質のよい暮らしを楽しむためのヒントを、著作や雑誌で発信している、編集者兼ライターの一田憲子さん。東京の築50年の平屋で暮らしています。なんとも懐かしいたたずまいのお宅には、友人知人、仕事関係の方も含め来客が多く、夏は、いかに涼しく快適に過ごしてもらうかに心を配るそう。
すべての画像を見る(全11枚)おもてなしの準備をする一田憲子さん「年月を重ねてきた家のもつ力が強いので、しつらいもそれに合わせつつ、お客さまから見てすがすがしく感じられるようにしています。庭に水をまいて縁側をぞうきんがけする、蚊取り線香をたいておく、なんてことでも、『夏休みに行ったおばあちゃんち』って感じで、来た人はリラックスできるみたい。涼しく過ごしてもらうためにも、お客さまが来る前の準備は丁寧に。手元にあるものを使って気ばらず、がコツ。わが家では、季節感や涼しさを演出するのに、好きで集めたガラスの食器や小物もフル活用していますよ」
無理なくできることだけを。そんな肩の力の抜けた一田さん流夏のおもてなし、教えてもらいました。
お客さま目線で考えた、夏の涼しいおもてなし
●ユーカリ油をたらした水でぞうきんがけ
玄関から居間へ向かうのに通る縁側は、お客さまが来る前にぞうきんがけを。ぞうきんを絞る水には、ユーカリ油を1、2滴たらします。「スッとする香りでさっぱりするし、除菌効果もあるそうです」。
●庭に水まきをして温度を下げる
日当たりのよい庭はどんどん温度が上がるので、水まきをしてクールダウン。「これで熱気が少し収まります」。玄関も掃き掃除をしたら打ち水をして、目にも涼やかに映るよう整えます。
●透きとおった窓で清涼感アップ
居間から庭を眺めたとき、窓ガラスがくもっていると暑苦しいので、ここはきれいにしておきたいところ。「水をシュシュッとスプレーしてスクイージーで水滴を払うだけなら簡単。透きとおった窓は清涼感があります」。
お客さまが来る前に“涼しい”を仕込む
●玄関先に蚊取り線香をたく
玄関の戸の開閉時に蚊が入り込まないよう、軒下に蚊取り線香をたいておきます。「うちは庭から蚊がたくさんやってくるので欠かせません。蚊取り線香の香りを『懐かしい』って喜んでくれる人も多いんですよ」。
●洗面所にはお手ふきをセット
「ほかがきれいでも、水回りが清潔でなければおもてなしが台無し」と一田さん。来客前に、洗面ボウルをさっと洗い、人数分の手ふき用クロスをカゴにセットしておきます。「夏でもじめっとしないので、おすすめです」。
●麻の布をテーブルセンターに
気に入った布をテーブルクロス代わりに使うのが好きで、手織りやヴィンテージ、デザイナーものなど、たくさん持っているそう。「今なら、麻の反物を切ったものをテーブルセンターにすると夏らしく涼しげですね」。
●ドライセージを燃やして生活臭を一掃
においがこもりやすい夏。リビングでは、前もってドライセージに火をつけ、生活のにおいを消しておきます。
「これはホワイトセージ。袋で買って木箱に保存しています。お香のような落ち着いた香りがしますよ」。
●ハーブを飾れば見た目も香りも涼やか
家に飾る花はさりげないのが好みだそう。オーガニックハーブのブーケがお気に入り。
「花ビンに挿すと、さわやかな香りがふわっと広がります」。庭のミントもミックスして生けているそう。