「年を取ったら顔が伸びた」「体重は減ってないのに顔だけヤセちゃって…」と感じている方、それはもしかしたら、顔の下半分が緩んでいるのかもしれません。歯科医師の是枝伸子さんによると「年齢を重ねた顔はかたくなり、顔の上下バランスが崩れています。多くの人は顔の筋肉をまんべんなく使っていないため、かたくなりがち。まずは筋肉をマッサージでほぐし、エクササイズで筋力をアップすれば、たるみが改善し、顔下半分が引き上げられ、顔の上下のバランスが整ってきます」とのこと。

そこで試したいのが、是枝さんが考案、自ら実践し、美しく変身したことで話題を呼んでいる「顔下半分の美顔トレーニング」です。まずはかたくなっている顔や側頭部の筋肉をマッサージでほぐします。筋肉が動かしやすくなるため、次に行うエクササイズがスムーズにでき、効果が出やすくなります。ここで紹介する3種類を1セットとして、3分程度を目安に行ってください。マッサージのあと、顔の下半分を小さくするのに必要な筋肉に効くエクササイズを行います。

まずはエクササイズで顔を「ほぐす」

表情筋の一部。
表情筋の一部。
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イラストは、喜怒哀楽などの表情をつくる筋肉・表情筋の一部です。しっかりほぐして美人顔に!

●かたくなった頬の筋肉をほぐすモダイオラスマッサージ

えくぼができる位置にあるモダイオラスは、顔下半分の筋肉が集まっている筋肉の起点。ここを集中的にほぐすことが、効果アップの秘訣です。

口の中からモダイオラスを上下に揺らしてほぐす

左右各30秒
左右各30秒

左手の親指は口の中から、人さし指は外側から、右側のモダイオラスに当て、筋肉をつかむようにはさんで上下に揺らしながら30秒間ほぐします。反対側も同様に。

口角の横をつかんで揺らす
口角の横をつかんで揺らす

口角の横をつかんで揺らします。コリコリしたり、かたく感じたりする部分を重点的に。気持ちいいくらいの力加減でほぐすのがコツです。

●老廃物の流れを促し顔のむくみにも効く咬筋(こうきん)マッサージ

咬筋は噛むときに使う、上下のあごを結ぶ筋肉。周辺には老廃物を回収する働きのある顔面静脈がはり巡らされていることから、ここをほぐすことで老廃物の流れがよくなり、顔のむくみの改善や小顔効果も期待大!

頬骨の下を上下に揺らしてほぐす

左右各30秒
左右各30秒

右側の口内に入れた左手の親指を頬骨が当たる位置まで移動させ、外側から人さし指を添えて頬をはさみ、上下に揺らして30秒間ほぐします。反対側も同様に。

親指は頬骨が当たる位置に
親指は頬骨が当たる位置に

親指は頬骨が当たる位置におきます。

●食いしばりによる筋肉のこわばりを取る側頭筋マッサージ

側頭筋は噛むときに使う筋肉。噛み合わせの悪さや食いしばりグセなどにより、ここが凝っていると顔の筋肉もかたくなり、顔下半分を長く見せる原因に。側頭筋をほぐすことで凝りが取れ、さらに頭もすっきりします。

指の腹で頭の側面をもみほぐす

30秒
30秒

両手の指を開き、耳の上、ややこめかみの後方辺りをつかむように各指の腹を当てます。気持ちいいと感じるくらいの強さで力を入れたり、抜いたりしながら、側頭部をもみほぐして。

指の腹でつかむように押す
指の腹でつかむように押す

指の腹でつかむように押しましょう。

エクササイズで筋肉を鍛える

マッサージで十分筋肉をほぐしたら、いよいよエクササイズです。口元、頬、フェイスラインを鍛える3つのエクササイズのうち、ここでは口元を鍛える「チュートレ」をご紹介します。

●ほうれい線を目立たなくするチュートレ

チュートレ

ほうれい線が目立ってきたり、鼻の下が長く伸びたように見えたり…と老け顔の一因になる口輪筋のたるみに働きかけるエクササイズ。上唇を鼻の下に近づけるようなイメージで、上唇だけを動かすようにして。

ピヨピヨと発音するように唇を動かす

あごが動かないように指で押さえ、ピヨピヨと発音するように上唇を細かく動かします。「ピ」のときに上唇をできるだけすぼめて突き出し、「ヨ」で口角を横に引く、という動作を20回繰り返します。

●トレーニングのポイント

以下の3つのポイントに気をつけながら行うと、より効率的です。

マッサージとエクササイズは分けて行ってもOK

同時にやると顔の筋肉が動かしやすくなるのでおすすめですが、時間がない場合は、日中と夜に分けるか、どちらか一方だけやってもOK。時間をあければ、1日何回やってもかまいません。

マッサージはお風呂でやるとほぐれやすい

筋肉は温まるとほぐれやすくなるので、お風呂でやるのがおすすめ。口の中に手を入れるマッサージなので、手洗い、歯みがき後に行いましょう。

鏡を見ながら動かす筋肉を意識する

エクササイズ中は、鍛えたい部分の筋肉がきちんと動いているかどうか意識することが大切。鏡を見て、目的の筋肉が動いているか確認しながら行って。