思いどおりの空間を手に入れるため、賃貸マンションから持ち家への住み替えを検討していたOさん夫妻。ところが当初、何から手をつけていいかわからず困っていたそうです。そんなときに知ったのが、物件探しや住宅ローンのことまでワンストップで依頼できるリノベーション会社のEcoDecoでした。「不動産会社や銀行、リノベ会社と自分たちだけで回るのはハードルが高すぎる」と、物件探しから相談することにしたそうです。総予算を3,000万円と決め、神奈川県横浜市で昭和61年築、専有面積71.62平米の物件を1,550万円で購入。工事費1,100万円(税・設計料込み)でリノベを行いました。
こだわりのヘリンボーン張りの床に妥協なし!
すべての画像を見る(全17枚)「そもそも総予算が現実的じゃない金額なので、内装には少し手を加えるだけになるかもと思っていました」と夫。しかし、物件価格が低く抑えられた分、リノベーションに多くの予算を振り分けることできました。
リノベ前にあった和室
物件は1階角部屋。南西2面にある広いバルコニーや緑豊かな環境に一目ぼれして購入しました。
南西側にあった和室をなくし、LDKをL型のバルコニーに囲まれた広い空間とすることで、いっそう光と借景が楽しめるようにしました。部屋がより広く見えるように、家具の高さを抑えているのもポイントです。
多趣味な夫妻は、本やレコードなど持ち物の量を最小限に抑えつつ、棚を利用して上手に収納しています。
棚などの家具は、ほとんどが無印良品のものです。キッチンのバックカウンターにも無印良品のシェルフを使用しています。
リノベ前のキッチン
キッチンは、既存では独立型でした。
リノベではキッチンをオープン型に変更。さらに、キッチン腰壁には黒い有孔ボードを利用し、個性的に仕上げています。内装で最もこだわったのは、ヘリンボーンの床です。
コストがかかる張り方ですが、張る面積を削るという妥協もせず、LDKと廊下はすべてヘリンボーンとしました。オーク材ならではの、重厚感も魅力です。
ラフな仕上げでインダストリアルな空間に
床に予算をかけた分、壁や天井は部分的に躯体現しにして、ラフに仕上げています。「壁紙を剥がしたらパテ跡が抽象画みたいで、そのままでいいかな、と。好みのインダストリアルな雰囲気が出てよかったです」と夫妻。
寝室の壁もコンクリート現しです。
どこを現しのままにするかは、既存の壁を剥がした時にパテ跡などのバランスを見て夫が直感で決めたそうです。
寝室の隣には、絵を趣味とする夫のアトリエがあります。
アトリエはいずれ子どもができたら、子ども部屋にする予定とか。「子どもが好きなだけ落書きできるから」と、壁も天井も現しのままにしました。それがまたアトリエらしく見える要因にもなっています。
見習いたい! 空間を楽しむ技
玄関の壁面には帽子やバッグだけでなく、趣味のレコードなども飾られています。夫妻がリノベ空間を楽しんでいる様子がうかがえますね。
キッチンがあった場所は大容量のWICに。レトロな「のれん」もアクセントになっています。
トイレの壁2面には有孔ボードを張り、お気に入りのポスターやチラシなどを飾っています。その一方で、実験用シンクを設置した洗面スペースはとてもシンプルな雰囲気です。
夫妻は今回のリノベを「大雑把に要望を出し、あとは専門家におまかせ、で正解でした」と振り返ります。例えば、各居室の引き戸は天井までの高さがあり、閉め切ると壁と一体化するつくり。比較的廉価な合板を使用して、建具のコストも抑えています。
「自分たちでは考えもつかなかったアイデア」と夫妻も大満足の様子でした。
プロデュース・設計/EcoDeco
撮影/飯貝拓司
※情報は「リライフプラスvol.27」取材時のものです。