収納王子として人気を博し、「収育」を理念とした講演やセミナーが大人気のコジマジックさん。念願のマイホームを建てるにあたり、目指すは、収納のアイデアが光り、容量も使い勝手もバッチリな「収納御殿」!この日は多彩な収納設備を取り揃え、コジマジックさんとのコラボ企画も多いDAIKEN(大建工業)のショールームを一家で訪問しました。
すべての画像を見る(全15枚)子どもたちが楽しみながら片づけできる家に
ショールームで向かったのは「収育スタイリング」のコーナー。ここには、コジマジックさんの提案を生かした数々の収納プランが展示されています。
その中で、システム収納ミセルの「リビング学習プラン」はその名のとおり、リビングに学習デスクを組み込んだ一式。これを2階LDKのリビング壁面に、兄妹2人分設置する計画です。
「子ども室は3階にありますが、なるべくこもらないでほしいと思い、あえて最小限の広さに。なるべく家族一緒に過ごせるよう、リビングに学習スペースを設けることは最初から決めていました」と夫妻は話します。
「リビング学習プラン」には、コジマジックさんならではのアイデアや工夫が満載!例えば、ランドセルはスライド式の収納で、サッと取り出せる仕様になっています。
「手前に引き出せるスライド式カウンターがヒント。子どもにとっては、ポンと”置く収納”が一番簡単なんですよ」。ランドセルをカウンターに置いてポンと押せば、丸ごとしまえて空間がスッキリする点も魅力です。
ランドセル収納の上はA4サイズが入る棚で、教科書やノートはココに。棚の上に貼ってある時間割を見て「教科書などを下のランドセルに入れるだけなので、一歩も動かずに明日の準備ができます」。
ゼロ動線で必要なモノを入れられ、忘れ物もなし!もうすぐ小学生になるコジマジックさんの長男も、慣れたらスイスイ楽しく準備できそうです。棚は高さの調整もOK。
デスクの前の壁はホワイトボード仕様になっています。「例えばママが、明日〇〇忘れないでね! とメッセージボード代わりに使える工夫です」とコジマジックさん。
さらにボードはマグネットがつけられるので、よく使うものを貼り付けられて便利!スペースの有効活用にもなり、デスクの掃除も簡単です。
ホワイトボードに自身のサインを試し書き中!
デスクの上には吊戸棚を設置。「扉のないオープン棚は子どもがつくった作品や写真などを飾り、扉のある上部は大人の資料や思い出のモノを収納します」とコジマジックさん。
デスクの幅や奥行き、棚のサイズなどはカスタマイズOK。「新居ではデスクの幅を空間に合わせ、標準よりもやや短めにオーダーしています」(コジマジックさん)。デスクの高さは710㎜。
「子どもは足が床に着いていないとフワフワ気が散るので、イスで調整するようにしました。いずれ子どもが自分の部屋で勉強するようになったら、今度は大人が仕事や趣味などに活用できます」(同)。
ワザありファミリークローゼット
クローゼット収納でも「収育スタイリング」の提案をいろいろ見ることができました。そのひとつ「リラクロ」は、ハンガーパイプや棚板、スタッド(柱)でつくるフレームと、引き出しで構成する内部ユニット。
新居では、家族全員の衣類を収める1階のファミリークローゼットにフル活用。壁面に沿ってコの字型に配し、天井近くまで使って大容量の収納を確保します。
「ハンガーパイプの位置は、子ども用に低くしたり、上下につけることも可能。引き出しは段数を変えたり、奥行きを2種類から選択できるなど、オーダー感覚で調整できます」と説明するコジマジックさん(写真左)。
引き出しは、ここでは置き型ですが、床から浮かせるフロートタイプも。「浮かせることで、下にスーツケースを寝かせて置けるなど、また違ったスペースの使い方ができます」(写真右)。床の掃除もスムーズにできそうですね。
ユニークなブランコ式の収納も。「デッドスペースになりやすい下の部分もうまく活用でき、ブランコのようにバーに吊ってあるので、手前にサッと引き寄せて衣類を出し入れできるんです。その横には丈の長いワンピースなども掛けられます」と、コジマジックさん。
棚板下の未利用空間を有効活用した、ワザあり収納も。礼装セットなどを入れておくと、いちいち探さずにすみ便利ですね。
ちなみに、ファミリークロゼット空間の中央には、キャスター付きの作業台を置く計画。「洗濯物をたたんだり、アイロンがけ用の台があると便利だと思い、リクエストしました」と奥さま。作業台の下には、アイロンやアイロン台の収納を設ける予定だそうです。
天井までフル装備の玄関収納
さて次は玄関収納のコーナーに。新居では玄関土間の脇に、4平米ほどのシューズインクローゼット空間を設置。ここに内部ユニット「カンタナ」を効率よく並べる計画です。
カンタナは靴類はもちろん、ユニットの組み合わせで、外出用の上着や小物などをスッキリと収納できます。「子どものスポーツ用品や電動自転車のバッテリーなど、靴以外の収納も考えています」とコジマジックさん(写真左)。
