家づくりの際に理想の土地に出会うには、どうすればよいのでしょう?土地探しを始めたら、誰もが一度は直面する悩みを解決してみましょう。不動産仲介や建築不動産コンサルティングをしている藤谷幹さんのアドバイスを交えて、疑問に答えます。
すべての画像を見る(全2枚)Q:土地を探したいと思ったら、まずは誰に相談する?
A:建築家や工務店に相談してみるのがおすすめ
注文住宅を建てるための土地を探したい。そんなときの相談窓口として、多くの人が思い浮かべるのは不動産会社のはず。もちろん、それも選択肢のひとつですが、まずは建築家や工務店など「つくり手」に相談してみると、より満足度の高い土地が見つけやすくなるそう。
実は、土地だけを見て、建物の完成図をイメージするのはなかなか難しいもの。建主はもちろん、不動産会社の社員であっても、建築後に生じるメリット・デメリットを洗い出すのは至難の業です。そこで頼りになるのが、建築や設計に詳しいプロの視点や知見、アドバイス。これらがあるかないかで、土地探しの選択の幅も精度も変わってきます。
「土地を探す前に、どのような家を建てたいかを相談することで、結果的に、土地に予算をかけすぎなくてすみます」
希望する家によっては必ずしも南向きの整形地である必要はなく、三角形の土地や斜面地であったとしても、その土地の利点を生かすことは可能。土地に多額の予算をつぎ込まなくても眺望がよく、日当たりもいい家をつくれる可能性があるのだとか。
大切なのは「土地ありき」で建てられる家を考えるのではなく、「どのような家を建てたいか」「どのような暮らしを実現したいか」を重視して土地を選んだほうが、予算を有効活用できるのです。
Q:物件を探すにあたっておすすめの情報源は?
A:民間企業のポータルサイトで検索するのが手軽かつ効果的
物件探しの情報源は大きく分けると「検索サイト」「住宅情報関連のフリーペーパー」「折り込みチラシ」「不動産会社」の4種類があります。
土地探しをスタートするうえで、最も手軽で効率がよいのは検索サイトを利用すること。ネット検索では、物件情報を見られるのはもちろん、希望の条件で検索することによっておおよその相場観をつかめるという利点もあります。
「検索サイトには不動産会社などのプロ限定のサイトと、『SUUMO』や『アットホーム』など一般の方も検索できるポータルサイトがあります。プロ向けと一般の方向けで掲載されている情報に差があるかというと、実はあまり違いはありません。そのため、どんどんネット検索を活用することをおすすめしています」
藤谷さんは「希望に近いと感じた不動産情報があったら、空メールで構わないのでどんどん送ってください」と顧客にアドバイスしているそう。
気になるのは、特定の不動産会社などに「囲われている」人気物件です。最近はあまりないのでしょうか?
「いわゆる未公開物件というのは、ごくたまに目にすることもありますが、基本的にはなくなってきています」
ちなみに、ネット検索だけでなく、様々なチャンネルで幅広く情報を収集するのがおすすめ。希望に合った土地との出会いのチャンスは広くなるそう。
●教えてくれた人/藤谷幹さん
創造系不動産所属。建築家とタッグを組み、「建築と不動産のあいだ」に焦点を当て、不動産やファイナンスをサポ-トする
イラスト/カツヤマケイコ
写真/PIXTA