老化はだれにでも訪れるもの。でも、そのスピードは人によって大きな差があります。「そのカギを握るのが、食べ方です」というのは、健康になる食事法を研究している、医師の済陽高穂先生。詳しく伺いました。

焼き魚にはレモンをひと絞り
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ヘルシーな魚介類を、さらに工夫して食べて、老けにくい体に!

老けない食材を選んだり、食べ合わせを意識したり、栄養素に合わせて調理法を工夫したり…。毎日のちょっとした意識の差が、老化のスピードを大きく左右します。

今回は済陽先生に、老化を防ぐために積極的に食べたい「魚介類」と「油」について、詳しくレクチャーしてもらいます。

●魚は刺身がいちばん!

魚の脂質は、血液をサラサラにするDHAやEPAなど不飽和脂肪酸です。とくにイワシやサバなどの青魚、鮭に豊富で、脳の若返りにも効果が。

「ただし、不飽和脂肪酸は焼く・煮ると約2割、揚げると6、7割減少してしまいます。調理による損失を防ぐため、できるだけ生で食べるのがおすすめ。殺菌作用のあるシソやワサビを添えればベストです」

●焼き魚にはレモンをひと絞り

焼き魚にレモンを絞ると、魚のカルシウムの吸収をぐっとアップさせる働きが。

「さらに、コゲに含まれる糖化物質を抑制する効果もあるので、焼き魚のほか、から揚げなどにもいいですね。また、レモンに豊富なクエン酸は、免疫力を高めたり、代謝を上げて疲労回復にも貢献します」

●マグロやカツオにはゴマをふる

マグロやカツオは、良質なタンパク質や脂質が豊富な健康食。

「ただ、赤身魚は酸化しやすく、細胞の老化を早める活性酸素が発生する懸念も。そこで、高い抗酸化作用があるゴマが助っ人に」。外皮がかたいゴマは、成分が効率的にとれるよう、すってから加えましょう。

●カキは酢と合わせる

カキは、亜鉛や鉄といったミネラル、タウリン、ビタミンなどをバランスよく豊富に含むスーパーフード。

「とくに亜鉛は、細胞の代謝に不可欠。抗酸化力や免疫力を強化する役割も担っています。その亜鉛の吸収を高めてくれるのが、酢に含まれるクエン酸」。カキには酢を合わせる食習慣にしましょう。

●「薬食い」と呼ばれる鮭

鮭は白身魚で、赤色は天然色素のアスタキサンチンによるもの。

「薬食い」と呼ばれる鮭

「この色素は抗酸化力が非常に高く、まさに最強の抗酸化食材。血液をきれいにする不飽和脂肪酸のDHA、EPAも豊富。なので鮭は、風邪を予防する『薬食い』と呼ばれています。積極的に食べましょう」。薬を食べるのと同じくらい、鮭には体によい成分が含まれているのですね。

●昆布は健康寿命を延ばす

昆布は海の野菜ともいわれ、基礎代謝を活発にするヨードなどのミネラルが飛び抜けて多いのが特長。

健康寿命を延ばす昆布

「ほかにも、高血圧や老化を防ぎ、健康維持に働きかけてくれる成分がぎっしり。がん予防にも効果があると注目されています。こちらも意識して多く取るといいでしょう」

不飽和脂肪酸の多い油を味方にするのが、油摂取のコツ

さらに、老けない油のとり方についても伺いました。油には「若くなる油」と「老ける油」があり、そのカギを握るのが脂肪酸です。

動物性脂肪に多い飽和脂肪酸は、コレステロールや中性脂肪を増やし、とりすぎると血液がドロドロになり、病気の原因に。一方、魚介類や植物に多い不飽和脂肪酸は、健康で若々しい体づくりに不可欠。1日大さじ2までを目安に賢く取り入れて。

●オリーブオイル

不飽和脂肪酸のなかで、もっとも酸化しにくいオリーブオイル。熱に強く、加熱調理でも酸化しにくいのが特長。成分のオレイン酸が血管の若さを維持し、ダイエットや美容にも役立ちます。

●ゴマ油

原料のゴマに含まれるゴマリグナンに強力な抗酸化作用があり、女性ホルモンと似た働きが。成分の84%以上が不飽和脂肪酸で、オリーブオイル同様、女性の体を若々しく維持してくれます。