新築の頃はきれいだった壁も、長く住んでいるとくすんでしまいます。でも、張り替えるのも出費だし、自分でペイントするのはムリ!なんて思っていませんか?日刊すまいライターのaikoさんは、今まで自宅の壁5か所をDIYで塗り直し、今回はキッチンの壁に挑戦。見事に明るいキッチンに変身したそのプロセスをレポートしてもらいました。

DIYでペイントした自宅の壁
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目次:

キッチンをもっと明るくて楽しい空間にしたい!と行動開始成功のカギを握るのは、ペイントする前のマスキング作業壁紙の上からペイントOK。2度塗りできれいに仕上がる!もし養生を取ったとき壁紙も剥がれても、即席リカバリーできる!完成!壁を塗っただけで、明るくて気持ちのいいキッチンに

キッチンをもっと明るくて楽しい空間にしたい!と行動開始

真っ白でちょっと陰気な印象のキッチンを明るくしたい

わが家のキッチンは間口が狭くて細長いレイアウト。真っ白でちょっと陰気な印象でした。

住み始めて4年。今は家にいる時間も長いことだし、もっと明るくて楽しい空間にしたい!そこで、向かって左手の壁をペイントしてみることにしました。壁の色が変わると全体の雰囲気もガラリと変わるはずです。

成功のカギを握るのは、ペイントする前のマスキング作業

壁を塗る前にまずは養生をする

まずは養生です。ペイントより養生の方が気をつかう作業かもしれません。しっかりと養生できるかどうかで境目の仕上がりが決まるからです。すき間ができないように、マスキングテープを隣接する壁や巾木に貼っていきます。

マスキングテープを隣接する壁や巾木に貼って養生した壁
天井部分をマスキングテープで養生したところ

天井側は脚立に乗って作業します。必ず安定した位置を確保してから進めてください。

電気のスイッチカバーはドライバーで外してマスキング

電気のスイッチカバーはドライバーで外してマスキング。カバーは外さなくてもいいのですがこの方がギリギリのラインまで塗りやすいです。

床との境目には、マスカーというテープにフィルムがついたもので!

床との境目には、マスカーというテープにフィルムがついたものを使用。

フィルムを広げて床に飛び散らないように

フィルムを広げて床面をカバーしておきます。

壁紙の上からペイントOK。2度塗りできれいに仕上がる!

養生が終わったら刷毛とローラーで塗る

全体を養生し終わったら、刷毛とローラーで塗っていきます。塗料を入れるバケットも用意(これらの道具は通販サイトからも購入できます)。

今回使っているベンジャミンムーアの塗料は、壁紙の上からでOK。2回塗って仕上がりとなります。

1回目

塗料をバケットの中に少しずつ流し入れて、まずは壁の内側を縁取るように刷毛で塗っていきます。

塗料をバケットの中に少しずつ流し入れる

わが家のキッチンのようなビニールクロスなら上から直接塗ってもOKです(水性塗料なので撥水加工のある壁紙だと弾いてしまいます)。

塗るときは上下左右、刷毛で縁取っていく
まず周囲を縁取るように塗っていく

上下左右、刷毛で縁取っていきます。少々適当でも大丈夫。後でちゃんと周りと馴染んでいきます。

マスキングテープで囲った操作プレート、スイッチ周辺も塗っていく

マスキングテープで囲った壁に設置してある機器の操作プレート、スイッチなどの周辺も塗っていきます。

刷毛やローラーでは塗りにくい狭いすき間は細い筆で!

刷毛やローラーでは塗りにくい狭いすき間があるときは、細い筆の登場です。アクリル絵の具を塗るような筆が一本あると、細かい所もストレスなく塗れて便利です。

ローラーの塗料は、バケットの網目の上で転がして余分な塗料を落とす

広い壁面はローラーで塗っていきます。バケットの中でローラーに塗料を付けたら、網目の上で転がして余分な塗料を落とすのがポイント。ローラーから塗料がボトボト落ちてくるようだと多すぎます。

