部屋全体がじんわりと温かくなり、快適に過ごせる床暖房は人気の住宅設備。北海道・札幌市在住の整理収納アドバイザー・Fujinaoさんは、通常はあまり床暖房を設置しない玄関のたたき(靴を脱ぐところ)にあえて温水式の床暖房を設置しています。「意外に思われるかもしれませんが、これが大正解。子どもたちのスノーウエアやスノーブーツを乾燥させる手間が省け、お客様にも喜ばれます」玄関のたたきに床暖房を設置するメリットとデメリットについて、詳しく語ってもらいました。
すべての画像を見る(全6枚)床暖房のおかげで雪まみれのスノーブーツが自然に乾燥
筆者宅は、玄関とリビングがつながった間取りで、扉がありません。メインの暖房はパネルヒーターで、家じゅうどこにいても暖かく過ごせますが、玄関たたきと浴室だけに床暖房を設置しました。
玄関たたきに床暖房を入れたのは、子どもたちのスノーウエアとスノーブーツが大きな理由のひとつです。
小学生の息子たちは毎日スノーウエア、スノーブーツを着用して通学しています。帰宅すると全身雪まみれ。そんなときに活躍するのが玄関たたきの床暖房です。たたきがじんわりと温かいのでスノーブーツについた雪は溶け、自然に乾燥します。
以前はスノーブーツを乾かすために、室内のストーブの近くまで移動させていましたが、そうした手間もなくなりました。
また以前の住まいでは、雪道を歩いてきた靴をまた履くときに「冷たい!」と感じることが多かったのですが、床暖房のおかげでそうしたストレスがなくなりました。冬場は、お客様がいらして帰る際に「あっ靴が温かい!」と喜ばれることも多いです。
雪まみれのスノーウエアも安心して掛けておける
玄関の一角にクロゼットコーナーがあり、ここに子どもたちのスノーウエアを掛けています。雪まみれのスノーウエアを掛けておくと、雪が床に落ちても自然と水分が蒸発するので、下にタオルを敷いてたり床を拭いたりする必要がありません。スノーウエアから落ちた雪で床が凍って滑る、という心配もなくなりました。
じんわりと温かい床が心地いいのか、ペットの犬がここででのんびりと昼寝をしていることもあります。
「ちょっと涼しい場所」がなくなってしまうというデメリットも
玄関のたたきに床暖房を入れて本当によかったと満足していますが、ちょっとしたデメリットもあります。当然ですが工事費が高くなりますし、光熱費も少しかさみます。
また家の中に「ちょっと涼しい場所」がなくなってしまうのが困りもの。家じゅうどこも暖かいので、大量の果物や野菜などをいただいたときなどに置いておく場所がないのです。
冷蔵庫に入らない量の食べ物や、冷蔵庫だと冷えすぎてしまう場合など、「ちょっと玄関に置いておこう」ということができなくなってしまいました。玄関に置けないので、箱みかんを中庭やガレージに置いてみたら見事に凍ってしまいました(笑)。
ちょっとしたデメリットはありますが、雪の多い地域にお住まいの方にはおすすめです。家づくりの際の参考になれば幸いです。
●教えてくれた人/Fujinaoさん
整理収納アドバイザー。転勤族の経験から「少ないモノで豊かに暮らす」アイディアと暮らし方を提唱している。個人宅の片付け実績は300件超。モノの呪縛から解き放たれる魔法のような言葉を載せたインスタが人気を集めている