衣替えの季節。お気に入りの椅子の座面もイメチェンしてみませんか?実は、張り替えが難しそうな椅子の座面は、タッカーを使えば結構簡単に張り替え方ができます。今回は、中古の名作「スツール」を購入して座面を張り替えます。リーズナブルに自分好みの一脚を作ってみませんか?
BEFORE
今回張り替えをする椅子は、1950年代に秋田木工によって発売され、なんと100万脚(!)も生産されたという大ヒットした中古の椅子です。
主張しすぎないシンプルなデザインが長く愛される理由かもしれませんね。
もともと張られたビニールシートもレトロな味があってなかなかいいのですが、この座面部分を新しい布地に張り替えると、印象がガラリと変わります。
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リネンのハンカチをうまく使って張り替えました。どこか温かみのある印象になりましたね。
早速、椅子の解体と張替えを解説していきます。
用意する物
- 椅子
- 好みの布(座面のサイズより大きめのもの)
- タッカー
- ペンチまたはドライバー
- ウレタンシート(厚さ2cm程)
- マジック(油性)
- ハサミ
- 両面テープ
中古の椅子の入手方法
上記で紹介したビンテージの中古のスツールは、100万脚の大ヒット商品ということもあり、リサイクルショップやオークションサイトなどでも頻繁に目にします。
今回は、使い古した感のある椅子がよく、オークションサイトで状態の良くないものを5,000円で落札してみました。
写真の通りガタつきなどはありませんが、ところどころに白いペンキ汚れがついています。
きっと前の持ち主はDIYのお供に使っていたのでしょう。
しかし、今回は座面と木部の両方に手を入れるつもりなので、汚れは問題ありません。
リメイクスタート
1.解体作業
早速、解体作業に入ります。
このスツール、脚の部分と座面が4本のボルトとナットによって固定されています。ナットをゆるめるにはボックスドライバーが必要なのですが、手元にあるペンチを使って外していこうと思います。
スツールの状態によっては錆ついてボルトごと回ってしまい、外れない場合もあります。
その時は、座面のシートを先に外すか切るか工夫して、ボルトの頭を見えるようにした状態で、ペンチでおさえながら回せばなんとか外すことができます。
どうしても外れにくい場合には、潤滑剤などを吹き付けつつボトルを回すと良いですよ。
4本のボルトを外すのはけっこうな時間もかかり、なかなか骨の折れる作業です。ですが、ここは頑張ってください。
座面と脚を分解できました。
2.座面の取り外し
次は座面のビニールシートを取り外します。
シートを固定しているステープルを抜いていきますが、このとき小さめのバールがあると作業がしやすいです。
ひとつひとつステーブルを抜いていくので時間がかかりますが、コツコツ進めていきましょう。ものによって釘が使われている場合もありますので、これもペンチで抜いていきます。(写真上部)
シートを取り外すと、中綿かスポンジが出てきます。(写真下部)
このように古くなったスポンジには臭いがある場合もあるため、できれば新しいウレタンシートに取り替えましょう。
今回選んだものは、低反発ウレタンとチップウレタンの二層構造のもので、厚さは2cm程。
ネットショップで1枚500円ちょっとでした。
安価ですが、座り心地はなかなかよかったです。より心地よい座面をめざす方は、もっと厚みのあるものを使ってもいいですね。
3.座面のウレタンの準備
ウレタンの上に座面をのせてマジックでかたちをなぞり、ハサミで切り抜きます。
座面の上部は曲線になるように、角をはさみでカットします。
これを両面テープで座面に貼り付ければ下準備は完成です。
4.座面の張替え
さて、いよいよ新しい生地をかぶせていきます。
生地の張り替えは、たるみがないように慎重に行うことが大切です。
また、座面の生地選びは本当に迷うところですが、生地によって印象が変わるので、じっくり選んでくださいね。
今回は二子玉川のおしゃれな雑貨店「リゼッタ」で見つけたリネンのハンカチを使うことにしました。
深い森のなかにキツネの姿が見えるかわいい柄です。
シートのカバーにハンカチというと違和感があるかもしれませんが、一辺のサイズが40cm強あればサイズ的には足りますし、端がほつれることもないので座面に留めやすいという利点もあります。
座面の角は、生地をうまくまとめながら留めます。
できました!
これを再び脚に固定すれば完成です。
いかがですか?
手を入れる前とくらべて、雰囲気がガラリと変わりました。
今回は、脚にもやすりをかけて塗装を落とし、ワックスを塗って仕上げてみました(状態が悪くなければそのままでも問題ありません)。
ちなみに「解体なんて大変そう……」というめんどくさがりの方は、脚を取り外さないで座面のシートだけを外して張り替えてしまうのも可能です。
その場合、脚をうまく避けながら生地を留めていくことになりますので、裏面の仕上がりが雑な感じになってしまうのでご注意を。
好みや用途にあわせてカスタマイズできるのがDIYの魅力
さて、最後にこれまで張り替えてきたスツールたちをご紹介しましょう。
左は「ミナ・ペルホネン」の生地「タンバリン」で張り替えたもの。
リビングで長時間座ることも想定して、クッションには厚めの低反発ウレタンを使用し、座り心地にこだわってみました。
ちなみに、木部はやすりがけのみで、あえて木の触感を残しています。
右はスウェーデンのファブリックメーカー「アルメダール」の「キツネとブドウ」。
オレンジのキツネが印象的なテキスタイルです。
こちらは実家のリビングで使っているもので、生地は国産ブランド「クォーターリポート」の「エイク」。カーテンやクッションの柄とそろえることができるのもカスタマイズの魅力です。
食卓で使うスツールには、撥水加工された生地がオススメです。
この生地はデンマークのテキスタイルメーカー「ローゼンバーグ・コペンハーゲン」の「ビッグドロップ」。食べ物を少々こぼしたくらいならサッと拭き取れます。
部屋の雰囲気や置き場所にあわせてカスタマイズできるのも、DIYならではですね。かかる費用はスツール本体を含めても1万円弱といったところです。ちなみに、同じやり方でふつうのイスを張り替えることもできます。
生地を変えるだけで、イスの印象もガラリと変わります。みなさんもぜひ自分だけの一脚を作ってみてください。