高齢者と暮らす家で、介護しやすいトイレにリフォームするケースが増えています。でもせっかくリフォームするなら、機能面だけでなく、見た目も重視したいもの。今回は、同居する祖母の介護のために、トイレをリフォームした日刊住まいライターの事例を紹介します。かかった費用は総額60万円。気に包まれた空間は、床の段差をなくし、手洗い場や手すりを設置。新しい設備はセンサーつきに!おかげで家族も使いやすく、とても落ち着く和モダン空間となりました。いったいどんなリフォームを行ったのか、レポートします。

介護用にリフォームしたトイレ
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目次:

今までは使い勝手が悪く、介護には向かない昔ながらのトイレだった!タイル貼りを板張りに。床の段差をなくし、手洗い場や手すりも設置介護しやすいだけではない!実際にリフォームしてみて気づいたメリット

今までは使い勝手が悪く、介護には向かない昔ながらのトイレだった!

わが家は両親(60代)、夫婦(30代)、子ども(2歳)、祖母(80代、施設に入所中)の6人家族です。

以前は縦230×横90×奥行170㎝の空間に、男性用と女性用の便器があるトイレ。狭くて圧迫感もありました。扉を開くと、5㎝もの段差があり、そこでつまずくことも。床や壁はタイル貼り。冬場は冷たいので、トイレに行くのがおっくうに感じていました。

そこで将来を見据え、広さも確保して介護がしやすいトイレに、リフォームすることにしました。

タイル貼りを板張りに。床の段差をなくし、手洗い場や手すりも設置

リフォームにかかった費用は、総額で60万円ほど。実際にどんなリフォームを行ったのか、詳しく紹介していきます。

段差を無くし、フラットな状態に

フラットなトイレにリフォーム

まずは、5㎝の段差をなくし、床をフラットな状態に。トイレの中は、車いすでも入れるように、60㎝ほど幅を広げたのです。入口も、開き戸から引き戸にすることで、廊下のスペースも有効的に使えるようになりました。タイルの部分も木に変更。

手洗い場を設置

トイレ内の手洗い場

トイレをすませたあと、洗面所に行かなくてもいいように、トイレ内に洗面台を設置。止め忘れ防止のために、センサー機能つきのものを選択しました。

これまでは天井付近に棚があり、そこに備品を置いていましたが、手洗い場の下に変更。収納のサイズは縦60×横160×奥行き35㎝です。

手すりを設置

トイレの手すり

入って右側に、長さ120㎝ほどの手すりをつけました。介護補助金を利用し、トイレのリフォーム後に設置したものです。介護に限らず、腰痛やひざをケガしたときにも便利。

便器・換気扇ともにセンサー式に

トイレ換気扇センサー式

人を感知し、フタの開閉や、水流しすべてを自動で行う、センサー式のものにしました。換気扇も同様に、センサーで感知します。

介護しやすいだけではない!実際にリフォームしてみて気づいたメリット

将来を見すえたリフォームでしたが、介護がしやすいだけではなく、ほかにもさまざまなメリットがありました。

段差につまずかない

床をフラットにしたことにより、つまずく危険性がなくなったのです。祖母が泊まりで帰ってきても、つまずく心配がありません。また、2歳の子どももトイレを使用しやすくなりました。

床を木にしたことで温もりが

これまでのタイルとは違い、温もりを感じられるようになったのです。また、見ためもモダンでおしゃれな雰囲気になりました。

広くなり圧迫感がなくなった

トイレ内の幅を、60㎝ほど広げたことにより、圧迫感がなくなりました。ほっとひと息つけ、落ち着ける空間となったのです。

収納力が高くなったことでスッキリ空間に

トイレにある手洗い場の収納

手洗い場の下に扉つきの収納をつくり、トイレットペーパーのストックや掃除用具などはここに。雑多なものが視界から消えスッキリ!木の温もりに包まれた空間が生まれました。また、上からものが落ちてくる心配もなくなり安心!

流し忘れがなくなった

設備をセンサーつきにしたことで、流し忘れや換気扇のつけっぱなしがなくなりました。手洗い場も出しっぱなしを防げ、節約にもつながっています。

介護しやすい空間にするための目的でしたが、私たちも暮らしやすくなったので、リフォームしてよかったと感じています。介護リフォームを考えている方の参考になれば幸いです。