外国の食堂をイメージしてデザインしたというダイニングキッチン。アクセントになっている壁一面のレンガは、50~80年前にベルギーで使われていたアンティークです。レンガの雰囲気に合わせてチーク材で作ったキッチンとダイニングは、一体型にして配膳や片付けをスムーズに。家の中心に配置したことで、キッチンにいても子どもたちに目が届きやすく、いつも家族を近くに感じながら暮らせます。1964年築の中古マンションを、自分たちらしくリノベして暮らすKさんのお宅を訪ねました。

壁にアンティークレンガを取り入れたダイニングキッチン
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目次:

視線の抜けをつくるためにダイニングキッチンを斜めに配置キッズスペースは楽しく安心して遊べるように配慮寝室→ウォークインクロゼット→キッチンが一直線につながる快適動線間取り(リノベーション前後)

視線の抜けをつくるためにダイニングキッチンを斜めに配置

視線の抜けを考慮した斜めに配置したダイニングキッチン

コンロ、シンクがダイニングテーブルと一体化しているダイニングキッチンは、玄関から見たときの視線の抜けを考慮して斜めにレイアウトされています。

イチョウの木を望める眺望を楽しめるLDK

廊下からLDKを望むと視線が外まで抜けていきます。窓の向こうに見えるのは、敷地内の大きなイチョウの木。

バックカウンターを設けたダイニングキッチン

ダイニングキッチンにはワイドなバックカウンターを設けました。キッチンツールや食器、家電のほとんどを隠せるように設計されているので、ダイニングキッチンはいつもスッキリ。

キッズスペースは楽しく安心して遊べるように配慮

スイングドア付きのキッズスペース

リビングの一角には低めの壁でゆるやかに仕切ったキッズスペースがあります。出入りしやすいようスイングドアを取り入れました。

コルクタイルや黒板塗装を施したキッズスペース

やわらかいコルクタイルの床や黒板塗装を施した壁など、子どもも大人も楽しく安心して遊べるよう配慮されたキッズスペース。天井には高さ1.5mほどの下がり棚を設置しました。将来的には壁を設けて個室にする予定です。

引き戸を開けると現れるワークスペース

キッズスペースの向かいにある引き戸を開けると、中は夫用のワークスペースになっています。「少しこもった感じが妙に落ち着くんですよね」と夫。

【この住まいのデータ】

▼家族構成
夫38歳 妻38歳 長男3歳 長女1歳

▼リノベを選んだ理由
都心にもかかわらず落ち着いた佇まいの住宅街が広がる街並みと、品のいいロビーをもつ築30年超えのマンションを気に入ったから。リノベは夫が学生時代から知っていたリノベーション会社・ブルースタジオにぜひ依頼したいと考えていた。

▼住宅の面積やコスト
専有面積/70.60㎡ 工事費/1200万円(税、設計料込み)

寝室→ウォークインクロゼット→キッチンが一直線につながる快適動線

モルタルで土間風に仕上げた玄関

玄関はモルタルで土間風に仕上げました。広さは必要最低限ですが、上がり框部分の幅が最も狭く、その先が広くなっているため、視線がすっと奥へと誘導されます。

廊下の引き戸を開けると出現する本棚

廊下にある引き戸を開けると、本棚が出現。右側のドアの先が寝室です。

寝室からLDKまで通り抜けできる動線

寝室はキッチンからダイレクトにアクセスできる快適な動線に。ドアを開けるとウォークインクロゼットを介してキッチンと一直線につながります。

カーテンでラフに仕切ったクローゼット

ウォークインクロゼットはカーテンでラフに目隠し。中にはIKEAのシステム収納を置いて、空間をムダなく活用しています。

ダイニングキッチンでくつろぐ家族

キッチンで料理をしていても、家族の様子がよく分かるのは子育て中の妻にとって大事なポイント。

「子どもたちがキッズスペースの中でのびのび遊んでいる様子が、料理中にもよく見えます。ダイニングテーブルは広めにつくってもらったので、いずれはダイニングで勉強をしてもらいたいですね」と妻。子どもたちの遊びや勉強も見守れるダイニングキッチンが家の中心にある住まいが完成しました。

間取り(リノベーション前後)

リノベーション前の間取り図

リノベーション前

リノベーション後の間取り図

リノベーション後

設計/ブルースタジオ
中古購入+リノベーションのパイオニア的存在。不動産と設計のプロが組み、街探しから始まるリノベーションをワンストップでサポートする。団地リノベや街のブランディングなどの実績も豊富で幅広い。定額制セレクトオーダーの「TOKYO*STANDARD」も用意

撮影/山田耕司 ※情報は「リライフプラスvol.22」取材時のものです