どもが保護者なしで街をひとり歩くということは、アメリカではあり得ません。ハロウィーンのトリック・オア・トリート、昨年までは一緒に店に入ってあげていましたが、今年は息子にひとりで店の人に声をかけさせてみました。
最初はもらいに行くのが恥ずかしかったみたいで、「一緒に~」と言ってきた息子が、だんだん慣れてきて、途中から「トリック・オア・トリート!」「サンキュー」と自分で言えるようになっていました。定点観測ではないですが、毎年同じことをしていると、いろいろ子どもの成長を発見できますね。トリック・オア・トリートのあとは、コミュニティー・センターに場所を変えて、ハロウィーン・パーティです。
コスチュームは、おなじみのスターウォーズやハリー・ポッター、ヒーローもの、プリンセスもの、マインクラフトなどゲーム関連、赤ちゃんではアニマル系が目立ちました。大人では、『ゲーム・オブ・スローンズ』、『美女と野獣』、スティーヴン・キング『IT』のピエロ、ユニコーンがトレンドのようですが。ゾンビ人気も復活したようですね。ただ、子どもが主役のトリック・オア・トリートでつき添いの大人が仮装することはそんなに重要ではなく、それっぽいTシャツを着こんだり、手持ちの服で全身黒尽くめにしてネコ耳を頭につけたり魔女風の帽子をかぶったりするだけで十分です。
当日まで学校、お稽古、お出かけ先で、まだまだハロウィーン・イベントはいっぱい。仮装する子どもに無料のドーナツやハンバーガーを提供する店もあり、アメリカの子どもたちにはお楽しみが続きます。日本の皆さんも、ハッピー・ハロウィーン!
アメリカ・シアトル在住。現地の日系タウン誌編集長職を経てフリーランス・エディター/ライターとなり、日米のメディアに旅行情報からライフスタイル、子育て事情まで多数の記事を寄稿する。著書に『
アメリカ西海岸ママ~日本とは少し違うかもしれない、はじめての妊娠&出産~』(海外書き人クラブ刊)