収納王子コジマジックさんは2019年7月末、東京・目黒区内の閑静なエリアで理想の土地を入手。自らの収納ノウハウを詰め込んだ「収納御殿」の実現を目指し、奮闘してきました。予算は土地+3階建てで約1億円。予定よりも約1か月ほど遅れての竣工となりましたが、2020年5月、ついに新居が完成しました。注目すべきはやはり練りに練った収納。さっそく見せていただきましょう。

新居の前に立つコジマジックファミリー
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目次:

2階LDKのテレビボードには掃除道具やティッシュも収納3.3畳の大容量パントリーは壁面をフル活用1階には仕事に集中できる2.1畳の書斎も「ああ、ラク」と妻がつぶやくほど快適なファミリークロゼットも計画にいちばん時間を費やした洗面台にはドライヤーの定位置も3階の主寝室はリラックス効果の高い演出を

2階LDKのテレビボードには掃除道具やティッシュも収納

キッチンから見たリビングダイニング

3階建ての中身をざっと紹介すると、1階が玄関、水回りとファミリークロゼット(収納)、書斎。2階がメインの生活空間であるLDK、3階が寝室と子ども室とゲストルームいう間取り。

まずは家のハイライトである約26畳の2階LDKから。南北に長い敷地の奥行きを生かした長方形のスペースに、キッチン、ダイニング、リビングを配置。奥のリビングは3階まで吹き抜けていて、ますます開放感がアップ。

吹き抜けのあるリビング

吹き抜けにトップライトとスリット窓を設置し、法規上必要な採光を確保。シーリングファンは空気を循環させ、また空間のアクセントとしても活躍しています。

ダイニングでくつろぐコジマジックファミリー

家族が自然と集まりそうなダイニング。内装は木の質感を生かしつつ、黒のアイアン素材が空間をシャープに引き締めています。ダイニングテーブルの傍らには、DAIKENのMiSELを使った奥行き浅めの学習デスクがあります。「学習デスクはキッチンからよく見えるのですが、案外私が見ていないほうが勉強に集中するみたい」と奥さまは笑います。

DAIKENのシステム収納MiSELを使ったテレビボード

3階に上がる階段はスケルトン状(通称イナズマ階段)で、東西間の広がりを演出。そして階段室の壁を隔てて設置されているのがDAIKENのシステム収納MiSELを使ったテレビボードです。パッと見、壁のようで圧迫感がありません。

テレビボードに掃除アイテムを整然と収納

中でも注目したいのは、縦に長い掃除機収納。スティック型クリーナーをはじめ、数々の掃除アイテムが整然と収納されています。

「子どもがいるとリビングって汚れがち。リビングの一角を定位置にすれば、普段あまり掃除しないご主人も、サッと掃除機をかけられると思いますよ」(コジマジックさん)。

さらに一番下の空きスペースはロボット掃除機の基地になっているなど、よく考えられています。

テレビボードにティッシュの収納スペースを設置

テレビボードにはティッシュの収納スペースも。ティッシュを横から引き出せるようになっています。

3.3畳の大容量パントリーは壁面をフル活用

キッチン対面側の収納を全開

コジマジック邸では、設計当初、南側リビングの外にバルコニーを設ける案も出たそうですが、最終的にはなしに。「戸外でのくつろぎもいいけれど、外空間よりは内部を広く充実させたいと考え、その面積を北側のパントリーに充てました」。

キッチンはウッドワンの無垢の木のキッチン「スイージー」で、サイズ、収納、機器などをカスタマイズ。ダイニング側はすべて奥行き浅めの収納になっています。

3.3畳の大容量パントリー

キッチンの両サイドからアクセスできるのが、3.3畳の大容量パントリー。DAIKENのカンタナを使い、高さ2m、全幅3.5mの収納棚を設け、壁面をフル活用しています。棚に入れた白い収納ボックスはライクイットの「ジャストイットコンテナー」という製品。バックヤードであっても美的で、出し入れしやすそう。

ウォーターサーバーの大きなストックなどもパントリーにすっぽり収納

パントリーの通路は幅750㎜を確保。ウォーターサーバーの大きなストックなどもすっぽり収められています!

