ヘアカラーをするとき、「ファッションカラー」「白髪染め」「ヘナ」などカラーの種類がたくさんあってなにを選べばいいかわからないという方も多いのでは?
今回は、「各ヘアカラー剤の特徴やメリットデメリット」について、女性の髪問題に詳しいヘアライター・佐藤友美(さとゆみ)さんと人気ヘアサロンMINXの現役美容師・八木花子(八木ちゃん)さんに、わかりやすく解説してもらいました。
しっかり染まるヘアカラーとダメージレスなヘアマニキュア
八木ちゃん:最近、お客さまからよく聞かれる質問に、ヘアカラーとマニキュアの違いはなに?というものがあるんです。
さとゆみ:たしかに。白髪染めの選択肢として、ヘアマニキュアってよく聞くけれど、実際のところ、普通のカラーとなにが違うのか、わかりにくいですよね。
八木ちゃん:今日は、そのあたりを整理していきます。どちらのカラーリングがご自分に合いそうか、参考になると嬉しいです。
●ヘアカラーとマニキュア、そもそも薬剤の性質が違う!
さとゆみ:まずは、そもそもの薬剤の性質が違いますよね。
八木ちゃん:はい。みなさんがイメージする普通のカラーは、それがファッションカラーであっても、白髪染め(グレイカラーとも呼ばれます)であっても、アルカリ性のカラー剤です。
髪は弱酸性なのですが、アルカリ性の薬液を使うことによって、髪の内部にまで色素を入れ込むことができるんですよね。
さとゆみ:だから、しっかり染まるし、色もちがいいんですね。
八木ちゃん:そうです。一方で、ヘアマニキュアは、酸性カラーとも呼ばれるように、酸性の薬液です。ヘアマニキュアの色素は、毛髪の表面付近に付着するイメージです。 髪に負担がほとんどなくてダメージを与えにくいという良さはあるけれど、内部にまで色素が浸透しているわけではないので、だいたい1か月から1か月半くらいで、色が落ちてくると思ってください。
さとゆみ:それぞれ、メリットとデメリットがあるんですね。
●明るいカラーを楽しむならアルカリカラーに
さとゆみ:それ以外の特徴はありますか?
八木ちゃん:普通のカラー(アルカリカラー)は、髪を明るくすることができますけれど、マニキュアはそれができません。ですから、地毛の髪色よりも明るくしたいと思ったり、ハイライトやメッシュを入れたいと思ったら、アルカリカラーで入れましょう。
さとゆみ:それはどうしてですか?
八木ちゃん:アルカリカラーは薬液を塗布してからもとの髪色を明るくする時間とそこに色味を入れていく時間があります。一度の施術で髪の色素を明るくしてから色味を入れていくというイメージです。染めてから1~2か月経つと髪色が明るくなってくるといういうのは、もとの髪の色味がぬけて明るくした色が出てくるということなんです。 それに対してヘアマニキュアは色味を入れていくのみなので、もとの髪の色に色がプラスされるというイメージです。なので地毛に染めた場合、色が抜けてきてももとの髪の色が茶色く明るくなることはありません。
さとゆみ:なるほど。もとの髪を明るくするかどうかの違いなんですね。
八木ちゃん:はい、それともうひとつ。アルカリカラーは、根元ギリギリまでカラーリングできるのですが、マニキュアは頭皮につくと頭皮が染まってしまうので、地肌につかないように根元を2~3ミリくらい外してカラーリングします。そのぶん、根元が伸びてくるのが気になるのが早いかもしれません。
さとゆみ:デザインや色を楽しみたかったら従来のアルカリカラー、髪に優しいカラーを選ぶならマニキュアという感じですかね
●ヘナは途中で切り替えがきかないのでしっかり相談を!
さとゆみ:最近話題の自然派の白髪染め「ヘナ(ヘナカラー)」についても聞いていいですか。この間八木ちゃんとも話をしたけれど、ヘナについては、意外と知られていないことも多いなと思って。
八木ちゃん:そうですね。ヘナについて、みなさんが知っておいたほうがいいのは、一度ヘナでカラーリングした髪はほかのカラー剤で明るくしたり色味を変えたりすることが非常に難しくなるということです。なので、一度ヘナでカラーをし始めたら、ずっとヘナを使い続けることになりやすいです。
さとゆみ:これって、意外と知らない方が多くて、ヘナでカラーしたあとに、やっぱり普通のカラーに戻したいと思ったらできなかったという話をよく聞きます。
八木ちゃん:それと、ヘナは植物性なので傷まないのですが、色が赤っぽい色やオレンジ色になることがほとんどです。特に白髪にヘナを使う場合は白髪に色素がそのまま入るのでオレンジっぽく染まります。 また、髪質に合う人、合わない人がいますので、トライする前に美容師としっかり相談したほうがいいですね。
さとゆみ:自分のライフスタイルや、優先事項によって、ベストなチョイスをしてください!