アメリカ・シアトルに住んで十数年。エディター&ライターとして活躍するNorikoさんが、現地で話題のフードやライフスタイルにまつわる情報をレポート。今回は、カニの身がふんだんに入ったクラブケーキについて伝えていただきました。

アメリカのカニコロッケ
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アメリカのカニコロッケ的存在!?クラブケーキがおいしい

 夏になると、シアトルを含むアメリカ西海岸北部の海辺では、カニ獲りが盛んに行われます。自前のボートでカニ獲りをする市民も多数。ダンジネスクラブというカニは青みがかった甲羅が特徴的で、小ぶりながら身は引き締まり、夏の味覚として親しまれています。日本語ではアメリカイチョウガニと呼ばれています。

アメリカイチョウガニ
ダンジネスクラブでつくったクラブケーキ

 ダンジネスクラブをシンプルに食べるならボイルが人気。真っ赤にゆで上がったクラブの殻をむいて、しゃぶりつきながら食べるのは格別なおいしさです。一方で、シアトルのレストランではダンジネスクラブを使った料理として「クラブケーキ」を提供しており、それがまた美味。「ケーキ」といっても、甘いデザートではなく、ハンバーグやコロッケに似たアメリカの家庭のおかずです。パン粉のついた見た目といい、サクサクふわふわの食感といい、どこか日本のカニコロッケを思わせます。

家庭で食べるなら、冷食または手づくりで

シアトル名物の本格クラブケーキ

 クラブケーキ自体は定番のアメリカ料理として全国各地で食べられています。レストランに出かけなくても、スーパーマーケットに行けば、チルド食品や冷凍食品のコーナーに必ずあるほど。日本でも、コストコなどで手に入ります。ワインやビールにも合うので、買い置きしておけば、パパッと用意できるオシャレなおつまみとして重宝しますよ!

 じつはダンジネスクラブも冷凍で日本のコストコに売られているそうで、それを使えば、シアトル名物の本格クラブケーキが日本でもつくれてしまうわけですが、ほぐし身をわざわざ用意するのは手間がかかりますよね。家庭でつくなら、市販のカニ缶が割安で便利です。

混ぜて焼くだけ!カニ缶でシアトル・スタイルのクラブケーキをつくってみた

カニ缶でシアトル

 基本的にはカニの身などの材料を混ぜて焼くだけなので、意外と簡単にできます。今回は日本でも手に入る食材で試してみました。

[材料](12個分)

・カニのほぐし身(缶詰) 450g
・パン粉 1.5カップ
・塩コショウ 適量
・ケチャップ 大さじ1
・マスタード 大さじ1
・ウスターソース 大さじ1 ※中濃ソースでも可
・セロリ(みじん切り) 4本
・細ネギ(みじん切り) 3本
・卵 2個
・酢 大さじ1
・マヨネーズ 大さじ3
・刻んだディルまたはパセリ 大さじ1 ※なくても可
・タバスコ 小さじ1 ※お好みで
・サラダ油 大さじ1

[つくり方]

(1) パン粉0.5カップ分を残し、油以外のすべての材料をボウルで混ぜ合わせ、12等分する。

(2) (1)を平べったい円状に成形し、残りのパン粉をまぶして、油をひいたフライパン(中火)で両面きつね色になるまで、じっくり焼き上げる。

 口当たりがやわらかいクラブケーキは、テフロン加工の弱いフライパンだと形が崩れる場合があります。250℃に予熱したオーブンで20~30分焼くと、同じように仕上がりますよ!もしくは焼かず、それこそコロッケのようにしっかり衣をつけてカラッと揚げてしまう手もあります。カロリーはそれなりに上がりますので、お好みでお試しください。カニのほぐし身はカニかまで代用すれば、節約料理としても活躍します。

 そのままでも味はついていますが、カクテルソース、タルタルソース、もしくは和風にとんかつソースを添えると、さらにパンチがきいておいしく食べられます。お好みでレモンを絞ってどうぞ!わが家では、マヨネーズ、粒マスタード、レモン汁を2:2:1で合わせたソースを、つけ合わせのサラダを含め、全体に回しかけています。

【Noriko】

アメリカ・シアトル在住。現地の日系タウン誌編集長職を経てフリーランス・エディター/ライターとなり、日米のメディアに旅行情報からライフスタイル、子育て事情まで多数の記事を寄稿する。著書に『

アメリカ西海岸ママ~日本とは少し違うかもしれない、はじめての妊娠&出産~

』(海外書き人クラブ刊)