住宅ロ-ン選びには、情報収集が欠かせません。まず押さえておきたいのが、住宅ロ-ンの種類。また、「不動産会社」や「銀行」「ネット専業銀行」などの住宅ロ-ンの相談窓口も要チェックです。複数の金融機関の金利や事務手数料、保証料などをしっかり比較検討しましょう。ファイナンシャルプランナー・畠中雅子さんのアドバイスを交えながら、説明していきます。
すべての画像を見る(全2枚)選択肢の多い住宅ロ-ン。金利だけじゃなく、サ-ビスにも注目を
住宅ロ-ンには様々な選択肢がありますが、なかでも畠中さんがおすすめするのは住信SBIネット銀行とイオン銀行。住信SBIネット銀行の住宅ロ-ンはがん(悪性新生物)、急性心筋梗塞、脳卒中、高血圧症、糖尿病、慢性腎不全、肝硬変、慢性膵炎の8疾病のほか、様々な病気やケガが保障の対象となる「全疾病保障」がついていて、保険料は銀行側が負担。
「住信SBIネット銀行はほかのネット銀行に比べると、住宅ロ-ンでは後発組ですが、サ-ビスも充実しているし、金利も比較的低いのでメリットが大きいでしょう」
一方、イオン銀行の住宅ロ-ンは、イオンでの買い物が毎日5%割引になるという特典が。
「郊外に住んでいてよくイオンで買い物をする人にはメリットが大きいですね」
民間融資(銀行など)
大手銀行や信託銀行、地方銀行などが借入先となる民間融資。「人」に対する融資で安定した職業や収入、借金の有無などが審査の対象に。金利タイプの種類が豊富で、手数料や保険などの条件は金融機関によって異なります。
フラット35
民間金融機関と住宅金融支援機構が提携して提供。最長35年間の全期間固定型金利タイプの住宅ロ-ン。原則として「住宅」に対して行う融資であり、比較的収入が少ない人でも返済負担率をクリアできれば利用できるのがメリットです。
公的融資
財形融資と自治体融資がある。財形融資は、住宅金融支援機構や雇用・能力開発機構などが、一般財形貯蓄・財形住宅貯蓄・財形年金貯蓄のいずれかをしている会社員、公務員を対象に融資をします。一方、自治体による融資は、都道府県や市町村が独自の融資制度を実施(実施していない自治体も)。
住宅ロ-ンについて相談する3つの窓口
住宅ロ-ンを組む場合、不動産会社が提携している金融機関を紹介されるケ-スが多いが、比較検討のために利用している銀行に相談したり、インタ-ネットで調べてみたりするなど、自分でも動いてみるのがおすすめ。
1. 不動産会社
金融機関と提携し、住宅ロ-ンを用意しているケ-スが多々あります。
- メリット…調べる手間がかからない
- デメリット…比較検討できず、選択肢が狭まる
2. 銀行
金利タイプも様々で、比較検討しやすいのが特徴。対面で相談できる安心感もあります。
メリット…納得がいくまで相談できる
デメリット…銀行に出向く必要があるので面倒
3. ネット銀行
審査から申し込みまでネットで完結。手数料が安いケ-スも多い。
メリット…手数料や金利が低いプランが充実
デメリット…審査のハ-ドルが高め
工事費を自己資金でまかなうのが難しい場合は「つなぎ融資」を利用
注文住宅の工事代金の支払い方法は、ハウスメーカーや工務店と結ぶ請負契約書に「着工時・上棟時・引き渡し時の3回に分けて代金を支払う」というように定められています。しかし、住宅ロ-ンは住居が完成するまで融資が実行されません。このとき工事費を自己資金でまかなうのが難しい場合に活用されるのが、「つなぎ融資」です。
つなぎ融資は、請負契約を結んだあと、住宅ローンの申し込みをするのと同時に申し込みを行うことになります。
そして住宅ローンの承認が下りたら、請負契約書にもとづいて金融機関からつなぎ資金が用意され、支払いを行います。
ちなみにこのつなぎ融資は、住宅の引き渡し時、住宅ローンが実行された段階で一括返済されます。
●教えてくれた人/畠中雅子さん
ファイナンシャルプランナ-。連載、講演、セミナ-など幅広く活躍。複数の不動産を所有し、住宅ロ-ンのアドバイスも得意とする
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