日本家屋のような懐かしさを感じるOさんの住まいは、マンションの1階にあります。縁側のようなインナーテラスを通って専用庭に出ることができ、マンションとは思えない戸建て感をリノベで演出。ダイニングキッチンには小上がりの畳スペースを設けることで、和のテイストをプラスしつつ、収納力もしっかり確保できました。1階なので、階下への音を気にする必要もなく、子どもたちはのびのびと遊ぶことができるそうです。
すべての画像を見る(全17枚)縁側風インナーテラスを通って専用庭へ
専用庭がある1階住戸は、マンションでありながら戸建てのような雰囲気もあるのがメリット。インナーテラスを縁側のように使うことで、さらに戸建て感がアップ。専用庭へは、ダイニングキッチンからこのインナーテラスを通って気軽に行き来ができます。
芝生を張った庭では、夏にはプールを出して遊んだり、縄跳びをしたり、ときにはおにぎりをつくって外で食べたり…。子どもたちの遊び場であり、家族の癒やしの場として日々活躍しています。
公園に連れて行けない日でも安心して外遊びをさせることができるのも、専用庭のメリット。「植物をもっと増やして、小さな森のような庭にしたい」と妻は話します。
【この住まいのデータ】
▼家族構成
夫35歳 妻35歳 長女5歳 次女3歳
▼リノベを選んだ理由
もともと庭付きの戸建てを希望していたが、予算内でイメージに合う戸建てと出会えなかった。そんなときに見つけたのが、庭付き1階のマンション住戸。リノベーションで日本家屋のような雰囲気をプラスする方向にシフトした。
▼住宅の面積やコスト
専有面積/92.00㎡
小上がりの畳スペースは癒やしの和空間
ダイニングキッチンの窓側には、小上がりの畳スペースを設けました。日当たりがよく、庭を眺めながらほっこり和める場所です。キッチンからは小上がりやリビングで遊ぶ子どもたちを見守ることができ、家族のコミュニケーションもスムーズ。
小上がりとインナーテラスを仕切るのはオリジナルの引き戸。インナーサッシとしてゆるやかに空間を分けつつ、やさしく光を通してくれるほか、寒さ対策としても有効です。
小上がりの下部は収納にして、空間を有効活用しています。
魅せる&使いやすいオープン収納を各所に
「キッチンから家族みんなの顔が見えるようにしてほしい」という妻の要望で生まれた、L字型のオープンキッチン。作業スペースが広いゆったりとした空間で、子どもたちと料理を楽しむこともできます。壁面には使いやすいオープン棚を設けました。
ダイニングの奥はフリースペースになっていて、現在はおもちゃをしまったり、絵を飾ったりするキッズコーナーとして活用。将来は机を並べてスタディコーナーにする予定です。左手に見える引き戸は夫の書斎の入り口。
コンパクトな書斎には、趣味のフィギュアをディスプレイする棚を設置しています。
また、寝室の隣には家族で楽しめる図書コーナーと読書スペースを設けました。将来は子ども室として生まれ変わる予定です。
玄関の靴収納はオープン棚に変更。収納量を確保しつつ、スッキリと見せています。土間スペースを奥まで広げ、床はモルタル仕上げに。
シンプルな素材とカラーでまとめた水回り
洗面台はモルタルで製作。正面の壁はタイルの目地をグレーで仕上げて、クールな印象に。
トイレはタンクレスタイプを採用して、コンパクトな手洗い器を設けました。レトロな雰囲気の水栓はカクダイ製です。
「古民家や古い街並みが好き」というOさん夫妻は、土間や小上がりのある間取り、レトロ感のある建具などを組み合わせて、和テイストの住まいを実現。マンションの1階なので、玄関を開ければすぐに外に出られるし、土間を通って庭にも出られる。そんな戸建て感を楽しみながら暮らしていました。
間取り(リノベーション前後)
リノベーション前
リノベーション後
設計・施工/リノキューブ
名古屋市を中心にリノベーションを専門に手掛ける一級建築士事務所。施工実績も豊富で、中古物件探しからデザイン、アフターサービスまで、ワンストップで専任スタッフがサポートする
撮影/山田耕司 ※情報は「リライフプラスvol.22」取材時のものです