ものを捨てられない人は、いくつもの理由で捨てられません。「いつか使うかもしれないから」「今でなくともいつか処分できるから」「あとで一気にまとめて捨てるから」…。さまざまな「捨てられない理由」で自分を正当化し、結局、決断できずにそのまま放置。ものがますます増えるという事態に陥るのです。

ミニマリストとして、すっきりと暮らすためのサロンを開く本多メグさんが提案するのが、「ものと別れるための基準」をもつこと。「この基準に当てはめると、本人が思った以上に、ものを捨てる決断ができます」(本多さん)。

一体どのようなものなのか、詳しくお話を聞いてみました。

「壊れているもの、使えないものは捨てる」だけを基準に判断を!

じつはその基準とは「壊れているもの、使えないものは捨てる」です。とてもシンプルですよね。なかなかものが捨てられない人は、この単純な基準に従って、それ以外のことは「やらない・考えない」ルールにしてみてください。

いくつか例を挙げていきましょう。

●文房具類

壊れているもの、使えないものは捨てる
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たとえば、もう書けなくなったボールペンや蛍光ペンなどが、ペン立てに刺さっていませんか? 補充式のペンでもない限り使えませんので、迷わずゴミ箱行きです。

また、もうカチカチに固まってしまった絵具や、習字の筆なども同様。使えないものは、どうやっても使えません。潔く捨てましょう。

●家電や家具など

家電や家具など

壊れた家電や家具は、収納などに放置しがちです。修理して使う予定があるなら、今すぐ修理に出していつでも使えるように準備しましょう。逆に、捨てても構わないと思えるものなら、この機会に捨てられますね。大きなものほど、処分すると家の中が広くなりスッキリ!

商品サイクルが劇的に短くなった今、新しく性能がよい製品が次々生産されています。古いものを修理するより、新しく購入するほうが安上がりなこともあるもの。

修理にかかる値段と、新品を買う値段を比較して、新品を買うほうがお得なら思いきって捨てられますね。必要になったら、新品を買えばよいのです。

●衣類

今の自分がすぐ着られないものは処分
衣類の分類

洋服についても、今の自分がすぐ着られないものは処分です。クリーニングに出す必要があるものや、ほつれていたり、穴が開いていたりして、そのままでは外に着ていけない服は、大抵どの家にもあるものです。洗ったり、お直しをしたりしてでも着たいと思える服は残し、そこまで思い入れがなければ、処分しましょう。

忙しい日常生活で、今現在使えないものを修理してまで使えないと思うなら、ここはもう、思いきって手放すチャンスです。ちなみに、「自分がやせたら着ることができる服」なども、今の自分が使えないので処分です。

●食品類

賞味期限の切れた食品を処分

最後に、賞味期限のきれた食品も同じく「使えない(食べられない)」ものですので、諦めて処分しましょう。

いかがでしたか? これまで説明したようにルールは極めてシンプルです。

ただし、注意すべき点もあります。自分ひとりで使うものではない場合、家族と相談して処分を決めてください。家族が思い入れのあるものを、勝手に処分することはできません。なぜなら、本人が「壊れているもの、使えないものは捨てる」を基準に処分する判断をまだしていないから。本人に納得してもらうことが大切なのです。

ものの処分をスムーズに進めるためにも、家族全員で捨てるルールをしっかり話し合っておきたいですね。