ものをひとつ手に入れたら、徹底的に使う。これをルールにしている節約の達人は多いのではないでしょうか。これは、古くなったものとケチケチ、イヤイヤつき合うこととは違います。楽しみながら再利用したり、ちょっとくたびれたお気に入りのものをリメイクしたりして、最後までものと向き合う。そこにはものを「使い切る」「使いたおす」満足感があります。「お金を出した分、しっかり元をとる」という、まさに節約の醍醐味なのです。
今回は、書籍や雑誌で節約の達人として、今話題の中山あいこさんとマキさんに、ご自身が楽しみながら「使い切る」「使いたおす」ものを教えていただきました。愛情をもってものと接するという、節約の基本とはいかなるものなのでしょう?
楽しみながら「使いきる」&「使いたおす」節約達人のアイデア
●色落ちしたら味の出るコートを選ぶ
すべての画像を見る(全9枚)値のはるアウターを買うときは、数年は着られるかどうかを慎重に見定めるという中山あいこさん。「カーキ色の綿のコートは、自分で洗えるし、色落ちすると味わいが増し、愛着ある一着になります」。色落ちしたら捨てる、という価値観とは一線を画すアイデア
●野菜や果物の皮は捨てずに食べきる
むいた皮は冷蔵庫にためておき、フードプロセッサーでみじん切りにする習慣に。「ギョーザやハンバーグ、カレーに入れてもおいしいですよ」(中山さん)。皮の栄養もしっかりとれます
●湯たんぽの湯は沸かし直しできる
寝るときは湯たんぽを使用しているというマキさんのお宅。「直火にかけられるトタン製は、温め直せば繰り返し水を使えるので経済的。プラスチック製よりお得だと気づき、買い替えました」
●捨てるか迷うものはとりあえず“処分ボックス”へ
着ない服や使わない食器などもすぐには捨てず、処分ボックスでしばらくの間寝かせて考えます。「不便を感じることなく、必要ないと判断したら捨てたり、売ったり、譲ったり。ものの命をまっとうさせるようにしています」(中山さん)
●パウンドケーキ型を牛乳パックで代用
なんでも捨てる前に、なにかに使えないかと考えるのがマキさんの習慣。「牛乳パックの大きさ、形が、パウンドケーキ型にピッタリなことに気づき、代用しています」
●ウエスをティッシュボックスの近くに置いて、優先的に使う
子どもが着古したシャツなどを適当な大きさにカットしてティッシュボックスの横に置き、優先的に使うようにしています。「ティッシュの節約になるのはもちろん、最後までものを使いきる喜びもあります」(マキさん)
●コーヒーかすを消臭剤に再利用
コーヒーかすを天日干しにし(写真左)、冷蔵庫やトイレ、排水口そばの消臭剤として使用(写真右)。「もとは口に入るものだから、安心安全。けっこう効果がありますよ」(マキさん)
●パジャマを布ナプキンにリメイク
節約&エコの精神から、布ナプキンに切り替えました。「市販品を買うと1枚1000円近くするので、古いネルのパジャマで自作。肌に当たる感触も気持ちいい」(マキさん)
●全身のケアをツバキ油で
「私はツバキ油1本を、化粧落としから全身のケア、ヘアケアまで、使っています。全身に使うので無農薬のものを選ぶようにしています」(中山さん)
●教えてくれた人
【中山あいこさん】
レトロで趣あるマンションの一室をナチュラル&シンプルに住みこなしている。書籍に『
家事がラクになるシンプルな暮らし 持たない ためこまない 使いまわす』(エクスナレッジ刊)。ブログ「
生活のメモ」
【マキさん】
夫と長女、二女の4人家族。おいしく健康な食事と環境に優しい生活を心がける。書籍に『
持たない暮らしの愛用品』(宝島社刊)など多数。。ブログ「
エコナセイカツ」