大きめにWを描くようにローラーを動かしながら塗る

塗料が壁全体に素早く均一に行きわたるように、ローラーを動かしていきましょう。ムラになってしまったかなと思っても、塗りに「戻る」のは控える。大きめにWを描くようにローラーを動かしながら、進行方向に向かって「進む」ようにします。

ローラーで下半分を塗っているところ

本当はきれいに塗る順番というのがあるのだと思いますが、私はいつも適当に下半分、上半分くらいに分けて塗ってしまいます。

ローラーで下半分が塗り終わった段階

下半分を塗り終わったところ。

1回目の塗装が終わったキッチンの壁

上の方も塗って、1回目のペイント終了。乾いてから2回目に入ります。

2回目の塗装まではラップなどをかぶせ乾かないようにしておく

気温や湿度にもよりますが、1時間も経てば軽く触っても塗料が手に付かない状態になります。待っている間、塗料の付いたツールは乾燥させたくないので、ラップなどを巻いておきましょう。従来のペンキのような刺激臭はまったくないので、キッチンに置きっぱなしでも大丈夫。

ラップをしておけば、2日目の塗装のときも問題なし

2回目

約1時後。2回目のペイント。1回目と同じように塗っていきます。

2度の塗装終了。あとはマスキングテープをはがすだけ

乾いても塗りムラが気になる箇所があれば、そこだけ刷毛やローラーで薄く塗り重ねたりします。これで乾かして終わり、となるはずですが、マスキングテープを外してみるまで結果はわかりません…。

もし養生を取ったとき壁紙も剥がれても、即席リカバリーできる!

養生のマスキングテープと一緒に壁紙がはがれたところ

私がDIYペイントで一番緊張するのは最後の養生を取る瞬間です。少しはみ出していた程度ならまだいいですが、今回は、テープを剥がしたと同時に…壁紙の一部が剥がれてしまいました!石膏ボードが見えてしまっている状態。

実は、以前トイレの壁をペイントしたときも同じように壁紙が剥がれてしまったことがあります。二度もしでかすとは…。もっと慎重にテープを剥がすべきだったのかもしれません。

壁紙が剥がれた場所も再度塗装すればきれいになる

仕方がないので、刷毛に少し多めに塗料を含ませて、剥がれた箇所に載せるように塗ってみました。

壁紙が剥がれた場所も目立たない

近づいてしゃがみこんで見れば分かるけれど…立った状態の目線で見ればこのくらいです。青い丸で囲った辺り。この距離だとあまり目立たないかも?ということで、これ以上は気にしないことにします!

完成!壁を塗っただけで、明るくて気持ちのいいキッチンに

少々の失敗や手直しもありましたが、完成です!

Before

壁を塗装する前のキッチン

After

壁を塗装したあとのキッチン

朝と夜で表情が変わり、いい感じです。

朝の日差しを浴びた壁

こちらは朝の日差しを浴びた壁。

夜の照明に照らされた壁

これは夜、照明の明かりに照らされた壁です。

見る角度や光の調子によってずいぶん違った色に見えますね。ちょっと冒険しすぎた色かな?と思ったりもしましたが、表情豊かで楽しい色の壁ができました!

ベンジャミンムーア社のAura

使ったのは、ベンジャミンムーア社のAura(オーラ)という塗料です。クオート1缶(0.9ℓ、4650円・税抜)、約5㎡分の塗料。今回の壁は6㎡以上ありましたが2度塗り後も少し余るくらいでした。

ベンジャミンムーアはアメリカの有名な塗料メーカーで、ヤンキー・スタジアムやレッドソックスのフェンウェイ・パークなどにも使われているそう。日本のIKEAのショールームの壁も、ベンジャミンムーアで塗られています。

わが家ではこれまでのDIYペイントでもベンジャミンムーアの塗料を使用。

DIYペイントした壁

私の塗り方はかなり適当なのに最後にはキレイに仕上がるのがありがたくて、リピートしています。

お店では実際の塗料を使ってのペイントレッスンを受けることができますが、残念ながら今は感染症対策としてレッスンはお休み中とのこと。

でも、塗料自体にムラになりにくい機能が備わっているので、難しいペイント技術は必要ありません。在宅時間が長くなりがちな今こそ、気軽にDIYにトライしてみてはいかがでしょうか。