2019年7月末、東京・目黒区内の閑静なエリアで理想の土地を入手した収納王子コジマジックさん。予算は土地+3階建てで約1億円。念願の3階建てマイホームの間取りやデザインがようやく決まり、水回りや窓などの設備機器も着々とセレクトし、内装材やインテリアを選ぶ段階になった収納王子コジマジックさん。この日は家族揃って内装材の総合メーカー・サンゲツの品川ショールームにGO!今回は2度目の訪問で、製品はある程度絞られているそうです。
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子ども室のアクセントクロスはほぼ即決ベースとなるクロスを選ぶ収納空間は、汚れ防止と消臭のW効果で!男の空間・書斎はカッコよさに機能性もプラスファミリークロゼットは湿気対策がカギ!コンパクトな洗面室の壁は質感を生かすトイレ空間はアクセントで遊ぶ!次はキッチン&パントリー。床材選びに苦戦!?3階主寝室は機能よりも雰囲気重視で!最後に子ども室のカーテンをセレクト子ども室のアクセントクロスはほぼ即決
打ち合わせ用の机の上には、クロスのサンプルがずらりと並べられています。大半は前回の打ち合わせで検討したもの。こうして並べるとカラーコーディネートを確認しやすく、空間ごとの雰囲気もつかみやすいですね。
決めるべき個所が多いため、お子さんが飽きる前に!と、3階子ども室の広い壁面に貼るアクセントクロスから決めることに。カタログを見て「どれがいいかな」とお子さんたち。
写真左はサンゲツのコーディネーター・吉川さん
息子さんは明るいブルーをセレクト。「この色!」と指差し、しっかり確認してもらいました。
娘さんはピンクです。こちらもサクッと決まりました。「ブレがないね」と感心するコジマジックさん。
どちらの色も彩度抑えめで上品。大人になるまで飽きが来ない印象で、家具も合わせやすそう。
ベースとなるクロスを選ぶ
次は、家のベースとなる壁と天井のクロスを選択。玄関・廊下と3階までの階段回り、2階LDK、さらに3階子ども室、と広い面積に用います。
「一般的にベースとなるものを最初に選ぶんですね?」とコジマジックさん。
「そうですね。まずベースの色合いと地の柄を選んでいただきます。地の柄は石目調と織物調があり、どちらを選ぶかというのも全体に影響を与えるので大事です」(吉川さん)。
「なるほど。うちの場合小さい子どもがいるので、丈夫でお手入れがラクな機能性を重視したいです。今住んでいる家でもねちゃねちゃの手でベタベタ触るから、壁がすごく汚れてるんですよ(笑)」(コジマジックさん)。
「汚れに強いタイプ、消臭タイプなど機能性商品は様々あるのですが、今回、キズに強く汚れが落としやすいウレタンコートをご提案します」(吉川さん)。
カタログを広げ、ウレタンコートのページをチェック。
「広い面に貼るから、施工性も考えた方がいいですよね」(コジマジックさん)。
「そうなんです。選んで終わりでなく、貼って仕上げてやっと完成ですので、機能性に加え、できるだけ継ぎ目が目立たなかったりキレイに仕上がる製品が望ましく、ウレタンコートでしたらバランスが取れていると思います」(吉川さん)。
オススメは、アイボリーがかった白色。「真っ白だとちょっと疲れる感じですよね」と奥さま。
「たしかに少しまぶしいというお声も聞きます。真っ白よりも色をワントーン落としたものですと落ち着いた感じになると思います」(吉川さん)。
「汚れも目立ちにくくなっていいですね。これで決まり!」と納得するご夫妻。壁に加え、天井も同じクロスで統一し、めでたくベースとなるクロスが決まりました。
収納空間は、汚れ防止と消臭のW効果で!
次は、1階の各部屋の検討に移ります。SIC(シューズインクロゼット)は、家族の靴やジャンパー・コート類、スポーツ用品や電動自転車のバッテリーなどを収納する予定。
「子どもたちの足がとにかく臭いんです(笑)。だから消臭効果のあるクロスがいいですね」と、キレイ好きなコジマジックさん。
「SICには消臭タイプのルームエアーという商品が人気です。タバコのニオイや気になる生活臭、ペットのニオイにも効果があります」(吉川さん)。
「おじさんのニオイにもいいんじゃない?(笑)」と、容赦なしの奥さま。
吉川さんの提案は、天井に消臭効果のあるクロス(ルームエアー)、壁に汚れに強いクロス(フィルム汚れ防止壁紙)という、Wの効果の組み合わせ。
「フィルム汚れ防止壁紙は、表面に薄いエバールフィルムという抗菌フィルムをラミネートしたクロス。触るとツルツルとした素材感で、汚れを拭き落とししやすいのが特徴です」(吉川さん)。
「なるほどー。SICのシューズラックは、背板がなく棚板だけの構造なので、なるべく汚れに強い壁クロスがいいなと思っていたのでバッチリです」(コジマジックさん)。
コジマジックさんは、当初、天井あるいは壁に濃い色を配してSIC空間にアクセントをつけようか…とも考えていたようですが、しばし悩んだ結果、壁はグレー、天井は白系を選んでナチュラルにまとめました。
「うーん。濃い色を使うのは、なかなか勇気が要りますね」(同)。
男の空間・書斎はカッコよさに機能性もプラス
玄関近くにあるコジマジックさんの書斎の壁は、石・塗り調のクロス。色は濃いめのグレーとすでに決まっていました。石・塗り調のマットな質感はコンクリートを思わせ、男前な雰囲気を盛り上げます。
「書斎にはウッドワンさんの黒のフレームの吊り棚を設置するので、モノトーン同士でよくマッチしそう」とコジマジックさん。天井はSICと同じ、消臭効果のあるルームエアーを採用。
「狭い空間にずっといると、どうしても加齢臭がこもるかなーと(笑)」と、自虐気味?
