年を重ねるにつれ、髪への悩みが増えたり、これからの自分に似合う髪型がわからないと感じたりすることはありませんか?
今回は「美容院でよくお客様から聞かれる質問」について、女性の髪問題に詳しいヘアライター・佐藤友美(さとゆみ)さんが、人気ヘアサロンMINXのディレクター・八木花子(八木ちゃん)さんに直撃。多くの大人女性が気になりやすい、髪や髪型に関する悩みとその対処法や考え方について語っていただきました。
美容師がお客様によく聞かれる質問にズバッとお答え!
さとゆみ:今日は八木ちゃんに、お客さまからよく聞かれること、お客さまがよく勘違いされていることを聞ければと思っています。
八木ちゃん:はい、よろしくお願いします。
●その1:「私にどんな髪型が似合いますか?」
さとゆみ:まず、お客さまによく聞かれる質問、ナンバーワンってなんですか?
八木ちゃん:多いのは「私にはどんな髪型が似合いますか?」という質問ですね。
さとゆみ:なるほど。
八木ちゃん:でも、これは一概には言えないことなんですよね。
さとゆみ:たしかに、「似合う」というのは、顔型や髪質だけに似合えばいいというわけじゃないですもんね。
八木ちゃん:そうなんです。たとえば、今、仕事を大事にしたい時期なのか。プライベートを重要視したい時期なのか。イベントがあるのかどうか。どんなふうに自分を見せたいのか…。それによって「似合う髪型」は毎回変わるんですよね。
さとゆみ:同感です。
八木ちゃん:なので、「この世の中に、たったひとつ、自分に似合う髪型が存在する」と思うのではなく、そのときどきの自分に似合う髪型があって、それはどんどん変わっていくと思ってください。
●その2:「もう若くないから」の勘違い
八木ちゃん:これは、質問というわけではないのですが、お客さまが口にされる言葉で「もう若くないから」という言葉をよく聞きます。
「もう若くないのに、前髪なんかつくったら、若づくりに見えませんか?」
とか
「もう若くないから、そろそろショートヘアにしたほうがいいでしょうか」
といったふうに。
ああ、それ、わかる気がします。よく聞きますね。
八木ちゃん:でも、たとえば前髪なんて、年齢に関係なくつくっていいものですし、大人になったからといってロングヘアをやめたほうがいいなんて、決めつけなくてもいいんです。
さとゆみ:そのとおりですよね。
八木ちゃん:たしかに、アイドルみたいな前髪は、大人の女性には似合いにくいかも知れません。でも、同じ前髪でも、大人女性に似合う前髪はありますし、年齢を理由に諦める必要は全然ありません。
さとゆみ:むしろ、以前も紹介したように、前髪をつくっておでこを隠したほうが、いろいろ隠せていい場合もありますよね。
八木ちゃん:
そのとおりです。
さとゆみ:ショートヘアの方は、たしかに昔は、40代、50代になったらショートにする方が多かった印象です。でも、美容メーカーの方に聞いたところ、その世代のロングヘア率って、10年前の2倍以上になっているそうですよ。
八木ちゃん:昔はヘアケア商品や薬剤の性能も今ほどよくなかったので、年齢を重ねると髪が弱って伸ばしにくいという状況があったのかもしれません。でも今は、きれいな髪をキープしたまま伸ばしている人たちもたくさんいますから、ぜひ相談してほしいです!
●その3:グレイヘアを始める時期って?
八木ちゃん:先ほどの話とちょっと似ているのですが、「そろそろグレイヘアに移行していったほうがいいでしょうか?」というご相談もよく受けます。でも、私から見ると「少し早すぎるのでは?」と思うことも多いんですよね。
さとゆみ:何歳くらいの方から相談されるのですか?
八木ちゃん:50歳を超えると、突然増える相談のような気がします。60代を見据えるみたいなのですが。でも、今の50代、60代ってものすごく若いし、白髪率も全然高くなかったりするんです。
さとゆみ:白髪率って、どれくらいを超えたらきれいなグレイヘアになりやすいんですか。
八木ちゃん:1か所にかたまっているのか、まばらに生えているかなどの、生え方にもよるので個人差があるのですが、全体の6割から7割くらい白髪にならないと、なかなか「映える」グレイヘアにはならないかなと感じます。
さとゆみ:となると…。
八木ちゃん:実際にグレイヘアにするのは、70代後半になってからでいいのではないかなと思うくらいです。それを踏まえて、グレイヘアへの準備を考えるのは、70代になってからくらいでもいいと思いますよ。もちろん、その年代に入る前に白髪率が6、7割以上であれば踏みきるのも1つの選択肢だと思います。
さとゆみ:先ほどの話と合わせて、「もう歳なので…」と考えてしまうことで、選択肢が減るのはもったいないですよね。
八木ちゃん:はい、もっとポジティブにヘアを楽しんでいただけたらうれしいです。