たくさんのものに囲まれた暮らしは、豊かなようでいて、ストレスになることも。ものの管理や片づけに追われてしまうためです。目に見える範囲に収めることが、ものに振り回されないコツ。
スタイリストとして活躍する折原陽子さんは「もともとは片づけや整理が苦手」だったそう。試行錯誤して、今実践している「ものを増やさない工夫」にたどり着いたと言います。今回はとくに、食器を選び方や使い方について教えていただきました。
「ものを置くのは見える範囲だけに」がものを増やさない工夫です
ほとんどの食器はつり戸棚に収納。「きっちり詰め込まず、すき間ができる程度にしまっています。ゆとりをもって収納にすると、なにがどこにあるかひと目でわかります。自然とものが増えるのを防げるようになりました。出し入れもラクですよ」。
●家族分そろえることをやめてみる
「手仕事の温かみが感じられる作家さんの器が好きです。家族分そろえると、大変な量になるので気に入ったものをひとつずつ購入しています」。それでも統一感がある理由は色。「手になじむ生成り色が自然とわが家の基準カラーになりました」。色のトーンさえ似ていれば、ふぞろいなのことが愛らしく、味わいにも思えます。
●用途は限定せず自由に使い回す
「取っ手つきの、大ぶりな白いピッチャーは、温めたミルクを入れたり、きゅうす代わりに使ったりしています。薄手の白いそばちょこはコーヒーカップとして使うのも、目先が変わっていい感じに」。ひとつの食器を何通りにも使い回せば、用途ごとにたくさん持つ必要はありません。
●調理して食卓に出せる使い勝手のよい大皿を持つ
直火にかけられる、深さのあるしっかりした大皿は、調理してそのまま食卓に出せるので便利。洗い物も少なくて助かるのだとか。「古道具屋さんで見つけたものです。寒い時季は、ストーブの上に直接のせて料理を温め直したりと、わが家で大活躍しています」。
●セットものの食器も必要な枚数に絞る
セットで買った食器も、必要な数を見直し、不要と判断したら手放すように。「家族4人の食卓では、お皿は種類の違う2枚ずつでセッティングすることが多いので、来客用の1枚を加えた3枚のみに。このシンプルな大皿も、5枚セットだったものを3枚に減らしました。
【折原陽子さん】
スタイリスト、雑貨店「yuzuri」(現在お休み中)オーナー(39歳)。夫(44歳)、長女(16歳)、二女(14歳)の4人と愛猫2匹とともに埼玉県に暮らす。ナチュラルな感性を生かした、暮らしに優しく寄り添うもの選びに定評あり