最近、団地が人気です。家賃を抑えて快適に暮らしたいと考える人たちには絶好の物件。しかし団地は、家賃が安い反面、その間取りと狭さから、家具のレイアウトが難しいというデメリットもあります。そこで今回は、団地の間取りに多いコンパクトな2DKを広く機能的に使う家具レイアウトを、一級建築士のしかまのりこさんに3Dを使って教えてもらいました。コンパクトなマンションに住んでいる人にも役立つ、なるほどのアドバイスは要チェックです。

団地のコンパクトな2DKで快適に暮らす
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目次:

日本のLDKの始まりは団地の2DK。家賃の安い古い物件では多い間取りDKにダイニングテーブルを置く場合は簡易的に空間を分け、収納を増やすリビングをダイニング兼用にすれば、従来のDKでテレワークができるリビングとDKをつなげて一室空間のLDKにすれば、視界が開け広々!

日本のLDKの始まりは団地の2DK。家賃の安い古い物件では多い間取り

日本の住宅の間取りは、狭い空間を効率的に配置して、無駄がなく機能的にできています。その間取りの、最たるものがLDKです。

このLDK、今でこそ2LDKや3LDKなど、さまざまな間取りがありますが、その始まりは、団地における2DKでした。2DKとは、洋室2つに、D(食事室またはダイニング)とK(台所またはキッチン)が付いたものを表します。

2DKは古い物件に多く、コンパクトなので家賃が安いというメリットがある反面、以下のデメリットがあります。

  • 居住空間が狭い
  • 収納スペースが少ない
  • キッチンとダイニングが分かれていないため、家具のレイアウトが難しい

では、このデメリットを解消する3つの家具レイアウトを解説していきます。

DKにダイニングテーブルを置く場合は簡易的に空間を分け、収納を増やす

団地の一般的な2DKの間取り

こちらはDKが6.5畳、4畳と4.5畳の洋室が、扉を挟んで隣接している2DKの間取りの3Dです。

ここに家具をレイアウトしていきます。レイアウトする家具とサイズは以下の通りですが、読み飛ばしても問題ありません。

  • ソファ…幅156cm、奥行76㎝、高さ75cm
  • TVボード…幅150㎝、奥行41.4cm、高さ48cm
  • TV…液晶50インチ
  • シェルフ…幅82cm、奥行42.5㎝、高さ120.5cm
  • スチール棚…幅60㎝、奥行40cm、高さ150cm
  • ダイニングテーブル…幅120㎝、奥行80cm、高さ64cm
  • ダイニングチェア…幅60㎝、奥行62cm、高さ84cm
  • 収納付きセミダブルベッド…幅125㎝、奥行215cm、高さ70cm
  • 円形ラグ…φ150cm、高さ2.5cm
団地の一般的な2DKの間取りに家具を配置

家具レイアウトで一般的なレイアウトは、図のように、DKにダイニングテーブルを設置することです。
キッチンで料理して、そのまま、同じ空間で食事ができます。

キッチンとダイニングを突っ張り間仕切りとキッチン収納でゆるやかに分ける

キッチンとダイニングを簡易的に分け、収納を増やすために、図のように、突っ張り間仕切りで空間を分け、スチール棚でキッチン収納をつくりました。

これでキッチンとダイニングの動線も、明確に分かれます。

ダイニング側の突っ張り仕切りには鏡やバッグ、アクセサリー類を置く

突っ張り間仕切りには、出がけに身だしなみをチェックする鏡や、バッグを掛けられるようにし、腕時計やアクセサリーなどを置いて置ける棚を付けると便利です。

キッチン側にはスチール棚のキッチン収納を配置。棚の高さが自由に変えられるものを選べば、収納ケースなどをセットし、食器や食品などを効率よく収納することができます。

これでキッチンとダイニング空間が分かれ、動きやすい部屋になります。また収納が増えたことで、片づきやすいDKになります。

リビングをダイニング兼用にすれば、従来のDKでテレワークができる

リビングにダイニングテーブルを置くケース

食事をしながらTVを見たい人に好ましい、リビングにダイニングテーブルをレイアウトするケースです。ここでは、小さいほうの個室を寝室とし、4.5畳の広いほうの個室をリビングとして使います。

リビングにはダイニングテーブルのほか、TV・ソファをレイアウトしました。

従来のDKにはワークテーブルを置き、テレワークができる空間に

そして従来のDKには、空間分けも兼ねて、幅120㎝・奥行き40㎝ほどのワークテーブル(パソコンテーブル)をレイアウトします。

このワークテーブルがあることで、快適なテレワークも実現できます。出社などで急いでいるときなどは、ダイニングテーブルではなく、ここで簡単に軽食を食べることもできます。

リビングとDKをつなげて一室空間のLDKにすれば、視界が開け広々!

リビングとDKをつなげると広々として空間に

部屋を広く見せたい場合は、リビングとDKの扉を開け放して1部屋として使います。

こちらの間取りの場合、DKとつながる4畳の洋室をリビングとして使い、外せるようであれば部屋の扉を外し、クロゼットなどにしまっておきます。

DKとリビングの間の扉を外して1室にすると広く使える

光熱費は少しアップしますが、部屋は図のように、とても広く使えます。

キッチン側からリビングを見たところ
リビングからDKを見たところ

扉を外すことで、4畳のリビングにも、実際の面積以上の広がりが生まれました。

2DKの家具レイアウトで大切なことは、ダイニングとキッチンを分けることです。そうすれば、家具のレイアウトが簡単になり、また収納も増やすことができます。

今回プランに使った、突っ張り間仕切りや、スチール棚などはホームセンターやネットショップなどでも簡単に購入できます。

2DKでの生活を考えている方は、参考にしてみてください。

●教えてくれた人/しかまのりこさん
COLLINO一級建築士事務所主宰。一級建築士、木造・鉄骨造既存建物耐震診断士など、建築に係る重要な資格を多数保有。設計・検査・審査した住戸数は5000軒以上。また、300軒以上のリビング・寝室・子ども部屋の模様替えを行い、模様替えのスペシャリストとしてTVや雑誌でも活躍中

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