テレビや雑誌などで、シンプルな生活のアイデアを披露している、整えアドバイザー・阪口ゆうこさん。自分にとって心地よい、最小限の持ち物で暮らす、“ゆるい”ミニマリストとして共感を集めています。

最近では、最低限の服を着まわす「服の制服化」をしたり、アイテムごとの上限を決めたり、クローゼットの中身を減らしたりすることが注目をされています。もちろん、阪口さんも手持ちの服は必要最小限を心がけているそう。でも、その過程で「大事なのは減らすことだけじゃない」と気づかされることに。きっかけとなったのは、ミニマリストの制服ともいえる、ボーダーの服。シンプルライフ実践者から、その顛末を語っていただきました。

ミニマリストはなぜボーダーを好むのか?

ミニマリストはなぜボーダーを好むのか?
ミニマリストがボーダー服を処分して気づく!
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ボーダーの服、クローゼットに何着入っていますか?

フランス人は10着しか持たなかったり、買うより捨てろと言われたり、クローゼットのミニマル化がすすむ昨今。でも、最小限の洋服で暮らすシンプルライフが好きな人って、やたらとボーダーを着ているイメージがありませんか?

「ゆるミニマリスト」を標榜する私のクローゼットにも、ボーダーアイテムが常駐していました。だって、ボーダーだったら、失敗がないもの。綿パンに、スカートに、デニムに、遊びに、仕事に、子どもの学校に…。なんて、オールマイティーなんでしょう!

そんな風に、ボーダーに頼っていた私でしたが、現在、すべてのボーダーアイテムを処分しました。あれから、もう1年くらい。だれの家にもあるであろうボーダーの洋服が私のクローゼットにはありません。

そのきっかけは、「ゆうこってボーダーのイメージやな」という友達のひと言でした。それをきっかけに、そうだよねそうだよね、いつもシマシマ着てるイメージだよね、と、その場にいたほかの友人たちも同意。その瞬間、思わず「いやだな」と感じました。

思えば、子どもたちが描く家族の絵で、決まって私はボーダー姿でしたが、そのことに、どこか釈然としない気持ちを覚えていました。友人の言葉への反応も、まさにそれ。「ボーダーばかり着ている」と思われることが、いやだったんです。

そのときに気がつきました。ボーダーを好きで着ているわけではない、ということに。

ボーダーばっかり着ていた私が、じつはボーダー嫌いだった理由

ミニマリスト

そもそも、ボーダーがこれだけ支持される理由ってなんでしょうか?私の場合は、「ミニマリストだったから」。

手持ちの服を最小限にするために、とにかく「なんにでも合わせられること」を最優先に洋服選びをしてきました。ベーシックなカラーで、シンプルな形で、手持ちのどれを組み合わせてもコーディネートできる服。そうすると、派手な柄物はNG。無地以外にはボーダーという選択肢しかなかったのです。

ボーダーなら無難だろう。そういううしろ向きな理由で選んでいたボーダーだったから、心から好きにはなれなかったんです。

もちろん、ボーダーが大好きで着ているならなんの問題もありません。でも、当時の私のクローゼットは、心からのワクワクやときめきはなかったと、ふりかえってそう思います。

クローゼットで大事なのは減らすことだけじゃない

クローゼットで大事なのは減らすことだけじゃない

ボーダーを手放すときには、いきなり全部処分したわけではありません。一度わが家に迎えたものだから、くたくたになるまできっちり着倒しました。そして、最後の1枚を手放すとき、心底ほっとしたのを覚えています。

あれから、1枚もボーダーは買っていませんが、なんともありません。むしろ、あのとき抱いてしまった「なんかいやな感じ」がなくなったクローゼットは、このうえなく心地よい。

洋服選びの基準も「無難」「定番」ではなく、自分が心から好きと思えるものにシフトしました。とはいえ、シンプルな装いが好きなのは変わっていないので、はた目には変化なく移るかもしれませんが(笑)。数を減らすことだけにこだわっていたときには見えてこなかったものに気がつけたのは、ボーダーのおかげ…かもしれません。

【阪口ゆうこさん】

整えアドバイザー。夫、小学生の長男、長女の4人暮らし。自宅セミナーで収納や時短家事など暮らしをスムーズに回す工夫をレクチャーする。著書『

家族がいちばん。だからきちんと選べる。きちんと使える。ゆるミニマルのススメ

』(日本文芸社刊)が発売中。ブログ「

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