そろそろ冬物片づけの準備をしたい時季ですが、クリーニング店になんでもまかせるのではなく、自宅で洗ってみませんか?

自分で丁寧に洗濯すれば、風合いが保たれて長く着るうえ、節約にも。
ここではクリーニング店店長の古田武さんに、ニットセーターの洗い方を教えてもらいました。

40年物のカシミアのセーター
40年物のカシミアのセーターも家できれいに
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ドライクリーニングよりも自宅で洗ったほうがきれいに! 冬物洗いのコツ

「汗や皮脂などの汚れは、ドライクリーニングより自宅で水洗いした方がきれいに落ちることも。こまめに洗いすぎると生地を傷めるので、直接肌に触れるものでなければ、10回程度着たら洗うのが目安です」と話す古田さん。40年前に購入したカシミのセーターも、毎年手洗いし、きれいなまま着続けているそうです。

「冬物洗いの基本はセーターから。コツをマスターすれば、さまざまなアイテムを洗えるようになります」
手洗いの方法を教わりました。

(1)首回りや袖口を石けんで前処理する

首回りや袖口を石けんで前処理する

首回りや袖口など、皮脂汚れがついたところに約40℃の湯をつけ、固形石けんをこすりつけ、優しくもみ洗いする。

優しくもみ洗いする

「強くこすりすぎると生地が毛羽立ってしまうので注意」

(2)お湯に中性洗剤を溶かし30回押し洗いする

30回程度優しく押し洗いをする

洗面器などに約40℃の湯を入れ、おしゃれ着用の中性洗剤を表示どおりに加えてよく溶かす。ここにセーターを軽くたたんで入れ、30回程度優しく押し洗いをする。

(3)お湯を出しながらすすぐ

軽く押しながら、すすぐ

(2)の湯を捨てたら、約40℃の湯を流しながら、セーターをすすぐ。軽く押しながら、洗剤の泡が出なくなるまですすぐとよい。

(4)柔軟剤を加えて毛並みを整える

柔軟剤は洗い流さないように
柔軟剤は洗い流さないように

約40℃の湯をため、柔軟剤を表示どおりに入れてよく溶かし、セーターを入れてしっかりと浸す。
「洗濯によって抜けたウールの油分が柔軟剤で補われ、毛並みが整います」

(5)軽く絞って30秒脱水する

約30秒脱水する

手で軽く絞って洗濯機に入れ、約30秒脱水する。洗濯機の機種によって脱水の具合が違うので、様子を見ながら水が滴らない程度に。脱水しすぎるとシワになるので注意。

(6)干す前に袖やリブのシワをしっかり伸ばす

シワをしっかり伸ばす
シワをしっかり伸ばす

干す前に袖や裾のリブをきちんと整えて。

伸ばしてからたたく
伸ばしてからたたく

縦に引っぱるようにして伸ばしたら、タオルなどを敷いた平らな場所で手のひらでたたくと、伸びてしまったリブがきれいに戻る。

(7)平干しネットで乾かす

平干しネットで乾かす

100円ショップなどで購入できる平干しネットに形を整えて広げ、乾かす。

「ハンガーで干すと伸びてしまうのでNG。紫外線やけを防ぐため、必ず部屋干ししましょう」

・ネットがなければタオルの上に平置き
ネットがなければタオルの上に平置き

平干しネットがなければ、平らな場所にバスタオルなどを敷き、その上に干す方法も。

「浴槽のフタの上などで干すとじゃまにならないのでおすすめ。ひと晩程度で乾きます」

(8)完全に乾いたらドライヤーをかける

完全に乾いたらドライヤーをかける
生地がフワフワに

完全に乾いたら、ハンガーにかけてドライヤーの風を当て、下から上に向かってブローするように編み目を整える。あれば、乾燥機にかけるか、スチーマーをかけても。

●タートルネックのセーターの場合は?

タートルネックのセーター

基本の洗い方はセーターと同じ。

「洗うと縮みやすいニットの性質を理解して、伸びやすいネック部分を干すときにきちんとケアすれば、いい状態を長くキープできます」

ネック部分をしっかりと伸ばす
ネック部分をしっかりと伸ばす

手順(6)のときにネック部分をしっかりと伸ばすのがポイント。干す前にネック部分を縦に引っぱるようにして伸ばす。

押すようにたたいて形を整えればOK!
押すようにたたいて形を整えればOK!

次に、平らな場所にタオルを広げて、押すようにたたいて形を整えればOK!