ときめくかどうかという感情の動きを基準に、「ときめくものを残して、あとは思いきって捨ててみる」というメソッドを提唱し、片づけ界に革命を起こした、こんまりさんこと近藤麻理恵さん。著書は世界中で800万部以上のセールスを記録し、今や「片づける」は、英語で「kondo」という動詞になったほど。現在はアメリカで2人の子どもを育てながら、忙しい日々を過ごしています。
そんな近藤さん自身は、どんなものに「ときめく」のでしょうか? 近藤さんがキュンとときめくもののなかには、小学生からずっと大切にしている裁縫箱や、高校生のとき買ってもらった今も愛用するワンピースなども。「ときめくもの」の見つけ方の秘密を教えてもらいましたので、ぜひ参考にしてみてください。
ときめきは、年齢やライフスタイルにより変わっていくもの
私にとって長いことときめき続けているものは、本当に宝物。なかでも、高校生のときの誕生日祝いに父が買ってくれた白いワンピースは特別です。さすがに頻度は減りましたが、今でもたまに着ているほど。クローゼットにかかっているのを見るだけで心が温かくなり、長く持ちすぎかなとも思うけれど、やっぱり捨てられません。ほかにも、小学生から使っている裁縫箱や、片づけにも使えそうなあき箱など、今もときめくものは、何年たっていようが自信をもって持ち続けています。
●白のニットワンピース
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高校生のとき、デパートで父に誕生日祝いとして買ってもらったニットのワンピース。たまに着ては手洗いして大切にしています。あと何年着られるかな。
●木製の裁縫箱
小学校3年生のときのクリスマスプレゼント。フタが壊れたのを修理して使っています。花のモチーフがついていて、色味と木の手触りも好きなんです。
●あき箱コレクション
小物入れなど収納に使えるあき箱は、捨てずにコレクション。引き出し1段分占領していますが、好きなものだけなので場所をとっても問題なし。
新たに手に入れるものに関しては、「ここにこういうものがあると、ときめきそう」というのを、日頃から、色や形など具体的に書き出しておきます。該当するものを見つけたら、即決。たまたまお店で見かけてキュン!となったものの場合は、一度冷静になって、家のどこに収めどう使うのか、しっかりイメージできるものに限り、迎え入れるようにしています。
私は、もともとアンティークの雑貨など古いものが好きなのですが、アメリカはセカンドハンド(中古品)を取り扱うお店があちこちにあり、しかも安いんです。数百円でもすてきなものが買えるので、こまめにのぞきます。最近は、ずっと探していたインチ表示のメジャーをのみの市で、見た瞬間にときめいた布ばりの箱をセカンドハンドショップで見つけ、わが家に仲間入りさせました。
●アンティークのメジャー
部屋や家具のサイズを測るのに使う金属製のメジャーは無骨なものが多いですが、これはおしゃれ。インチ表示に慣れるよう練習中です。
●布ばりの箱
セカンドハンドショップで購入した布ばりの箱は、シックな柄と大きなリボンにひと目ぼれ。領収書入れとして使っています。
ときめき方やときめくものは、永遠に同じではなく、年齢やライフスタイルによって変化します。大事なのは「今」どう感じるか。私も、今はときめいているものたちを手放す日がくるかもしれません。でも、それは十分そのものを味わいつくしたということ。その繰り返しで、ときめき力はさらに磨かれていくのだと思います。