築33年、83㎡の中古マンションリノベ。なんと「見せ場」は玄関土間!予算オーバーになった際、「全体的に少しずつコストダウンするより、見せ場をひとつ残して家族が集まるところにお金をかけよう」と施主夫妻が考えた結果です。モールテックス仕上げの大きなベンチや洗面台、本棚を設け、玄関にインパクトと癒しをプラスしました。
すべての画像を見る(全13枚)玄関土間を居場所のひとつに
玄関は家の顔。土間の壁や床、ベンチなどはモールテックスで統一し、多少コストがかかっても、イメージした世界観を妥協せずに実現しました。ベンチ背面の壁で土間と玄関ホールをゆるく仕切り、玄関から靴や洗面台が見えないようにひと工夫しています。
ゲストも気軽に使いやすいように、玄関ホールに洗面台を造作しました。洗面ボウルや引き出し側面などもモールテックス仕上げで統一。水栓は壁付けにしたことで、使いやすくお手入れもラクラクです。
玄関土間にプラスアルファの機能を持たせようと、本棚も設けました。夫の希望をかなえたものですが、長女の絵本なども置いて、家族で利用しています。
帰宅後は靴やコートを脱いで、手を洗って、LDKへ入るという動線。ベンチは靴を履くときや、荷物を置きたいときにも便利に使っています。「土間では朝、コーヒーを飲んだり、ベンチに寝転んだりしています。友人が来たとき、ドアを開けてまずびっくりされるのもうれしいです」と夫。
【この住まいのデータ】
▼家族構成
夫37歳、妻36歳、長女2歳
▼リノベを選んだ理由
長女の誕生を機に、学校や公園などが近く、より子育て環境が整った場所で暮らしたいと思ったから
▼住宅の面積やコスト
専有面積83.55㎡ 築33年(昭和62年築)
家族の居場所がたくさんある開放的なLDK
もともとあった和室を統合して生まれた、広々としたリビング。nu(エヌ・ユー)リノベーションのインテリアスタイリングサービス「decoる」を利用して、インテリアを選んでいます。
写真奥に見えるリビングドアの手前は和室だったスペース。現在は長女の遊び場として活用しています。将来的に個室が必要になった場合は、このスペースを再度個室として利用することも考えているそうです。
ダイニングスペースは普段はオープンにしていますが、実は引き戸付き。
将来子ども室として使う可能性があるため、引き戸を設置して独立した空間としても使えるようにしました。現在は、夫のテレワーク用の仕事部屋としても活用しています。
ほどよくこもれる回遊型キッチン
ダイニングはキッチンと通路でつながっていて、その通路に面して収納棚を設置しました。生活感の出やすい炊飯器や電子レンジ、ごみ箱などをリビングから見えない位置に収納できます。
キッチンはグレーの壁と相性のいいステンレス素材に。グローエの水栓は、切り替えでクリンスイの浄水器が利用できるタイプのものを採用しました。
本当はキッチンをリビング向きにしたかったのですが、ダクトの関係で断念。「お金が貯まったら、いつか実現させるかも」と妻は話します。
リノベにあたって夫妻がよく考えたのは、カラーバランス。「壁はライトグレー、床は白っぽいオーク、少し真鍮を使い、植物をたくさん入れる、という4色でまとめたいと思いました」と妻。その空間に、玄関土間という「見せ場」をつくり、コスト調整をしながらも妥協しない住まいを実現した齋藤さん夫妻でした。
間取り(リノベーション前後)
リノベーション前
リノベーション後
設計・施工/nu(エヌ・ユー)リノベーション
リノベ向きの物件探しから資金計画、設計・施工、インテリアコーディネートまでワンストップで提供。100%オーダー型リノベーションのため、丁寧なヒアリングを重視。住む人の価値観・好みを生かしたプランの提案を行い、これまでに約800 件の実績がある
情報は「リライフプラスvol.37」取材時のものです