近年、台風や集中豪雨による水害が続発しています。もし、気に入って購入した土地が、浸水の被害にあったとしたら…その土地の売主や仲介業者に、損害賠償を請求できないか?とても気になるところです。実際は、どうなのでしょうか?あなたは、目の前を流れる川の景色が気に入り、不動産会社Aの仲介により、売主Bの土地を購入しました。契約締結前の重要事項説明で、水害ハザードマップにおける所在地の説明は受けましたが、購入してすぐにこんな被害にあうとは思ってもいませんでした。売主や不動産業者には損害賠償を請求できないでしょうか?では、さっそく答えを解説していきます。
すべての画像を見る(全4枚)令和2年8月28日より水害リスク情報が重要事項の説明項目に追加!
正解…損賠賠償を請求できる可能性は、極めて低い
宅地建物取引業法施行規則の改正により、令和2年8月28日より、水害リスク情報が重要事項の説明項目が追加されました。
この改正により、取引の対象となる宅地・建物がある市町村等の長が提供する図面(水害ハザードマップ)を提示し、対象物件の位置を示すことが、義務づけられるようになったのです。
仲介の不動産会社が、改正された法律に遵守して、ちゃんと水害ハザードマップを見せながら説明したとしたら、不動産会社には非はありません。そして、重要事項説明を受けて売買契約を結んだあなたは、事前に水害リスクを理解しての契約とみなされるでしょう。
また、不動産市場ではこうしたリスクがある土地は人気がないので、その分を差し引いた割安な金額で取引されているはず。
ですから、水害にあったからといって、売主や不動産業者には損害賠償を請求することは、極めて難しいと言えます。
購入前に自分でもハザードマップを、調べることを忘れずに!
ハザードマップは、役所に足を運ばなくても、国土交通省が運営する「ハザードポータルサイト」で調べることができます。
このサイトには「重ねるハザードマップ」と「わがまちハザードマップ」があります。
「重ねるハザードマップ」では、住所を入力して、洪水・土砂災害・高潮・津波などのリスクを、重ねて表示さることが可能。また、「わがまちハザードマップ」は、該当する市町村を選べば、その地域で作成された、さまざまな種類のハザードマップを閲覧することができます。
重要事項説明を受けるところまで行く前に、気になる土地や建物が見つかったら、自分で調べてみる習慣を!
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画像(図以外)/PIXTA