リノベで人気の収納スペースである、玄関土間、パントリー、ウォークインクローゼットを採用。家具のような端正な造作収納も随所に設けた根田さんの住まい。収納スペースも充実しています。長く滞在していた海外からの帰国に伴い、以前から所有していたマンションをリノベーションした根田さん。好みの内装に一新するとともに、収納スペースを増やすことがテーマとなりました。
すべての画像を見る(全20枚)グレーの面材の造作収納が空間に溶け込むリビングダイニング
最上階で日当たり抜群の根田邸。「眺望のよさも気に入っています」というダイニングは、インテリアをじっくり吟味して、ダイニングテーブルは海外から取り寄せたそう。海外に住んでいたときに購入したアートが映える空間です。
窓からの景色を眺めながら調理ができるキッチン。住まい全体の雰囲気に合わせて、明るめのグレーに塗装したラワン材の収納を造作しました。つり戸棚は梁の下のラインにそろえて設けることで、圧迫感を抑えています。
家電置き場として重宝しているキッチン背面の収納スペース。凹凸のない美しい収まりは、スペースに合わせた設計ならではです。
ダイニングとひと続きのリビングにも、グレーの面材でテレビボードを兼ねた収納を造作。エアコンはルーバー状の部分に収めました。落ち着いたグレーに赤いレザーのソファーがよく映えます。
リビングから玄関までの廊下幅を広くして、ゆとりのあるスペースに。ガラス入りの引き戸は閉めても光が届くので、開放感があります。
【この住まいのデータ】
▼家族構成
本人(60代女性)
▼リノベを選んだ理由
海外からの帰国後の住まいとして、以前から所有していた物件を暮らしやすく整えるためリノベーションした。
▼住宅の面積やコスト
専有面積/98.83㎡
ベンチも備えた多目的に使える玄関土間は、パントリーにつながる
根田邸の玄関を入ると、正面にリビングへ続く廊下があり、さらに右手には玄関土間経由でキッチンにアクセスできる動線も。
玄関土間には木製のベンチを造作。荷物の一時置きやちょっとした休憩スペースとして重宝しています。アウターやスーツケースをしまえるクロゼットも設置。
玄関土間のクローゼットは、普段は扉を閉めてスッキリと。居室と同様、収納の建具には明るいグレーを採用しました。壁のように見えますが、左手はシューズ専用クローゼットになっています。
キッチン側から玄関土間を見たところ。「部屋の数を整理して収納を増やしたかった」という根田さん。右側をパントリー、左手前を食器用スペースとしました。玄関土間とパントリーがつながっているので、買い物から帰ったら、買ってきたものをすぐ定位置に収納できます。
パントリー内部には棚板をL字型に設置。棚板の奥行きを変えて、収納するもののサイズによって使い分けています。
こちらは食器用の収納スペース。キッチンからアクセスしやすい場所にあって便利です。棚全体を見渡せるので、どこになにがしまわれているかが、ひと目でわかります。
左手のアウター用クローゼットと食器用の収納スペース、右手のパントリーの扉をすべて閉めたところ。普段はこんな風にスッキリと暮らせます。
寝室や洗面室にもたっぷり収納スペースを確保
寝室内の既存の収納スペースを拡張して、大容量のウォークインクローゼットに変更。引き戸やドアは開け放しておき、いつもワンルーム感覚で暮らしています。
ウォークインクローゼットの内部には正面と左側にハンガーパイプを設置。右手には収納家具を置いて、たたんでしまう衣類を収納しています。姿見もあり、クローゼットの中でコーディネートチェックまで完了!
北側にあるもうひとつの個室はゲストルーム。ピアノの練習にも使っています。
幅をたっぷりとって、メイクができるスペースも設けたオリジナルの洗面台。ミラーキャビネットを採用し、収納スペースも十分です。
北側の1室を玄関土間につくり変え、新たに玄関→リビングと玄関→キッチンの2WAYの動線ができた根田邸。リノベのテーマのひとつだった収納不足が見事に解消されました。リノベで内装も好みのイメージに一新。生まれ変わった住まいで、久しぶりの日本での暮らしを楽しんでいる根田さんです。
間取り(リノベーション前後)
リノベーション前
リノベーション後
設計/Tsudou Design Studio(須藤剛建築設計事務所)
新築から中古リノベ、戸建て住宅や商業施設まで手掛ける設計事務所。「人と場所のストーリーを紡ぐようにつくる建築」をテーマに、既成概念にとらわれない家づくりを行う。住み手と価値観を共有し、相互理解のうえプランニングを進めることを大切にしている。
撮影/相澤利一 ※情報は「リライフプラスvol.41」取材時のものです