はじめは新築マンションの購入を考えていたというNさん夫妻ですが、たまたまネットでEcoDecoを見つけたことで、中古+リノベーションという選択肢が浮上。東京都江東区の川沿いに建つ、昭和56年築の公団の一室を2480万円で購入し、工事費1050万円(設計料込)をかけて、好きなものに囲まれた快適な空間を実現させました。

目次:

ラフ&モダンなLDK趣味を詰め込んだ玄関ホール間取りを生かした寝室とサニタリー

ラフ&モダンなLDK

造作ダイニングテーブル
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昭和56年築の公団の一室をリノベーションしたN邸。立地、環境ともに抜群な歴史ある公団で、Nさんの親世代にあたる住人が長く暮らし、独特の秩序と安寧が保たれていました。
エントランスを見た時に「ここなら大丈夫」とピンとくるものがあり、購入とリノベーションを決断したそう。

ラフ&モダンなダイニングキッチン

まずは、和室を撤去してLDKの広さを確保。躯体を現しにした天井、モルタルのキッチン、木のテーブルと、ダイニングキッチンはラフ&モダンな雰囲気。壁付けだったキッチンは90度向きを変えて対面式にし、リビングを見渡せるようにしました。

「キッチンは機能的すぎず、インテリアにしっくり馴染むよう、モルタルを選びました」と夫妻。
ダイニングテーブルも造作し、キッチンの周囲にカウンターを回しました。

インテリアになじむモルタルキッチン

キッチン背面には腰高の収納棚を造作し、コンロ台と食器棚を兼ねました。延長線上には、夫のワークスペースも。トップをモルタル、扉をウォルナットカラーに塗装することで、家具のような美しさに。
そして排水管を隠すためにふかした壁の上部を利用し、キッチンの壁際には飾り棚を設置。カウンター下にも棚を造り付け、リビングからの眺めも楽しめるように本や雑貨をディスプレイしています。

DIYオイル塗装したナラ材フローリング

もともとあった和室の壁を取り払い、広々としたリビングを実現。床には無塗装のナラ材を張り、Nさん自らがオイル塗装しました。
デッドスペースに置いたコートハンガーのおかげで、リビングがすっきりしています。テレビ台、ソファ、ローテーブルはウォルナットの家具で人気の「マスターウォール」のもの。

押し入れを活用した書庫

LDKの各所には、お気に入りの雑貨やアートをディスプレイ。ギャラリーに勤務する妻のセンスが光っています。

また、リビングにあった押し入れは、棚を取り付けて書庫に転用。造作するとコストのかかるルーバー扉は、デザイナーの岡野さんが別の現場で解体時に見つけたものを白く塗装してリユースしています。

解放感ある天高と眺望

古い公団のネックは、天井の低さ。そこで和室の天井を解体し、天井高を確保することで、空間に広がりを持たせました。配管はむき出しのままにし、ラフな雰囲気に。

ときにはカモメもやってくるというベランダに出ると、このリバービュー。川沿いに建っているので、眺めは抜群です。「そばに大きな道路が通っていないせいか、窓を開けても静か。くつろげます」と夫妻。

趣味を詰め込んだ玄関ホール

アウトドアショップのような玄関

登山グッズなどが有孔ボードに吊るされ、おしゃれなアウトドアショップのような玄関。外回り用品の収納場所を兼ね、下駄箱にはDIYグッズなどを収めています。
壁には無塗装のラーチ合板を張り、ガレージ風に演出。

玄関の壁はボルタリング仕様

ボルタリングが趣味という夫のために、玄関ホールにはボルタリングスペースを設けました。強度が気になるボルタリングウォールですが、専門サイトで施工方法を調べれば意外と簡単につくれるそう。
ビスは木の壁に馴染むように真鍮製を選んでいます。

玄関の天井収納

天井には黒く塗った金網を取り付けました。カラビナやSカンで登山グッズを吊るして収納しています。

間取りを生かした寝室とサニタリー

シンプルな寝室

白い壁とフローリングで、シンプルに仕上げた寝室。押し入れを撤去し、出入り口の位置をずらしてWICを設置しました。
広さは約5畳ですが、仕切り壁の高さを抑えたことで天井が広がり、閉塞感がありません。

寝室の壁はDIY塗装

壁の塗装は夫が友人とDIY。長押(ながげし)の跡のくぼみにSカンを引っかけ、デニムをちょい掛けしています。寝室の隣は将来の子ども室。玄関ホールの拡張と寝室の出入り口の兼ね合いで既存より狭くなりましたが、個室として使うには十分な広さ。
開き戸は壁に合わせて、外側は木、内側は白く塗装しました。

床をモルタル仕上げにしたサニタリー

洗面所とトイレは位置を動かさず、内装と設備を新調。床は玄関と同じモルタルにし、空間につながりを持たせました。
洗面台はオリジナルで、モルタル×扉の藍色の塗装がとってもクール。

奥の収納棚は、パイプスペースと柱の間に生まれた空間を活用して設けました。成熟した公団が持つ安心感と、自分たちらしい住まいを得たNさんは、新居での暮らしを存分に楽しんでいます。

プロデュース、設計・EcoDeco
撮影/山田耕司
※情報は「リライフプラスvol.15」取材時のものです