夏も終わりに近づき、だいぶ涼しくなってきました。季節の変わり目は、体調を崩しやすい時期でもあります。そんなときのお助け食材が「ゴーヤ」。夏の疲れによいと言われています。でも、あの独特の苦みはちょっと苦手…と感じる人もいるのでは。ゴーヤの苦みが気にならなくなる調理方法のコツを、管理栄養士の黒木悠衣さんに伺いました。
すべての画像を見る(全4枚)ゴーヤの苦みの正体は?
「ゴーヤの苦みのもとは、“モモルデシン”という成分によるものです。モモルデシンは“サポニン”とアミノ酸から構成されています。サポニンには強い苦みやエグみがあるため、ゴーヤの味も苦いのです。 ただゴーヤの苦みは、肉や魚と一緒に調理しても、苦みが移らないという性質があります。 東洋医学では、苦みには体の中の余分な水分や熱を取りのぞく“排泄”の働きがあると考えられています。体がオーバーヒートしやすい夏では、この苦みが体を鎮める役目となり、食卓に昔から取り入れられてきました。そうした意味でも、ゴーヤは夏の体温調節に好ましい食材というわけです。」
でも苦みはやっぱり苦手!どうすれば?
「良薬口に苦し」という言葉もある通り、ゴーヤの苦みも、健康効果に優れていることが分かりました。それでは、苦みが苦手な人は、どのように調理をすればよいのでしょう?
「苦み成分は水溶性のため、水にさらしたり、塩もみしてゆでたりすると軽減されます。しかし、苦み成分と一緒にほかの栄養素まで抜けてしまうため、注意が必要です。苦みが強いのは種のまわりの白いワタなので、調理する際に取りのぞくとよいでしょう。それでも苦みが気になる方は、だし汁や白だしなどの「旨味成分」を活用して調理するのがおすすめ。 見た目で苦みの強さを判断するのは難しいですが、果皮の緑色が薄く、こぶが大きいものほど苦みが少ないといわれています。 また、一般的にゴーヤというと緑色のものを思い浮かべますが、白いものもあるんです。こちらは“サラダゴーヤ”とも呼ばれていて、イボが丸く、苦みが少ないので生食にも向いています。苦手な方は一度試してみてはいかがでしょうか。」
ゴーヤをおいしく食べるおすすめ料理2つ!
●野菜たっぷり!ゴーヤハンバーグ
「いつものハンバーグをちょっとアレンジ。ゴーヤを4等分に切り、スプーンで種とワタを取り除いたものに、ハンバーグの肉ダネを入れて、1.5cmの厚さに切ります。フライパンで焼き色がつくまで焼き上げて、しょうゆ・酒・水を合わせたもので味をつければ完成です」
レシピは
コチラ●ゴーヤのマリネ
「ゴーヤとタマネギを薄切りにして、塩をふったら20分ほど置きます。水気を切ったあと、フライパンで軽く炒めたら、酢・だし・しょうゆを和え、カツオ節をふりかければ完成です。ちなみ、ゴーヤのビタミンCは熱に強いので、炒めても損なわれません。シャキシャキして食べ応えもあってさっぱり召し上がれますよ」。
レシピは
コチラぜひこれらのゴーヤの簡単アレンジ料理にチャレンジしてみてください。おいしく食べて疲れを解消し、残暑を乗り切りましょう!