家具やカーテン、照明などの幅広い知識を駆使して、住まい手にあった空間を提案するのがインテリアコーディネーターの仕事。タクミさんのもとにも、「こんな暮らしをしたい!」という、さまざまな相談が届きます。今回紹介するのは、引越しを機に心機一転、すべてのものをイチからそろえたい!という、ネコ2匹とひとり暮らしの部屋のコーディネートです。ペットと暮らしやすくスタイリッシュな部屋づくりを、CGをまじえて解説をします。

インテリアコーディネートした空間
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目次:

相談者の要望と心がけたインテリアのポイント要望に沿って、モダン過ぎないシャープなデザインのアイテムを選ぶLDKはイスの位置が自在のテーブルを置き、プロジェクター用の壁を確保PCルームのデスクの天板はオーダー。圧迫感がなく快適な空間に

相談者の要望と心がけたインテリアのポイント

インテリアコーディネートする家の間取り

今回の相談者が引っ越す部屋の間取りです。このLDKとPCルーム(洋室)のインテリアを提案してきます。

相談者からの要望と、インテリアコーディネーターとして心がけたポイントは、以下のとおりです。

相談者からの要望

  • 予算は30~40万円
  • ソファの近くにはお気に入りの本を置きたい
  • 音楽コンポを置く場所を設けたい
  • 趣味の手芸を楽しめ、パソコンも使える机の広さと収納棚が欲しい
  • テレビは置かずほかにスペースを使いたい
  • 将来的にプロジェクターを使用するため、投影できるスペースの確保したい

心がけたインテリアのポイント

  • 細いラインの家具でスッキリ感を演出する
  • 無機質になりすぎないよう、ファブリック類で暖かさをプラス
  • お手入れしやすいアイテムを選ぶ

今回のコーディネートのポイントは、「暖かみのあるスタイリッシュな空間」です。

彩度を抑えた配色を心掛け、優しい雰囲気も演出するようインテリアをセレクトしていきます。

要望に沿って、モダン過ぎないシャープなデザインのアイテムを選ぶ

要望に沿って選んだ、LDKとPCルームのアイテム

これは要望に沿って選んだ、LDKとPCルームに入れる家具や照明のリストです。アイテム数は多いですが、予算内に収まっています。
モダン過ぎないシャープなデザインでインテリアを統一しました。

白黒のモノトーンだと単調なイメージになってしまうため、レザー調やベルベット生地をアクセントに。

シンプルなアイテムは、スッキリする一方で、物足りなさも感じやすいです。そこで、ファブリック類を取り入れ、暖かい素材感を感じられるよう組合せました。

LDKはイスの位置が自在のテーブルを置き、プロジェクター用の壁を確保

LDKで使用するインテリアアイテム

LDKで使用するインテリアアイテムです。これを使ってLDKをコーディネートしていきます。

コーディネートしたあとの間取り図

寝室につながる手前の壁(赤線部分)をプロジェクター用に確保しました。足元には低めのコンソールを設け、音楽コンポ用の台に。正面にはソファ、サイドに本棚を設置。

LDKのコーディネートが完成

イスの位置を自在に変えられる円形のダイニングテーブルにし、動線を確保しています。

円形を取り入れ空間にリズムを

空間は、基本的に直線・直角で構成されています。ですから、きっちりと整頓され過ぎると、面白味のない空間になる恐れが。円形のアイテムを取り入れると変化が生まれます。

四角いアイテムだけでコーディネートした例

こちらは四角いアイテムだけでコーディネートした例です。

丸いデザインをアクセントに入れたコーディネート

そしてこちらが、丸いデザインをアクセントに入れたコーディネート。ソファ足下のラグ、ダイニングテーブルの2点を変更しました。これで部屋の雰囲気もやわらかくなりました。

今の空間にものたりなさや変化が欲しいと感じている方は、ラグやスツール、サイドテーブルなどでチャレンジしてみてください。

お手入れしやすい素材と、掃除しやすさにも配慮

お手入れがラクなファブリックソファ

ペットのネコと暮らしやすいように、お手入れがラクなファブリックソファを提案していました。カバーリングタイプなので、汚れてしまってもクリーニングができます。

また、いつでも床がきれいな状態を保てるように家具はすべて脚つきのもので統一することにしました。

PCルームのデスクの天板はオーダー。圧迫感がなく快適な空間に

PCルームは、トレンドでもある、グレー×イエローで配色

相談者がお持ちだったイエローのyogiboは、PCルームに置き、くつろぎのアイテムとして活躍してもらうことに。こちらの空間は、トレンドでもある、グレー×イエローの配色で組み合わせました。

LDKとPCルームは仕切られていますが、ほぼドアを開放して使用予定とのこと。2部屋がゆるやかにつながるよう、配色を意識しています。

サイズオーダーで圧迫感のないスペースに

天板がサイズオーダーできるデスク

横に広い机をご所望だったため、天板がサイズオーダーできるデスクを提案。部屋の柱や壁に干渉しないピッタリのサイズを選ぶことができました。奥行きを浅くしたので、圧迫感を軽減する効果もあります。

限られたスペースを有効活用する際には、奥行きにも気をつけてみましょう。

今回、部屋のカラーをブラウン・グレー・ブラックの3色で構成しました(yogiboを除く)。彩度を抑えた色を入れることで、落ち着いた雰囲気ながらも、色をたのしめる空間になります。

メインとなる家具はシンプルに、ラグや小物で素材感あるアイテムを取入れると、おしゃれにまとまります。モノトーンではなく、スタイリッシュに仕上げたいときは参考にしてください。

●教えてくれた人/タクミさん
インテリアコーディネーター、カラーコーディネーター2級。インテリアショップにて5年間勤務後、リフォーム/リノベーションのコーディネーターに。男性目線のブルックリン、インダストリアル、西海岸風のインテリアセレクトを得意としている