「オーダーキッチンを検討する際、お客様が合わせてオーダーしたいと考えるのは食器棚、そしてダイニングテーブルが圧倒的に多いです」と話すのは、数多くのオーダーキッチンやオーダー家具を手掛けてきた家具工房「フリーハンドイマイ」の代表、今井大輔さん。なかでもダイニングテーブルの場合、まず丸にするか四角にするか、は最初に迷うところです。ライフスタイルに合ったダイニングテーブルのサイズや選び方について、詳しくお話を伺いました。※写真はオーダーキッチン、食器棚、ダイニングテーブルを納品したお客様のお宅です

オーダーキッチン、食器棚、ダイニングテーブルを納品したお客様のお宅
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四角いテーブルは長方形の空間に適している丸テーブルを正方形の空間に置くと、回遊しやすい動線に自宅には丸テーブルを採用

四角いテーブルは長方形の空間に適している

テーブルで食事を取り分ける

お皿をたくさん広げてゆったりご飯を食べたり、本やノートを思い切り広げたり…。ダイニングテーブルについていつも思うのは、部屋に置いても邪魔にならないのであれば、大きいに越したことはない、ということです。

ダイニングのスペースに余裕があるようなら、4人家族でサイズ幅が1800㎜くらいあるテーブルだと、いろいろな場面で使いやすいのではないかと思っています。奥行はできれば850㎜以上は欲しいところです。

以前、4人家族でのわが家では奥行800㎜のテーブルで食事をしていました。個々の食事スペースに加えて、みんなで囲む大皿や鍋などを置くスペースもゆったり取りたい、となると800㎜だとちょっと狭く感じていました。

長方形のダイニングテーブルのレイアウト図

奥行き850㎜にできれば、一般的に大皿や鍋の大きさは240~300㎜くらいなので、それを真ん中に置いても、一人ずつの食事のスペースはちょうどA4サイズくらい(210×297㎜)確保できます。このくらいのスペースがあれば心地よく食事ができて、さらに奥行900㎜あると、よりゆとりをもって食事ができる、という印象を持っています。

四角いテーブルのサイズについてはそのように考えておりまして、さらにそこに椅子を4脚置くと、だいたい1800㎜×1800㎜の正方形に近いスペースがダイニングセットを置くのに適したサイズなのではないかと考えています(椅子1脚に必要なスペースが500㎜として計算しています)。

リビングダイニングとキッチンが一緒になった、いわゆるLDKとすることが多い最近の間取りだと、空間が長方形に近くなることが多いです。

長方形のダイニングスペースだと、テーブルを境にそこから先をリビングに、とか、テーブルの向かいを勉強するスペースに、といったように、直線のテーブルの方が、目に見えない境目を意識しやすいのではないでしょうか。

丸テーブルを正方形の空間に置くと、回遊しやすい動線に

丸テーブルのあるダイニング

では丸テーブルはどうでしょうか。

丸テーブルの良いところは、一緒にテーブルを囲む人とちょうど良い距離を持てること、また空間を緩やかにつなげて部屋の印象を柔らかくしてくれること、なのではないかと思っています。

先ほどLDK空間が長方形になることが多いと書きましたが、このLDK空間が正方形に近い形になる場合には、丸テーブルの方がダイニングとリビングの空間が曖昧なひとつの曖昧な空間になって、ゆるやかに回遊できる動線になります。

丸テーブルは座る位置が限定されないため、視線がぶつかりにくく、なんとなくゆったりした気持ちで過ごせる印象があります。また、みんなが中心に向かって座るので、四角いテーブルより少し小さめのサイズでも多くの人が座りやすくなります。

正方形のテーブルと丸テーブルの比較

たとえば、上の図のように直径1300㎜程度の丸テーブルだと6人で座ってもきちんと食事ができますが、同じ1300㎜角程度の正方形のテーブルだと、6人では少し窮屈に感じてしまいます。機能面も、見た目の印象も柔軟性があるのが丸テーブルの良さなのかもしれません。

正方形のテーブルは、夫婦二人暮らしの時などにはある程度親近感のある距離が生まれて良いと思います。ですが、お子さんがいる家庭の場合は、長方形や円卓が適しているのではないでしょうか。

自宅には丸テーブルを採用

丸テーブルのある今井さん宅のダイニング

わが家ではどちらのテーブルを使っているかというと、写真のように丸テーブルです。

わが家の間取りはリビングダイニングがほぼ正方形で、さらに2階の床を支える柱がダイニングにそびえたつ形になっています。

家族みんな体が大きいので、四角いテーブルにするなら850×1600㎜くらいは欲しいと思っていたのですが、そうするともっと部屋が狭く感じられてしまっていただろうと思います。

また、先に述べたようにLDKがほぼ正方形なので、四角いテーブルで空間が仕切られるように感じると、窮屈になるだろうと思い、丸テーブルにしました。

それから、子どもたちが大きくなると、一緒にご飯を食べられる時間が少なくなってくる。そうなったときに四角いテーブルで二人ずつ横並びで食べるよりは、円卓のほうが少し寄り添ってご飯を食べる感じになるので、温かみがあるのでは、という妻の意見もありました。

四角いテーブルと丸いテーブル、それぞれに良いところがあります。間取りや家族構成、暮らし方に合わせて自分に合ったダイニングテーブルを選んでください。

●教えてくれた人/今井大輔さん
暮らしに寄り添うオーダーキッチンやオーダー家具を手掛ける家具工房「フリーハンドイマイ」代表。神奈川県高座郡に工房とショールームがある

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