塗装壁はオシャレだけど、傷がつきやすいですよね。ついてしまった傷を自分で補修すると、逆に悪目立ちしそう……と見て見ぬふりをしてみたり。これも味わい?と納得したふりをしてみたり。東京・恵比寿にオフィスを構える人気リノベーション会社・EcoDeco(エコデコ)さんの顧客アンケートでは約半数の方が、塗装壁の傷に悩んでいたそう。そんな背景もあって開催された「職人から学べる塗装壁の直し方」というワークショップに参加してきました。講師は工務店ファインアーツ代表の渡辺力也さん。そこで学んできた補修方法は前回の「簡単4ステップ!塗装壁の補修をDIYする方法」でご紹介しています。今回は、正しい塗料の選び方や、汚れやクラック(ひび割れ)、壁の角(コーナー)の補修方法をご紹介します。
水性?油性?色はどれ?正しい塗料の選び方
ホームセンターに行くと、たくさんの塗料が並んでいます。
その中から、自分がやりたい作業にピッタリの塗料がどれか、探し出すのは難しいですよね。
そもそも、塗料には水性と油性があるそうです。
水性塗料の特徴
水性塗料は油性塗料より粘度が低く、さらっとしているので、塗りやすいのが特徴です。
壁のペイントや補修などは、水性塗料が向いています。
すべての画像を見る(全12枚)ただし、傷や汚れが付きやすいので、耐久性を求められる箇所の塗装には向いていません。
金属にも水性塗料で塗装することはできますが、耐久性が求められる箇所の場合は、油性塗料が向いています。
乾くのに1時間~2時間かかるので、重ね塗りするときは時間がかかります。
作業後は水で洗い流すことができて扱いやすいのも特徴です。臭いも少ないので、お子さんと一緒に作業もしやすいですね。
油性塗料の特徴
油性塗料は水性塗料より粘度が高くドロッとしているので、少し塗りにくいです。
油性マジックによく似た刺激臭があるので、作業は換気をしながらおこなう必要があります。
傷や汚れが付きにくく耐久性に優れているので、金属部分や扉、窓枠などのペイントに向いています。
塗った後は数分で表面が乾いて、触れるようになりますが、しばらく臭いは残るので、換気は長時間したほうがいいようです。
作業後の刷毛などは、水洗いでは汚れが落ちないので、塗料用シンナーを用意する必要があります。
塗装壁補修用の塗料の選び方
塗装壁を補修する場合は、元の壁の色と同じ色を選びたいですよね。
塗料のメーカーはいくつもありますが、日本では「日本塗料工業会規格」で塗料用標準色が決められ、それぞれ色票番号が付いているそう。
どこのメーカーの塗料を選んでも、色票番号が同じなら、同じ色になります。
自宅の壁の色票番号がわからない場合は、設計図面を見てみると書いてあるそうです。
同じ色を塗っても、経年変化でツヤがなくなっていくので、新たに塗った部分だけツヤっぽく目立つことがあります。
それも味わいと思えればいいですが、気になる場合は、“梁の下の壁の一面だけ“など面を区切って塗りなおせば、塗りなおしていない面との違いはわからなくなるそう。
こんな部分の補修はどうしたらいい?
壁の補修の基本は、前回の記事で紹介しましたが、ほかにもこんな場合はどうすればいいの?という汚れや傷がありますよね。
そんな部分についても補修壁初心者のトノエルが職人さんから聞いてきました。
壁の汚れは消しゴムで消す
モノが擦れたときにできる黒ずみなどの汚れに使うのはこれ。
いつも使っている消しゴムで擦るときれいになります。
メラミンスポンジでも汚れは落ちるそう。ビニールクロスの壁でも、消しゴムやメラミンスポンジは汚れ落としに使えるそうですよ。
クラック(ひび割れ)はコーキング材でふさぐ
経年劣化で亀裂ができたり、角の部分の塗料が割れたりすると気になりますよね。
そこには、壁用コーキング材でスーッと線を引くようにするときれいになります。
コーキング材は粘度の高い塗料でできているとのこと。
コーキング材が乾いた後は、紙やすりで軽く擦ってならし、壁と同じ色の塗料で塗装すればきれいになります。
コーナーの擦れ傷はパテで成形する
壁の角まで塗装壁だととってもオシャレですが、傷つきやすい箇所でもありますよね。
角の擦れ傷も、基本の補修方法と同じく、パテを塗って傷を埋めるようにしたあと、角の形に合わせて、ヘラで成形します。
パテが乾いた後は、紙やすりで軽く擦ってならし、壁と同じ色の塗料で塗装すればきれいになります。
いかがでしたか?はじめての塗装壁の補修体験でしたが、思っていたより簡単で、手軽に取り組むことができました。
オシャレな塗装壁もきれいな状態を保つのは難しいもの。
あきらめていた傷や汚れが、簡単DIYで短時間にきれいになるかもしれません。
参考にしてもらえるとうれしいです。丁寧っぽい暮らしをめざす、トノエルでした。
※取材協力 EcoDeco