ファミリークロゼットは湿気対策がカギ!
新居の特徴のひとつは、空間の比率から見て、収納空間の優先順位が高い点。さすが収納王子の自邸です!
1階センターに、どーんと設置したのはファミリークロゼット。ここはその名のとおり、家族みんなの衣類を収納し、着替えも外出の準備も行える空間。
「1階中央に位置するので、日が当たらないため湿気が心配なんです」とコジマジックさん。
「最適なのは、吸放湿壁紙と言いまして、室内の湿気を快適にコントロールするクロス。塩化ビニル樹脂に吸水性ポリマーを配合してあり、湿度の変化に応じて吸湿・放湿し、結露やカビの発生を抑えます」と吉川さんが解説。
吸水性ポリマーといえば、赤ちゃんの紙オムツなどに採用されていることで知られる物質。
「これを塩化ビニル樹脂に練り込んであり、湿気を含むと膨らみ、また乾燥すると元に戻る仕組みになっています」(同)。
さらにキズに強くお手入れもしやすいとのことで、吸放湿壁紙(オフホワイト)を採用決定!なお天井材は、調湿性に優れたロックウール基材の天井材(DAIKEN製)を張る計画です。
コンパクトな洗面室の壁は質感を生かす
洗面室は、前回の打ち合わせの際、コジマジックさんが時間切れで参加できなかった部分。この日改めて、洗面台側の壁に貼るクロスを検討します。
提案されたのは、スッキリしたタイプと横目の柄が入ったものと、表情の異なる2種類。どちらもSICと同じ、フィルム汚れ防止壁紙です。
「洗面室は皆さんそうなのですけど、壁の面積が非常に小さいので、このくらい(右のタイプ)柄が入っていてもまったく気にならないのではと思います」と吉川さん。
「汚れと湿気、どちらを気にしたほうがいいのかな」、「暗めの色にしたらどうなんだろう」と、コジマジックさん。
「対策としては汚れと湿気に二分されます。洗面室は意外とタオル掛けの壁面など汚れやすいですね。あと、汚れ対策のほうが柄が豊富です」(吉川さん)。
「洗面は明るい色がいいなあ。狭いところだからポイント的に凹凸があって表情のあるクロスがいいかも」と奥さま。
「洗面室は洗濯機もあって妻が長く使う空間なので、妻の意見を尊重して右のクロスで決まり!」(コジマジックさん)。なお湿気対策としては、天井に白い吸放湿壁紙を採用することで対応。
「壁と天井のWで機能性を採り入れています」(吉川さん)。
「バッチリですね。了解です!」(コジマジックさん)。
洗面室の床はフロアタイルを採用。フロアタイルは塩化ビニル製のタイル状の床材で、硬質のためキズに強くフローリングと違って水拭きしても傷まない、しかも柄が豊富で質感がリアルなのが特徴です。新居ではフローリング以外の床に採用する計画で、洗面室には石材調の明るいグレーを選択。
「コンパクトな空間ですので、割合明るめの色のほうが空間が広く見えてオススメです」(吉川さん)。
「なるほど!」と、夫妻ともに納得のチョイスです。
トイレ空間はアクセントで遊ぶ!
1階トイレの壁は、前回の打ち合わせでもいろいろと悩んだのだとか。
「一応わが家は男子も”座ってする”のがルールなんですが、子どもの友人が遊びに来て、立ってこぼしちゃったりすることもあると思うから、サイドの壁はフィルム汚れ防止抗菌クロスに。で、座った位置からの正面にアクセントクロスを貼れたらなと」とコジマジックさん。
奥さまが選んだのは、ツイードを思わせるヘリンボーン柄の織物調クロス。その大判サンプルを引き出してもらいました。素材は細かいラメ入りで、キラキラ光ってオシャレ!
トイレは冒険するのにピッタリな、おこもり小空間。意表をついた柄と質感で、まさにアクセントになりそうな予感がします。
「ベルギー製なんだね。僕はベルギー好きだから賛成」(同)。
「行ったことないでしょ!(笑)」(奥さま)。
床は大理石をイメージさせるグレーのフロアタイルに。天井は、SICや書斎と同じ消臭タイプのルームエアーです。
次はキッチン&パントリー。床材選びに苦戦!?
1階の各部屋が決まり、次は2階LDKの床・壁材選びに突入!
