石貼りの床に、白いモールディング、ルイスポールセンの照明など、細部までこだわりが詰まったKさんの住まいは、まるで海外の邸宅のよう。150㎡のゆったりとした中古マンションをリノベーションしました。どの空間も美しく整っていますが、キッチンの一角に設けたワークスペースがひときわスマート。スッキリと快適に暮らすための細やかな工夫に注目です。
すべての画像を見る(全16枚)料理も仕事も快適にできる大型キッチン
L字型のキッチンを主役にした、たっぷりの日差しが降り注ぐ大空間。廊下や玄関との仕切りはなく、回遊性のある間取りにしたことで、さらに空間の広がりが感じられます。
キッチン中央には大きめのカウンターを配置。友人との楽しいひとときを過ごす場として、また、子どもたちが宿題をするデスクとして、調理以外のシーンでもマルチに活躍しています。
キッチンの一角にはワークスペースも。コード類が表に出ないよう、奥の収納棚や引き出しの中にコンセントを設置。かさばるプリンターは収納棚へしまい、タブレット類はデスクの引き出しの中で充電できるようにすることで、デスクまわりはスッキリ。
家具のように美しいオリジナルのキッチン収納。使うシーンや使用頻度をイメージしながら、収納するものの位置を決めていったそう。
2層に分かれているシンクは、洗い終わった食器を右のシンクで水切りできるので、食器洗いのストレスが減少しました。ワークトップは奥行きがしっかりあるので、調理や配膳がとてもスムーズに。
【この住まいのデータ】
▼家族構成
夫50代 妻40代 長女 次女
▼リノベを選んだ理由
以前から、できるだけ生活感を出さずに、スッキリと暮らしたいという思いがあったため。
▼住宅の面積やコスト
専有面積/150.00㎡
LDKの一角にピアノスペースとワインセラーを
キッチン収納の裏側は子どもたちのピアノスペース。リビングダイニングからは見えない位置に配置しました。
ピアノのとなりにはワインセラーが。背面の壁は玄関までまっすぐに伸びていて、絵画などを飾って楽しんでいます。
玄関から室内まで、床は同素材のタイルで統一。まっすぐLDKにつながる動線と、キッチンを通ってLDKにつながる動線、2つの動線が生まれたことで暮らしやすさもアップ。
玄関正面にあってひときわ目をひくのは、アクセントクロスを貼った大きなニッチ。華奢な脚のチェストの上には、枝ものの植物をダイナミックに飾っています。
水まわりは白×グレーのタイルで統一
タイルや収納の建具は白、カウンターや鏡のフレームは黒、と色を絞ることで洗練された印象に仕上がったサニタリー。アイロンスペースやタオルウォーマーなど、家事効率がよくなる工夫も。
バスルームのタイルには、汚れが目立ちにくいグレーをチョイス。床には個性的な柄のタイルを取り入れました。
サニタリーに隣接する寝室。木のぬくもりを感じられる、ナチュラルで穏やかな空間に仕上げました。
「収納については、何をどこにしまうか、どこで使うか、をじっくり考えたうえで決めていきました」というKさん夫妻。必要な収納を使いやすい場所に配置することで、約150㎡という大空間にはさらに余白が誕生。快適で穏やかな暮らしを送れる住まいとなりました。
間取り(リノベーション前後)
リノベーション前
リノベーション後
デザイン/FILE
住む人の好みや暮らしに合った空間づくりを目指して、1991年に創業。オリジナルキッチン、洗面台、家具、建具の製作販売、新築・リノベーションのデザインを行っている。細部にまでこだわった上質な空間づくりが人気。京都でもインテリアショップを展開している。
撮影/溝田 誠 ※情報は「リライフプラスvol.39」取材時のものです