東京都品川区に住むKさん夫妻。夫が独身時代に3,100万円(購入時)で購入したマンションを、工事費700万円をかけてリノベーションして暮らしています。立地がよく、眼下に桜並木が広がる都内でも人気のヴィンテージマンション(昭和45年築)です。専有面積は51.09平米とややコンパクトで、直角三角形のような変形のワンルーム。本当は結婚を機に、住み替えを考えていました。ところが、なかなか気に入る物件に出会えないうちに、この部屋の素晴らしさを再認識したといいます。「とにかく桜が見事なんです」と妻。リノベーションは何社か選んだ中から、対応がスムーズだった空間社に依頼しました。夫婦ふたりで快適に住めるように計画が進むなか、急きょ子猫を家族に迎えることになったそうです。

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猫トイレの置き場所に技アリ!変形のワンルームを機能的に、暮らしやすく!

猫トイレの置き場所に技アリ!

キッチン
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「猫を飼うことはまったく考えていなかったのですが、ぱんちゃんに出会ってしまって……」と、Kさん夫妻。空間社は柔軟に対応し、猫の快適さもプラスした住まいになるよう工夫しました。今ではバターくん、みるくちゃんも加わり、夫妻は3匹の猫とともに暮らしています。

猫を飼うにあたって、まず悩むのが猫トイレの置き場所ではないでしょうか。K邸の玄関からLDKへ向かう廊下の壁には小窓があり、そこを抜けると洗面台の下を利用した猫のトイレスペースになっています。洗面台の下の扉を閉めれば見えなくなるので、来客時も気になりません。

玄関

猫トイレは下足棚の下にもあり、ぱんちゃんが乗っているものがそれ。深型で、砂が飛び散りにくいタイプです。

下足棚

下足棚は斜めの壁を利用していて、収納量を十分確保しつつ、オープンにすることで圧迫感をなくしています。

リビングのドアには、キャットスルーを設けています。設計を担当した空間社・宮本泰則さんが、猫が通りやすい素材を厳選してつくった自信作です。リビングの壁面には、猫が大好きなキャットウォークを設置しました。夫愛用のオーディオ機器が収まるように造作された、テレビボードから上っていけるつくりです。

変形のワンルームを機能的に、暮らしやすく!

キッチン

キッチンは玄関の近く、壁が斜めになった部分にありましたが、明るい南側に移動してリビングと一体化。ダイニングテーブルを兼ねるアイランドキッチンとしました。

キッチン

10センチ角タイルや見切りのオーク材、腰壁の羽目板にレトロ感が漂うキッチンです。壁側にはIKEAのキャビネットを設置しました。扉の色と取っ手は空間に合うよう変更しています。

デスクコーナー

キッチン隣の窓際は、妻のデスクコーナーです。春になると、この窓から桜並木が見下ろせます。以前は玄関土間に置いていたという洗濯機は、左手の白い扉の中に収めました。家事動線もスムーズです。

リビング

unicoのソファを配したリビング。床にはオークの無垢フローリングを張りました。白い引き戸の先は寝室で、リノベ前は防音室があった部分を利用しています。

寝室

寝室には内窓が設けられています。

書斎

キッチンがあった場所には、本やCDがたっぷり収納できる書斎もつくりました。夫が趣味の楽器演奏を楽しむスペースになっています。

トイレは床の白いタイル×黒い目地の組み合わせがアクセントになっています。洗濯機スペースだった玄関土間には、この空間のサイズに合わせてオーダーした収納家具とベンチを設置しました。

猫

設計・施工/空間社
撮影/山田耕司
※情報は「リライフプラスvol.27」取材時のものです