持ち家か、賃貸か。戸建てか、マンションか。注文住宅か、建て売りか。家の選択肢はいろいろとありますが「住んでみないとわからない」ということも多いものです。転勤族で、戸建ての賃貸住宅と注文住宅、どちらにも住んだことがあるという日刊住まいライターが、戸建て賃貸と注文住宅の住み心地や生活のしやすさの違いについて語ります。
すべての画像を見る(全6枚)戸建て賃貸はメンテナンスや心理的な負担が少ないのがメリット
わが家は転勤族。戸建ての賃貸住宅に住んだあと、現在は注文住宅の持ち家に住んでいます。戸建て賃貸に引っ越しをしたのは7年ほど前、夫の仕事の関係で千葉県に転勤になったときでした。
まだ子どもたちが幼く、なにかと騒音が気になるため、マンションは避けて戸建て賃貸を選択しました。千葉の戸建て賃貸には5年ほど住みましたが、次の転勤を機に北海道に注文住宅を建て、いまに至ります。
戸建て賃貸は築3年程度の比較的きれいな物件でした。小さいですが庭もあり、青空駐車場1台つき、間取りは2LDK。管理業者が間に入っていましたが、隣に大家さんが住んでいて、庭の管理などはおまかせしていました。
筆者が感じた戸建ての賃貸のメリットとデメリットについて、以下にまとめてみました。戸建て賃貸のメリットは、メンテナンスや心理的な負担が少ないところなのではないかと思います。
戸建て賃貸のメリット
- 自然災害、ご近所トラブルなどがあった場合比較的引っ越しがしやすい
- 設備の不具合は、大家さん負担で修理してもらえる場合が多い
- 駐車場や庭などの共有部のメンテナンス不要
- 子どもの足音や洗濯などによる階下への音を気にしなくて済む
- ペット可の物件が多い
- 家賃と更新料以外の支出がほぼ不要
戸建て賃貸のデメリット
- 物件数が少ないので選択肢が限られる。間取りが多少自分たちの生活に合わなくても我慢して生活しなければならない
- 建物のグレードやスペックが高い物件が少ない。結果、光熱費などがかさみやすい
- 収納や照明、食洗機、宅配ボックス、防犯システムやコンセントなの設備をあとづけしにくい
- 更新料や家賃を払い続けても自分のものにはならない
注文住宅は「住み心地」の面で満足度が高い
筆者が現在住んでいるのは北海道。地元のハウスメーカーで建てた注文住宅です。中庭とガレージが2台分、青空駐車場が1台分、間取りは4LDKです。暮らしてみてが感じた、注文住宅のメリットとデメリットについて、以下にまとめました。注文住宅はやはり「住み心地」の面で満足度が高いと感じています。
注文住宅のメリット
- 駅へのアクセスや日当たりなどを考慮し「ここに住みたい」という土地を選ぶところからスタートできる
- 設備、性能、色、デザイン、価格帯など自分たちの価値観に合った選択ができる
- 中庭やファミリークローゼットを設ける等、家族のライフスタイルに合わせた間取りを選べる
- 食洗機、浄水器、宅配ボックス、コンセント、防犯カメラなど設備類を自由に採用できる
- リフォームや増改築を自由にできる
- ペットを自由に飼える
- 資産面で老後の見通しが立てやすい
注文住宅のデメリット
- 設計の際、決めることが多く時間と手間がかかる
- 外壁や庭のメンテナンス、設備機器類の修理等はすべて自己負担
- 災害、ご近所トラブルや子どものいじめなどがあっても気軽に引っ越しにくい
- 一度住むと古くなっていく一方
- 住宅ローンや固定資産税の支払いなどお金関係の手続きが大変
家が自分たちの生活にフィットする注文住宅にしてよかった
「持ち家か賃貸か」は議論されることの多いテーマですが、注文住宅と戸建て賃貸の両方に住んでみて感じたのは、「注文住宅で建ててよかった」ということ。家が自分たちの生活にフィットしているので、毎日のストレスが少なく、なにものにも代え難い大きなメリットだと感じています。マイホームを検討中の方の参考になれば幸いです。
●教えてくれた人/Fujinaoさん
整理収納アドバイザー。転勤族の経験から「少ないモノで豊かに暮らす」アイディアと暮らし方を提唱している。個人宅の片づけ実績は300件超。モノの呪縛から解き放たれる魔法のような言葉を載せたインスタが人気を集めている。著書に『片づけの力 私たちは、もっと美しくなれる、部屋も、心も、人生も。』(KADOKAWA刊)がある