リフォームで起こりがちな「打ち合わせの内容と仕上がりの違い」というトラブル。これをできるだけ避けるには、「大きめのサンプル」「パース」「議事録」の3つがポイントになってきます。リフォーム会社に4年間勤務していた日刊住まいライターが、リフォームの失敗・後悔を防ぐコツを伝授。参考にして、リフォームの「こんなはずじゃなかった」に気をつけましょう。
すべての画像を見る(全4枚)1.サンプルは必ず大きいサイズのものを
クロスやフローリング等の貼り替えを検討している場合、候補を絞り込んだら必ず大きなサンプルを請求しましょう。クロスはA4サイズ、フローリング材は実際の幅×30㎝程のサイズが用意されている場合が多いです。カタログだとサンプルのサイズが小さく、他の色もとずらりと並んでいるのでイメージがしにくいもの。単品で、大きなサンプルで見ると、ぐっと施工後のイメージがしやすくなります。
また、明るい色はより明るく、暗い色はより暗く見えることを「面積効果」といいます。とくにフローリングなどは実際の幅で見てみると木目の印象などがカタログで見たときと大きく変わってくることも多いです。
カーペットやカーテン、タイル等もサンプルが用意されていることがほとんどなので、気になるものは取り寄せが可能か担当者に聞いてみましょう。まだ打ち合わせに入っていない場合でも、メーカーのウェブサイトからサンプル請求できる場合もあります。
実際に担当したお客様で、柄物のクロスを検討していたけれど、実際に大きなサンプルで見るとカタログで見たときと印象が全然違った、という方が何人もいらっしゃいました。施工後に「イメージと違った」と後悔しないために、できるだけ大きいサンプルで確認するといいと思います。
2.全体像がイメージできないときは「パース」を依頼してみる
パースとは、建物の外観や室内などを立体的に表現した透視図のこと。完成予定のマンションの広告等で目にする機会も多いのではないでしょうか。たとえば壁紙の色をガラリと変える、和室を洋室に変えるなど、やってみたいことはたくさんあるけれど、全体像がイメージしきれない…。そんなときはリフォーム会社にパースの作成を依頼してみましょう。ぐっとイメージがしやすくなります。
以前、夫婦で暮らすお宅のリフォームを担当した際、リビングの一角に和室コーナーを設けることになりました。完成後「予想以上の仕上がりで安心した。実は施工事例の写真を見ても、どうしても明確にイメージができず完成まで不安があった」と言われたことがあります。そのとき、パースを作成することを提案をすべきだったと反省した経験があります。リフォーム内容の決定前に聞いてみることをおすすめします。
3.打ち合わせの最後に必ず双方で議事録の確認を
リフォームの打ち合わせでは担当者が議事録を取っていると思いますので、最後に必ず担当者と一緒に議事録の内容を確認しましょう。筆者が勤めていたリフォーム会社では、打ち合わせ時に複写式の議事録にメモを取り、お客様に1枚お渡ししていました。
すでにある商品を購入するのとは違い、リフォームはこれから行う「作業」に対してお金を払います。それだけに、どんなに気をつけていても「言った」「言わない」のトラブルが発生しやすいもの。打ち合わせ内容の抜け・漏れや相違がないかの確認はとても大切です。
たとえば「電気工事のついでにコンセントの移設をしてほしい」というちょっとした依頼は、メモしておかないとうっかり忘れられてしまうことも。もし再度工事するとなると、また電気工事業者を呼ばなければならず、場合によってはクロスの貼り替えも発生するなど、労力がかかります。どのコンセントをどの位置に移設するのか、といったことがきちんと議事録に書かれているか、しっかり確認するようにしましょう。
商品の再発注や工期の延長などが発生する事態を避けるために、決定した品番に間違いがないか、といった点についてもよく確認することをおすすめします。また、サービスでやってもらえると思っていたら追加料金がかかる、といった場合もありますので、不安な点は曖昧にせず、ひとつひとつ確認することをおすすめします。
リフォームで家を使いやすく、きれいにするためには、時間やお金などの負担も当然かかります。「こんなはずじゃなかった」と後悔をしないためにも、今回ご紹介した3つのポイントを意識してみてください。
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