賃貸マンションの更新を期に、家の購入を考えたMさん夫妻。「どうせ同じお金をかけるなら自分たち好みの空間にしたい」と中古マンションを買ってリノベーションすることにしました。物件は神奈川県横浜市で購入しました。駅からは徒歩圏内、平成16年築と築年数が浅め、専有面積は81平米で広いベランダがあるマンションです。リノベの設計・施工は、施工事例の雰囲気や自然素材を取れ入れた家づくりに好感を持っていたスタイル工房に依頼。工事費は920万円(税・設計料込み)でした。打ち合わせの際にはどうしてもリノベで譲れない点として玄関土間、充実した収納、無垢フローリングを挙げたそうです。
木の温もりが漂うゆったりとしたLDK
すべての画像を見る(全16枚)リノベのイメージは、ピンタレスト(画像をブックマークして集めるツール)を使ってデザイナーの黒沢拓也さんと共有。広いリビングやふたりで立てるキッチンなどもリクエストしました。
リノベ前のLDと和室
リノベ前のLD
既存ではリビングダイニングに隣接した南向きの和室がありましたが、壁を取り払って空間をひとつにまとめました。
広くなったリビングダイニングの床に張ったのは、オークの無垢フローリングです。若干節があるためリーズナブルだったそう。少しずつあめ色に変化していく経年変化も楽しみだといいます。天井の飾り梁は、将来子ども室をつくるときのために取りつけたものです。
ダクトレールや吊り戸棚のアイアン、壁のブルーがいいアクセントになっていますね。
キッチンカウンターの腰壁には塗装したナラのフローリング材を張ることで、いっそう木の温もりが感じられる空間に仕上がりました。キッチンの右側に見えているのは、パントリーです。「収納を充実させたい」という夫妻の要望に応えて、黒沢さんが提案したもののひとつです。
収納内部はDIYでカスタマイズ!
パントリーはキッチンからすぐにアクセスでき、しかもリビングに通り抜けることもできる便利なつくり。
パントリー内部は下地のみつくってもらい、IKEAの棚などをあとからDIYで設置しました。入れるもののサイズを測ってパーツを吟味したため、家電やゴミ箱などもきちんと収まっています。パントリーのおかげで、キッチンはいつもスッキリ! 使い勝手がよく、つくって大正解だったそうです。
黒沢さんが提案した収納のもうひとつが、部屋ひとつ分はある広いW.I.Cです。玄関を入ってすぐ右手のアール壁の先にあり、動線も快適。
W.I.Cの中央に壁をつくってもらい、IKEAの収納システムをDIYで設置。壁の両面に収納システムを設置することで、収納量をグンと増やすことができました。IKEAならではの便利な収納パーツを組み合わせて、かさばりがちな洋服や靴などもスッキリと収納しています。パントリーの棚も同じものなので、必要に応じて組み換えも可能です。
ゆったりとした玄関土間も実現!
「どうしてもつくりたかった」というゆったりとした玄関土間。土間をW.I.Cと廊下側へ広げる形で実現しました。ベビーカーなどがそのまま入れられて重宝しているそうです。
廊下の床はLDKと同じオークの無垢フローリングです。
LDK入口は引き戸で、すりガラス入りです。そのすりガラスを通してLDKからの光が廊下にもやさしく漏れてきます。寝室のW.I.Cがあったところは、夫の書斎にしました。「完全に閉じた空間にはならないように」という妻の希望から、リビング側に内窓をつけています。
洗面スペースはマリンテイストで統一しました。洗面台下の棚は扉をつけず、カゴを活用して収納しています。トイレは設備と内装を一新。クロスは天然鉱石が配合されたものをセレクトしています。
「DIYで収納を取り付けるなどして手をかけたぶん、愛着の持てる住まいになりました」と話してくれたMさん夫妻でした。
設計・施工/スタイル工房
撮影/遠藤 宏
※情報は「リライフプラスvol.28」取材時のものです