「棚板は、土などで汚れても掃除しやすい樹脂製。マスキングテープなどで色分けして、ピンクの棚はママ、ブルーはパパ、イエローは子どもなどと決めておけば、出し入れも整理もしやすいですよ」とコジマジックさん(写真右)。
靴収納の奥行きは300㎜のほか、250㎜も選択可。狭小空間にも設置しやすいよう工夫されています。
新居では、奥行き300㎜で、天井付近まで収納スペースを確保した大容量の収納プランを選択。内訳は、棚板だけの収納を4台とハンガーパイプと棚板を組み合わせたものを1台。おしゃれ好きなご夫妻の靴や子どもたちの靴が増え続けても安心です。
「カンタナ」は床付け施工とフロート施工が選べ、併用も可能とのこと。展示品は床付け施工で、付属のアジャスターで高さ調節OK。不陸のある床(平らでない状態の床)でも傾きのない施工が可能です。
一方フロート施工は、壁面に取り付けたフロート支持桟で支える方法。「新居もフロート施工を選択。下がオープンだと掃き掃除しやすいのも利点」(コジマジックさん)。設置場所が土間であれば、水をまいての拭き掃除もできます。
引き出しもつけられます。ここにはポケットティッシュやタオル、カギ、印鑑やボールペン、サングラスなど、外出や宅配の受け取りに必要な小物をまとめて収納。ポケットティッシュやマスクなどは、外出前にいちいち部屋に取りに行く必要がなく、便利そうですね。
木製の棚板を選んでパントリーに使用
カンタナの棚板は、樹脂のほか木製もあります。木製の棚板は重量があったり、少しかさばるモノの収納に有効。パントリーの壁面に、木製棚板のカンタナを4台連結させて並べる予定。「モノに合わせて細かく高さ調整でき、棚の幅や枚数もオーダーできます」とコジマジックさん。
全体の幅は3510㎜。食品ストックなどもたっぷり収納できますね。さらにカンタナと向かい合う形で、ミセルの吊戸棚とカップボードを設置。「食器や調理道具などもしっかり収納できそうです」(奥さま)。
収納計画は早め早めに
さて、かなり具体的に新居の収納を紹介させてもらいましたが、一般的に、収納計画はいつぐらいまでに行えば安心でしょう?DAIKENデザイン部の内村さんは話します。
「設計段階から自分の持ち物に合わせて打ち合わせを重ね、どこに何を収納するか図面に組み込んでいくのが正解。家づくりを考えるお客さまに話をうかがうと、やはり一番困っているのが収納なんですね。当社製品のように工事が入る製品は、早め早めが肝心です」(内村さん)。
収納空間の優先順位を高くしてボリュームを確保すれば、居住空間はスッキリ、快適に!
狭い部屋のクローゼットは引き戸が正解
最後に、収納にともなうクローゼットの扉も確認させてもらいました。「3階の子ども室は4畳弱と狭くて、ベッドを置くとあまり余裕がない。だからクローゼットの扉は慎重に選ばないと、と思っていました」とコジマジックさん。
最初に想定したのは一般的な折れ戸だそう。「でも折れ戸を開けると手前に“引く”スペースが必要になり、脇にあるベッドにつかえてしまいそうで…」(同)。
「いいものがありますよ」と内村さんが教えてくれたのが、ハピアクローク収納の引戸ユニット。左右どちらかの扉を1枚引くだけで2枚目の扉が連動して開くので、子どもでも扱いがスムーズ。
「手前に引かないので狭い部屋にぴったり。3枚扉だと、2枚扉よりも開口スペースが広くとれるのもいいですね!」と、こちらを採用することに。内部には「リラクロ」を設置。ハンガーパイプと棚板、引き出しを組み合わせます。
このほか3階主寝室とつながるウォークインクローゼットにもリラクロを設置予定。こちらは空間に扉を引くスペースに余裕があるため、折り戸仕様としました。
「適所適量の扉を設置し、収納はさらに使いやすくなりそう。決して広い家ではないので収納計画は苦労しましたが、容量もレイアウトも大満足。これまで自分が培ってきたノウハウを反映できたのもうれしいです」と結ぶコジマジックさん。
竣工後に家族みんなの持ち物を収めるのが楽しみですね!
■TOTO・DAIKEN・YKKAP 東京コラボレーションショールーム内 DAIKEN新宿ショールーム東京都渋谷区代々木2-1-5 JR南新宿ビル7F
営業時間10:00~17:00 休館日:毎週水曜日(※祝日の場合開館)、年末年始・夏期休暇
【一般社団法人日本収納検定協会 代表理事 小島弘章】 片づけ・収納・住まいに関する確かな知識と実績を持つプロフェッショナルでありながら、松竹芸能で25 年の芸歴を積んだ、主婦層に圧倒的な支持を受ける男性ライフスタイル系タレントのパイオニア的存在。収納に“ 笑い”を取り入れたセミナーが話題となり、年間講演依頼数は200本以上、著書・監修本は累計40万部を超える。“収育”を理念として掲げた日本収納検定協会を設立し、お片づけを楽しむ検定「収納検定」をスタートさせる。そのほか収納グッズ開発やマンションの収納監修など、日本や中国を中心に幅広く活躍中。 山田耕司=撮影 田中敦子=取材・文