笑顔はじける人気芸人バービーさんは、生まれ故郷である北海道・栗山町に古民家を買って、町おこしに取り組み中。札幌市から車で約1時間、メロンで有名な夕張市のお隣に位置する栗山町での幼少期、栗山町に買った家のこと、そしてそこでどんな活動をしているのか、お話をお伺いしてきました。
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3人の兄弟と過ごした、極寒の幼少期町おこしの拠点に、幼馴染の家を150万円で購入思いがけずボロボロだった2軒目の家は50万円バービーさんが思い描く、ワクワクする栗山町栗山町の町おこしは、まだはじまったばかり3人の兄弟と過ごした、極寒の幼少期
知っての通り、北海道は極寒地帯。今でこそ床暖房や高性能の暖房器具が一般的になりましたが、バービーさんが子どもの頃は薪ストーブで暖を取っていたのだそう。「冬は氷点下10度を下回る日もあって、朝起きるとまつ毛が凍っているくらい寒かったです。そんな寒さのなか、外に出て薪を準備して火をおこすのが母の一日のはじまり。夜の間に1m近く雪が積もるので雪かきも日常的だったし、子どもながらに大変だなと感じていました」とバービーさん。
年季の入った木造戸建てはすきま風もすごくて、雪が室内に吹き込みそうなくらいだったといいます。「当時はそれが普通でしたが、改めて振り返ると過酷な環境で育ったと思うし、だからこそ辛抱強くなった気もします(笑)」。
しっかり者のアネゴ肌という印象のバービーさんですが、実は4人兄弟の末っ子。幼少期は姉2人と約10畳の子ども部屋で過ごしていました。そのころのお話をお伺いすると、「年が離れていたので、普通の小学生は手にしないであろう脱毛器という存在も身近でした。姉たちから拝借して、ときには取り合っていましたね」と、姉のいる末っ子らしいエピソードも。
町おこしの拠点に、幼馴染の家を150万円で購入
そんなバービーさんは大学進学を期に栗山町を離れ、上京。その後はずっと東京で暮らしていますが、今は多忙ななか、町おこし活動のために月に数回地元に帰省しています。「栗山町の人たちは、地元の宝に気付いていないと思うんです。のどかな田園風景とか、趣ある古民家とか、きれいな夕陽とか、どれも日常にありすぎるから」という想いは、バービーさんが地元を離れたからこそ感じたのでしょう。そして、町おこしの活動をスタート。
町おこしをするなら、まずは拠点となる場所を持ちたいと思ったバービーさんは、幼馴染の家を思い出します。陶芸家の父がいて、当時から生ハーブでハーブティーを楽しんでいたような洒落たご家族が暮らす、素敵な佇まいの家。「そこを拠点にできたら」と、思い切ってその幼馴染に電話をしてみたところ、ちょうど「売れなくて困っている」という運命的なタイミングでした。
そしてバービーさんは約2700平米の土地に建つ古民家を、150万円で購入。近くに住む両親や姉とともに、家に残された荷物の処分や掃除をするところから、古民家リノベーションをはじめました。
「リノベーションの進行はスムーズとは言えなくて……。でも、最近やっと水道が通ったところで、今はキッチンとお風呂を発注中です。自分でパースを描いたり、Pinterestでイメージに近い写真を探して、それに細かくイメージを書き込んで工務店に指示出しをしたりもしています」と、ゆっくりと着実に、家はカタチを変えているようでした。
思いがけずボロボロだった2軒目の家は50万円
その後、バービーさんは2軒目の家を50万円で購入。あまり見ないで購入したという家は、「リノベーションするよりも建て直した方が安い」と言われたほどボロボロな状態だったといいます。この家は色々な人が出入りする場所として活用したかったので、安全面なども考慮して解体を決心。
解体後は新たに家を建てるのではなく、コンテナハウスを置きたいそうで、現在はコンテナハウス探しを進めています。
バービーさんが思い描く、ワクワクする栗山町
_minoru / PIXTA(ピクスタ)
今は高齢化で人口も少なく、商店街には寂しい空気が漂うという栗山町ですが、バービーさんは「栗山町での楽しい妄想」をどんどん膨らませています。「栗山町にはこれといったお土産や名産がないのですが、農作物は豊富。2軒目に購入した家は、地元の食材を使った加工品などをみんなで作り出していけるテストキッチンみたいな、カフェバーみたいな場所にしたい」と話します。
栗山町は、町から町への通過点のような場所でもあるそうで、「立ち寄った人に投票を募って巻き込みながら、みんなで選挙みたいに名物を決めても面白そう!」とバービーさん。
ほかにも、1軒目の家ではグランピングやシェフを呼んでの野外レストラン「DINING OUT」のような、栗山町の自然を生かしたワクワクするイベントをもくろみ中。「楽しい場所やイベントを設けることで、色々な人が立ち寄る栗山町になってほしい。」
また、空き家がたくさんあるのに、古すぎて不動産屋も相手にしてくれないという現状もあり、なかなか空き家情報がオープンにされていないと感じているそう。「私だけでなく、誰でもこれくらいの値段で買えるようになればいいのに」という想いも、今後カタチになっていくのかもしれません。
栗山町の町おこしは、まだはじまったばかり
バービーさんは、「私のようなコスモポリタンみたいな人たちに立ち寄ってほしい」といいます。コスモポリタンとは、国籍や民族などにとらわれず、世界的視野と行動力をもつ人、のこと。仕事で海外に行くことも多く、アジア圏の文化や芸術が好きなバービーさんの町おこし。栗山町に元々ある豊かな自然やのどかな環境、美味しい食材などの宝物と、バービーさんの栗山町を愛するパワーがあいまって、これからどんな栗山町の姿が見られるのか、とても楽しみです。