神奈川県川崎市に住むTさん一家は、デザイン関係の仕事をしている夫と料理好きな妻、双子の姉妹の4人家族。仕事の都合で住んでいたロンドンからの帰国が決まり、子どもたちの学区を優先して築25年、庭付きの木造2階建てを選びました。

目次:

学区優先で戸建てを選択。中古+リノベーションで好みの空間に!1階のLDKは細長いトンネル?南北に光と風が抜ける2階はプライベートスペース。子ども部屋はドアを増設して2部屋に

学区優先で戸建てを選択。中古+リノベーションで好みの空間に!

エントランス
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中古の戸建を手に入れ、夫は迷わずリノベーションを選択。工事費は1,800万円(外構工事費、設計料、消費税は別)。雑誌で見て「デザインしすぎない普通っぽさ、穏やかさが気に入った」とimajo designの今城敏明さん、由紀子さんに設計をお願いすることに。

LDK

南北に細長いつくりのTさん邸。1階は家族が集まるLDKです。夫の要望は「トンネルのようなワンルーム」。そのために、リノベ工事では珍しいことですが東側の窓を一部閉じ、間仕切りをできる限り取り払って、一番奥のキッチンまで光と風が抜けるデザインとしました。

1階のLDKは細長いトンネル?南北に光と風が抜ける

LDK

光を取り込む南面には、天井までの大開口が! 一番明るい場所に家族が集うリビングを配置しました。

ダイニング

北側のキッチンからリビングを見たところ。間仕切りがないため、光が奥まで届いています。そう言われると、トンネルっぽく見えないこともない?

ダイニング

キッチン脇の造り付けの収納は、どうしても撤去できなかった構造壁を利用して設けました。“トンネル感”を邪魔するものとして、夫としては唯一の心残りだとか。

ダイニング

家具のデザインも手掛ける夫。ダイニングの椅子が一つひとつ違うのは、いろいろな椅子の座り心地を試したかったからとのこと。

キッチン

料理好きな妻は、当初ダイニングに向いたカウンターキッチンを希望していましたが、建物の横幅が足りず断念。

キッチン

結果、窓側にコンロ、背面にシンクを置いた大きなキッチンになりましたが「友人が遊びに来たときは、みんなでキッチンに立てて便利です」と妻。

サニタリー

水回りは1階に集約。シンプルな洗面台はオリジナルで、今城さんが水回りのデザインによく使用しているスモーキーなグレーのタイルが気に入り、キッチンと洗面に使っています。

2階はプライベートスペース。子ども部屋はドアを増設して2部屋に

階段

キッチン脇の階段を上がって2階へ。オープンな1階と違い、2階は完全なプライベートスペースです。

2階子供室

子ども部屋はいつでも2つに仕切れるよう壁だけを立てていましたが、双子の娘たちが中学生になり、つい最近ドアをつけて個室にしたばかりだそう。

子ども室
子ども室

中学校ではそれぞれ違う部活に入るなど個性の異なる2人。どちらの部屋を取るかもめることもなかったそうです。窓に面して明るい部屋と、窓はないけれど広さのある部屋。どちらにもイケアのベッドと机を置いて、機能的な空間としました。

庭

ちなみに、2階から庭を見下ろすとこんなふう。庭はリノベーションの後に夫が設計して改装しました。友人を呼んで食事をすることも多いTさん一家。人数が多いときは、アウトドア用のテーブルをリビングから庭までつなげて楽しむそうです。

こちらはエントランスのビフォーアフター。

改修前の玄関

ビフォー

改修後の玄関

アフター

外壁などは基本的に既存利用ですが、エントランスは一部モルタル仕上げとしています。また、以前は玄関を入ってすぐに階段がありましたが、階段の位置を見直したことで右のような広々とした玄関になりました。

玄関
ワークデスク

間仕切りが多く、特に1階は奥に行くほど暗くなる造りだったT邸。壁を取り払い、明るくきれいなワンルームとなりました。思い描いたとおりの空間に大満足、という夫。友人を呼ぶ機会が以前よりずっと増えたそうです。

設計/今城敏明+今城由紀子(imajo design/イマジョウデザイン一級建築士事務所)
撮影/飯貝拓司
※情報は「住まいの設計2018年1-2月号」取材時のものです