リビングにあった構造壁の一面に、お気に入りの雑貨や写真を飾るための大きな壁面収納をリノベーションで新設したKさんのお宅。壁面収納以外にも、様々な収納の工夫がされています。木とインダストリアル感のある素材をうまくミックスしたキッチンや、回遊性が高くフレキシブルに使える個室など、見どころいっぱいの住まいを見せていただきました。
すべての画像を見る(全16枚)LDKの収納は「見せる」と「隠す」のメリハリを
二面採光で明るいLDK。天井は躯体現しにしてラフな印象に仕上げています。リビングダイニングには収納家具やものが少なくスッキリとした印象ですが、これは収納計画のおかげ。LDKには見せる収納と隠す収納、両方を設けていて、すべてのモノに帰るべき場所があります。
リビングの壁一面には天井まであるオープン棚を設置し、ディスプレイを楽しむと同時に見せる収納としても活用。雑貨から雑誌までさまざまなモノが置いてありますが、しっかり余白を残すことで軽やかな印象に。色とりどりのアイテムがLDKに楽しさを添えてくれます。
かつて廊下にあった収納とトイレだったスペースは、大容量のリビング収納に生まれ変わりました。扉は空間の雰囲気に合わせて、木目の美しいスプルース材を用いています。
「生活感の出やすいものは隠したい」と、収納の内部にはコンセントを付けてプリンターも収納。掃除機の充電用コンセントも付けています。小さいけれど賢いひと工夫のおかげで、好きなモノだけに囲まれた心地よい暮らしが実現されました。
【この住まいのデータ】
▼家族構成
夫34歳 妻41歳 長女2歳
▼リノベを選んだ理由
長女の誕生を機に住まいを持とうと考えた。希望エリアの戸建ては予算的に厳しく、新築マンションのインテリアは好みではない。リノベーションの本でEcoDecoを知り、自由度の高い住まいづくりに興味を持った
▼住宅の面積やコスト
専有面積/78.93㎡ 工事費/1200万円(税・設計料込み、施主支給品は含まず)
ラフな素材でまとめたワザありキッチン
ダイニングキッチンはぬくもりを感じる木とインダストリアル感のある素材をうまくミックス。存在感のあるダイニングテーブルは人気インテリアショップ「TRUCK」にオーダーしたもので、古材を使ったキッチンカウンターともマッチしています。
コの字型のキッチン背面にはカウンターとオープン棚を設けました。お気に入りの食器や調理器具はオープン棚に飾るようにして収納。機能的で見た目にも楽しい調理環境を整えました。
キッチンにはコンクリートの天井やサブウェイ風タイルの壁、換気扇の排気ダクトなど、ラフな要素を詰め込んで好みの雰囲気に。天井に取り付けたハンギングバーは、キッチンツールの収納に活用しています。
トップライトのある玄関ホールは明るく開放的
この物件を購入する決め手となったひとつが、玄関ホールのトップライト。「マンションはどうしても玄関が暗くなりがちですが、トップライトのおかげで光に包まれて明るいので気に入っています」と妻。木製扉の中は、大容量の靴収納です。
夫がコレクションしているスニーカーなどがきれいに収まっています。
玄関ホールの壁の一部は、鉄板を仕込んだ黒板塗装に。メタリックな質感と丸ボタンが個性的なスイッチは、スラップトーン社のものです。
行き来がしやすい寝室&子ども部屋
寝室にはベッド以外何も置かず、シンプルに。「シンプルだからゆっくり休めて、寝心地がいいんです」と妻。寝室はアールの開口で子ども部屋とつながっています。
長女が成長したら扉を取り付けて、子ども部屋を独立させることも視野に入れています。子ども部屋はシンプルに仕上げてありますが、将来は壁に色を塗るなど、長女の個性に合わせた空間にする予定だそう。
寝室内にはオープンなウォークインクロゼットを設置しました。忙しい朝の身支度もさっと済ませることができます。風通しを良くするために、扉はあえてつけていません。
リノベーションは完了したけれど、インテリアはまだ変化の途中だというK邸。「子どもが成長して壁の色を変えたいと言ったら塗り直してもいいし、古いものを生かしつつ、新しさを加えながら、いつまでもこの家を好きだと思えるように暮らしていきたい」と妻は話してくれました。
間取り(リノベーション前後)
リノベーション前
リノベーション後
プロデュース・設計/EcoDeco
中古マンションリノベのワンストップサービスのパイオニア。全コーディネーターが不動産探しから設計まで一貫して担当できるよう、不動産と設計のプロとしての知識と経験を併せ持つ。内見時には両方の視点からアドバイスができる。施工会社はコンペ形式で、公平性がある。福岡オフィスもある
撮影/山田耕司 ※情報は「リライフプラスvol.24」取材時のものです