現在、そして将来のことも含めて、なにかと気になる子どもの教育費。政府が児童手当の制度を見直す動きも報じられています。親としては子どもの教育にはなるべくお金をかけてあげたいものですが、思ったよりかかってしまう場合はどうすればいいのでしょうか。「私立中学に通う子どもの教育費がかさみ、やりくりが追いつかない」という読者からの相談に、ファイナンシャルプランナーの畠中雅子さんが答えてくれました。

子どもの教育費
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私立中学に通う子どもの教育費がかさみ、貯蓄が底をつきそうです

【相談者】

真鍋尚子さん(仮名) 神奈川県・45歳(嘱託社員)
夫(会社員)44歳、長女14歳

【お悩み】

長女は私立中学生。学費は年110万円で、ボーナスがそっくり消えてしまいます。習い事も毎月10万円かかり赤字続き。貯蓄で赤字を補塡し、教育費などをまかなってきましたが、その貯蓄も残高100万円をきり、もう限界です…。

【真鍋さんの家計収支】

<収入>
夫の月収(手取り)    ¥260,000
妻の月収(手取り)    ¥160,000
児童手当         ¥10,000
収入合計         ¥430,000

<支出>
住居費(駐車場代含む)  ¥100,000
食費           ¥50,000
外食費          ¥30,000 

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電気料金         ¥8,000
ガス料金         ¥7,000
水道料金         ¥6,000
通信費(携帯電話3台分) ¥20,000
   (プロバイダー)  ¥4,000
   (NHK受信料)   ¥2,000
日用雑費         ¥5,000
レジャー・交際費     ¥15,000
被服費          ¥30,000 

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教育費          ¥100,000 

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クルマ費         ¥20,000
こづかい(夫)      ¥30,000
    (妻)      ¥15,000
    (子ども)    ¥5,000
生命保険料(夫)     ¥20,000
     (妻)     ¥5,000

支出合計        ¥472,000
収支           −¥42,000
ボーナス収入       ¥1,100,000
現在の貯蓄        ¥900,000

将来の大学資金のために習い事を減らす決断を

今のままでは貯蓄が底をつき、中学・高校の学費が払えなくなるばかりか、資金不足で大学進学も断念させることになりかねません。
まず、削るべきは長女の教育費。バイオリン8万円と英語塾2万円のうち、バイオリンをやめることを検討しましょう。
月8万円の支出が不要になり、また、習い事の帰りに習慣化している外食代も自然に半減して、家計は5万円以上の黒字に転じます。3歳から習っているバイオリンをやめるのは、長女にはすぐに納得できないかもしれません。でも、すでに中学2年生。家計の事情をきちんと話せば、わかってくれる年齢です。大学進学まで4年しかないことを考え、長女と話し合って。さらに、被服費も1万円減らせればなお安心でしょう。
大学資金が準備できれば、子どもは奨学金を借りずにすみ、親も教育ローンを組む必要がありません。老後まで続く安心のためにも、今が“決断のとき”です。

●【check1】習慣化した外食を週1回に減らし、1万5000円カット

バイオリンや英語塾がある日は、帰りにファミレスで待ち合わせて親子で食事へ行くのが、真鍋家の習慣。1回の支出は3000~4000円台と多くないのですが、合計すると月3万円にもなっています。外食は週1回と決めて、半分の1万5000円に抑えましょう。バイオリンをやめたときが出費カットのチャンス。

●【check2】被服費は、出費のメリハリがつけやすい半年予算で月1万円減

長女の学校は、通学は私服OK。周囲に裕福な家庭の子が多く、ファストファッションは長女に「着て行けない」と言われたそう。でも、大学資金のために被服費もあと1万円減らしたいところ。半年分12万円で予算をとり、「金額がはるコートを買うなら、シャツは今回はなし」などと長女と話し合いながら工夫しましょう。長女自身に予算のお金を渡して、自由にやりくりさせるのもおすすめ。

●【check3】長女自身が納得できる区切りで習い事はやめ、大学資金を優先

そもそも真鍋家は優秀な貯蓄家計で、妻の収入を全額貯め、貯蓄1500万円を頭金にして家を購入。私立中学入学も、「やりくりに励めばなんとかなる」と長女の希望を受け入れたそう。でも、学費と教育費が年収の4割近くを占める現状は、やりくりでカバーできる限界を超えています。教育費の優先順位を決め、長女自身が「高校まで続けたい」と話しているバイオリンはできるだけ早急にやめる方向に。今すぐは無理でも、「次の発表会まで」など、長女が心の区切りをつけられる時期を話し合って。