「2階はベースとなるクロスがすでに決まっていて、シースルー階段や黒いアイアンの手すりなどがポイントになっているからアクセントクロスも不要かなと。その代わりパントリーで遊びたいですね。あとキッチンとパントリーの床材も決めなくちゃ」とコジマジックさん。
パントリーは、アイランドキッチンの背後に設けた3.3畳のゆったり空間。背板のない収納棚を4台設置する広い壁に、アクセントクロスを貼る計画です。
「食材・道具の出し入れが多いパントリーには、汚れやキズに強いスーパー耐久性クロスをご提案。これはフィルム汚れ防止壁紙よりもさらに引っかきキズに強く、お手入れが簡単。抗菌性にも優れたクロスです」(吉川さん)。
夫妻が選んだのは、汚れが目立ちにくいグレー系のカラー。木目の強いキッチンキャビネットやフローリングとも相性良好です。
コジマジックさんが悩んだのはキッチンとパントリーに貼る床材。
「今の家、キッチンの床はフローリングなのですが、もうボロボロなんです。木の床をに水拭きし続けたのが良くなかったのかも…。今度は、お手入れしやすくて耐久性も高いフロアタイルにぜひ変えたい」。
左/コジマジックさんがバッグから取り出したのは、LDで採用したフローリングのサンプル。これをフロアタイルのサンプルに組み合わせて、コーディネートの具合を確認! 右/好みのフロアタイルを敷き詰めたコーナーもありました。「あー、いいですねえ」
2種類のどちらにするか悩むコジマジックさん。ご本人が気に入っているのは、手前のエイジングしたようなヴィンテージ風のタイプで、近くで見ると多くの色が混じっています。対して奥さまは、奥のオーソドックスな単色使いがお好みのよう。
「僕はこういうヴィンテージ風がカッコいいと思っているんですが、妻は食の空間なのに清潔感がどうかなと思っているようです」。
「ヴィンテージ風は、色のムラ感がちょっとクセがあるかなあ」(奥さま)。
「妻の言っていることは分かります。ヴィンテージっぽいほうは、敷き詰めると見た目がちょっとうるさいのかなーと。妻のテンションが上がるほうが重要なので、単色のほうでお願いします!」(コジマジックさん)。
単色のほうが1枚あたりのサイズが大きい分、継ぎ目が減り、汚れも入り込みにくいそう。
3階主寝室は機能よりも雰囲気重視で!
打ち合わせは順調に進み、次は3階の主寝室のクロス。夫妻は、ショールーム内の寝室を再現した空間を訪れました。壁に貼られているのは、高級感があり調湿効果も期待できる珪藻土クロス。しっとりとした質感が特徴です。
ただ、珪藻土クロスは少々キズに弱く、水拭きできないのがネック。そこで、同じくらい雰囲気のある素材を検討し、リネンの質感をリアルに再現した織物調の茶系クロスを採用。
聞けば、ベッドヘッド側の壁に、照明によって陰影を描くアクセントウォール(パネル)の設置を計画とのこと。マットな織物調のクロスが、絶妙にマッチしそうです。
天井は、このショールームと同じように折り上げ天井にする計画。折り上げ部と天井に濃淡の色のクロスを配して、高級感と広さが演出できそうですね。
最後に子ども室のカーテンをセレクト
めでたくクロスや床材が決まったところで、最後に子ども室のカーテン選び。カーテンの展示コーナーも広くて選びがいがありそう!
お部屋のクロスに合うカーテンをちゃんと見つけました。「バッチリのものがあって良かった!」と奥さま。
ブルーとピンク、お揃いでゲット。遮光性の高いこのカーテンに加え、外側には光を反射して室内が見えにくいミラー調レースのカーテンを掛けるそうです。まぶしさ対策も外からの視線対策も、これでOK!
後日、主寝室にある3か所の縦すべり出し窓に取り付けるロールスクリーンや、保留になっていた3階のゲストルームやトイレなどのクロスも決定。空間を彩る色や質感、コーディネートが見えてきて、家の完成が待ち遠しいご夫妻です。
■サンゲツ品川ショールーム
東京都港区港南2-16-4 品川グランドセントラルタワー4F tel:0570・055・134
営業時間10:00~17:00 休館日:毎週水曜日(祝日の場合開館)、年末年始・夏期休暇、全館休館日(11月第3日曜)
収納王子コジマジック
【一般社団法人日本収納検定協会 代表理事 小島弘章】 片づけ・収納・住まいに関する確かな知識と実績を持つプロフェッショナルでありながら、松竹芸能で25 年の芸歴を積んだ、主婦層に圧倒的な支持を受ける男性ライフスタイル系タレントのパイオニア的存在。収納に“ 笑い”を取り入れたセミナーが話題となり、年間講演依頼数は200本以上、著書・監修本は累計40万部を超える。“収育”を理念として掲げた日本収納検定協会を設立し、お片づけを楽しむ検定「収納検定」をスタートさせる。そのほか収納グッズ開発やマンションの収納監修など、日本や中国を中心に幅広く活躍中。
山田耕司=撮影 田中敦子=取材・文