家づくりの際、照明スイッチの位置や高さをプランの段階で完璧に決めるのは難しいもの。暮らし始めてみて「ここにつければよかった」と後悔している人も多いかもしれません。日刊住まいライター・永井理恵子さんもそのひとり。照明スイッチについて、後悔したこと、また良かったと感じたポイントがあるそう。これから家づくりをしようとする人に役立つ経験を語ります。
目次:
照明スイッチの位置は20〜30㎝低めで正解だった!玄関の照明スイッチはリビング寄りにしておけばと後悔LDKの照明スイッチはまとめて玄関側にすればよかった…2つある外の照明は別々に操作できて正解照明スイッチの位置は20〜30㎝低めで正解だった!
すべての画像を見る(全8枚)わが家の照明のスイッチは、わりと低い位置についています。床からスイッチのプレートの下端までは84㎝、スイッチの中央が90㎝の高さになるように取り付けられています。
そのことに気付いたのは建築中のこと。その場に居合わせた建築家に理由を尋ねると、帰宅したときに買い物袋のような重たい荷物を持っていても、ちょっと手を上げればスイッチに届く高さにしている、とのことでした。
あるハウスメーカーのウェブサイトには、スイッチの中央までの高さは一般的に110〜120㎝とありました。わが家のスイッチは、それよりも20〜30㎝低い位置です。
実際に暮らしてみるとこのスイッチの高さが絶妙で、片手にPCやカメラが入った重たい仕事かばん、もう片方の手に買い物帰りのずっしり重たいエコバッグを持っていても、ちょっと手を上げればスイッチオン。とてもスムーズです。
とはいえ、照明のスイッチの配置については、もう少し考えればよかったと後悔していることがいくつかあります。
玄関の照明スイッチはリビング寄りにしておけばと後悔
わが家の玄関には3か所、ダウンライトがついています。写真のように、玄関のたたきの上に2つ、玄関正面にある納戸の入り口の手前に1つ。玄関ドアに近いダウンライトは人感センサー付きです。
玄関のたたきと室内との境目にある照明のスイッチは、上から玄関外の照明、人感センサー付きダウンライト、ダウンライト、2か所のオン・オフを操作できます。黒いポッチがないスイッチは、もう1か所のスイッチでも操作できる印。
人感センサー付きでないダウンライトのスイッチは、もう1か所、リビングへと続く引き戸のすぐ脇にもあリます。今になってみると、ここに人感センサー付きダウンライトのスイッチがあれば便利だったとちよっぴり後悔しています。
というのも、私は在宅で仕事をしており、毎日だいたい家にいます。ですので、夕方になるとリビングから一度玄関ホールへ出て、3、4歩先にある人感センサー付きダウンライトのスイッチを入れに行かなければなりません。
たったの3、4歩ではありますが、なんでここにないのかと恨めしく思ってしまいます。外で働いていて、帰宅後にスイッチを入れるというライフスタイルであればぴったりだったのですが…。
LDKの照明スイッチはまとめて玄関側にすればよかった…
ここはリビングの中央より少し奥側にある階段への入り口。左にあるスイッチは、引き戸の向こうにある洗面室と洗面室に取りつけた換気扇のスイッチです。
右にあるのは、上からキッチン、ダイニング、リビングの照明のスイッチです。リビングの照明のスイッチは黒いポッチがなく、リビングの玄関側でもオン・オフできるようになっています。
私はあまり目がよくなくて暗いところではてきめんに見えにくいので、夕方以降眠るまでLDKの照明はすべてつけっぱなし。私の寝室はリビングの入り口側にあるため、最後に眠るときはリビングの中央より少し奥にあるスイッチでキッチンとダイニングの照明を消さなければなりません。
また、夕方以降に家族みんなで出掛けるとき、キッチンの照明を消し忘れていてリビングまで消しに戻る、なんてことはしょっちゅうあります。正直、玄関側のスイッチでまとめてLDKの照明の操作ができればよかったんじゃないか、階段にあるスイッチはいらなかったのではないかと思うことすらあります。
2つある外の照明は別々に操作できて正解
玄関ドアの脇とキッチンから出入りできるガラス扉の脇には船舶用ライトがついています。玄関ドア脇のライトは玄関に設置したスイッチで、キッチン側のライトはキッチン側のスイッチでそれぞれオン・オフできるようになっています。
暮らし始めた当初は、両方一度に操作できたらいいのに、と思っていましたが、ウッドデッキでバーベキューをするときはキッチン側だけ、来客があるときは玄関だけ、といったように必要な場所だけ点灯できてよかったと感じています。
というも、両方のお隣さんの夜が早いので、必要なときに必要な照明だけつけられるほうが都合がいいのです。
照明スイッチは、毎日必ず使うもの。プランが固まり間取りが出来上がってきたら、平日と休日、それぞれの過ごし方や生活動線をしっかりシミュレーションすることが大切。どのように準備してどこからどう出掛けるのか、そのとき照明は誰が消すのか、どう消すのか、よく考えてみるといいと思います。