少しでも住宅ローンの負担を減らそうと思えば、気になるのが金利。その金利だけを見るとネット銀行はとても魅力的です。しかし、ネット銀行だと近くに店舗がなく、不安に感じる人もいると思います。そこで今回は、FP2級の資格を持つ山村希美さんにネット銀行の特徴や各社の金利・サービスの違いについて教えてもらいました。
すべての画像を見る(全3枚)ネット銀行ならいつでもどこでも手続きが完結!
ネット銀行は、通常の都市銀行や地方銀行のように店舗を設置していません。インターネットや電話を介して取引を行うので、通常の銀行に比べると店舗運営のコストがかからないのです。
コストを下げた分顧客に還元する仕組みをとっているので、都市銀行や地方銀行に比べて金利を低く設定できたり、繰り上げ返済に手数料をかけない銀行もあったりします。
またネット銀行であれば、インターネットを使って手続きできるので、銀行の営業時間中に行く必要がありません。土日の仕事が休みのときに、自宅で手続きすることもできるのです。
ネット銀行は審査が厳しい・期間が長いなどの側面も!
自分のペースで手続きできるネット銀行は、住宅ローンなど借り入れ審査が厳しい傾向にあります。
都市銀行や地方銀行などであれば、対面で資金繰りの背景や今後の見通しなどを相談することも可能。しかしネット銀行だと直接対面することはなく、オンライン上での手続きなので、審査OKのラインを超えるか超えないかの機械的なチェックになるからです。
また、審査期間についてもネット銀行のほうが長めといわれています。店舗のある銀行であれば、なにか困ったことや相談したいときは店舗に行ったり担当者に問い合わせたりすれば解決するでしょう。しかしネット銀行だと、問い合わせに時間がかかったり、自分で調べたりすることが多くなることがあるので、その点は注意が必要です。
つなぎ融資のあるネット銀行も!金利やサービス内容をチェック
最後に、ネット銀行各社の住宅ローン金利やサービスの違いについてまとめてみました。
今回比較するのは人気のネット銀行「住信SBIネット銀行」「auじぶん銀行」「ソニー銀行」「楽天銀行」の4つ。
ネット銀行で住宅ローンを検討している人は、以下の表をぜひ参考にしてみてくださいね。
■ネット銀行人気4行の住宅ローン金利とサービス比較
金利 | 特徴 | |
住信SBIネット銀行 | 年0.44%~1.18% (2020.12.1時点) | ・金利上乗せなしで団信・全疾病保障付き ・契約時もWEB申込みで完了 ・保証料0円 ・一部繰り上げ返済は1円からでき、手数料0円 ・他行口座から当社代表口座への資金移動手数料0円 ・収入印紙0円 |
auじぶん銀行 | 年0.41%~0.991% (2020.12.2時点) | ・auモバイル優遇割とじぶんでんき優遇割をセットにすると最大年0.1%金利引き下げ ・5つの団信プランがあり、原則ネットで手続き完結 ・必要書類はネットからアップロードで提出 ・契約までWEB申込みで完了 ・一般団信・がん50%保障団信の保険料0円 ・保証料0円 ・一部繰り上げ返済手数料、資金移動手数料0円 ・収入印紙0円 |
ソニー銀行 | 年0.457%~0.650% (2020.12.2時点) | ・変動から固定への金利変更手数料0円 ・保証料0円 ・団信保険料0円 ・一部・完済とも繰り上げ返済手数料0円 ・他行口座から返済口座への資金移動0円 ・WEBでの契約の場合印紙代0円 ・つなぎ融資可能 |
楽天銀行 | 年0.537%~1.547% (2020.12.1時点) | ・団信保険料、50%保障がん・全疾病特約付き団信保険料0円 ・保証料0円 ・繰り上げ返済手数料0円 ・つなぎ融資可能 ・返済口座を楽天銀行口座にすると、年0.3%金利引き下げ ・変動金利であれば、固定金利と変動金利の変更が何度でも可能 ・条件を満たせば楽天ポイントがもらえる可能性あり |
ネット銀行は金利が低いのが魅力ですが、その他にも資金移動手数料0円、印紙代0円など魅力的な特徴がたくさんあります。「Aネット銀行にあってBネット銀行にはない」といったサービスも多々あるので、細かく内容をチェックして希望のサービスをチェックしてみてください。
またネット銀行以外の都市銀行や、地方銀行と比べることも忘れないように。意外と「総合的に考えたら通常の銀行でもお得だった」という可能性もあるからです。
人気のネット銀行をピックアップして住宅ローンの内容を比べただけでも、つなぎ融資や繰り上げ返済の手数料など、少しずつ違いがあります。日常的に利用している携帯会社やサイト、口座などがあれば、さらに金利引き下げやポイントがつくなどの特典もありますよ。
ちなみに、注文住宅を検討している人は、つなぎ融資のあるソニー銀行や楽天銀行がおすすめです。またこの2社は、独自のハッピープログラムや優遇プログラムがあり、住宅ローンを契約すれば、各プログラムのステージがアップ。さまざまな面で優遇されます。総合的に見てもこの2社が魅力的といえるでしょう。
ネット銀行で住宅ローンを検討する際は、金利に目を向けつつも総合的に自分にとって便利でメリットの大きいところを選んでみてくださいね。
●教えてくれた人/山村希美さん
大学卒業後証券会社に勤務し、在職中に2級ファイナンシャルプランナーを取得。結婚を機に退職し、出産後ライターとしてお金にまつわる記事や子育てに関する記事などを執筆中
画像/PIXTA(2、3枚目)