パントリーの棚に収めた取扱説明書

パントリーの棚には、家じゅうの家電製品や機器の取扱説明書を集めたコーナーも。フロアごと、さらに機器別にファイリングしてサッと引き出せます。

1階には仕事に集中できる2.1畳の書斎も

廊下と階段

次は1階です。北側の玄関を入って廊下沿いに、シューズインクローク、書斎、ファミリークローゼット、一番奥に洗面・脱衣室とバスルーム。洗面室からは物干し用のバルコニーに出られる設計です。

大容量のシューズインクローク

シューズインクロークにはDAIKENのカンタナを使い幅740㎜×1台、909㎜×2台、対面に919㎜×2台の棚を設置し、家族全員の靴を収納。上着のハンギングコーナーやお子さんの外遊び道具収納も用意され、お出かけ基地として万全の構え。

シューズインクロークの隣にある書斎

シューズインクロークの隣は書斎。わずか2.1畳のスペースですが、Wi-Fiの電波も届きやすくし、ネット作業に集中しやすい環境。「ここから大勢の参加者に向けて収納に関するオンラインセミナーを開く計画も」とコジマジックさん。

「ああ、ラク」と妻がつぶやくほど快適なファミリークロゼットも

ファミリークロゼットでアイロンをかける妻

コジマジックさんが話すように、ファミリークロゼットの南隣は水回りで、脱衣室兼洗濯コーナーとバスルーム、洗面台と物干し用のバルコニーがひとつながり。だから洗濯物を出す・洗う・干す・隣のファミリークロゼットに片づける、がとてもスムーズ!奥さまがアイロンがけに使っているのは特注の作業台。

「天板の高さは、時々利用するコインランドリーの作業台と同じ。あそこのが使いやすいと話したら、主人が何度も足を運んで寸法を計ったりしてくれたんですよ」と奥さま。

「ぼくが隣の書斎にいる時、室内窓から妻の『ああ、ラク』なんてひとりごとが聞こえてきて。洗濯から片づけまでの動線にはこだわったので、良かったなあと嬉しく思いました」(コジマジックさん)。

脱衣室とバスルーム

写真右手は脱衣室に設置した収納。その中でもタオル収納がとくに秀逸!

造作のタオル収納からタオルをスムーズに引き出せる

「タオルを積み重ねるとたいてい一番上だけ使い、下のほうを引き出すとぐちゃぐちゃになるので、いろいろと検討し、下から引き出す仕様に。これで効率よく使えます」(コジマジックさん)。まだ背の低いお子さんも使いやすそうです。

計画にいちばん時間を費やした洗面台にはドライヤーの定位置も

洗面台の収納を全開したところ

ダブルシンクで家族がゆったりと使える洗面台は、ミラーの裏側、アンダーシンクともに収納が充実しまくりです。「主人はいちばん時間をかけて計画していましたね」と奥さま。

アンダーシンクの中央にゴミ箱の定位置がある

アンダーシンクの中央には、ゴミ箱の定位置が。天板のステンレス製の枠からゴミを落とすと、引き出し内に固定されたゴミ箱に入る仕組みです。

ドライヤー収納

ミラー収納にはドライヤーの定位置が。「サッと使えるよう、通電させたままドライヤーを上手くしまえる方法はないかと考え、ドライヤーの寸法にピッタリ合わせた4本のピンに引っ掛ける方法を考えました」(コジマジックさん)。家具製作の職人さんはこれをつくるのにかなり苦労したのだとか…。

ミラー収納の一部の扉は、開くと化粧品などの一時置き場に

ミラー収納の一部は扉が下向きに開く仕様で、開くと化粧品などの一時置きに活躍。使用後は扉を上げればスッキリ。「今のところ妻は、子どもに目が届くようお化粧はダイニングでするんですけどね(笑)」(同)。

3階の主寝室はリラックス効果の高い演出を

ベッドが並ぶ主寝室

3階は主寝室と子ども室、さらにゲストルームで構成されています。南側の主寝室は、現在は夫妻と娘さんの3人で使用中。間接照明や陰影を描く壁面などリラックス効果の高い演出が特徴的です。

ベッドのヘッドボードを壁と一体化させ、スマホ充電用の差込口を設けたあたりが、スッキリ&快適性を追求するコジマジックさんならでは。3階の中央にはゲストルームも配置しました。

3階北側にある子ども室

3階北側にある子ども室は、現在は広いワンルームですが、兄と妹なので、いずれ2つの部屋に間仕切る予定。小学生になった息子さんはすでにこちらで就寝。「将来的には机を置きますが、それまでは2階のLDKで宿題をし、家族と一緒に過ごしてほしいですね」と奥さま。

3階のトイレと洗面

3階のトイレです。「トイレは1階と3階に。3階は、夜間でも使いやすいようゲストルームに近い場所に設け、洗面やお化粧用のスペースも確保しました」(コジマジックさん)。

紹介してもしきれない、収納アイデアが光る新居。「引っ越しも済んでようやく新居での暮らしが始まり、ホッとするとともにこれからの暮らしにワクワクしています。紹介したい収納や工夫はまだまだありますので、お楽しみに!」と結んでくれました。